【実録】「クレジットカード現金化」の看板に釣られ店内に入ったらこうなった

ロケットニュース24 / 2014年1月8日 18時0分

【実録】「クレジットカード現金化」の看板に釣られ店内に入ったらこうなった

街中で「クレジットカード現金化」とか「ショッピング枠を現金化」などと書かれた看板を見かけたことはないだろうか? 看板を見る限り、どうやらクレジットカードさえあれば現金が手に入るらしい。なんとなく、おいしそうである。しかし、どこか怪しい雰囲気も……。

とにかく、現金が手に入りそうなオーラは、特にお金がない人にとって、とてつもなく魅力的に映るだろう。「ちょっとヤバいかな〜」と感じつつも、「現金」という言葉に惹きつけられて、ついフラフラと……。私(筆者)自身のそんな経験を、注意喚起の意味も含めて紹介しよう。

ある時期、私は、まとまった金額のお金が必要だった。詳細な説明は控えるが、期日までにその金額を用意しないと、あまり好ましくない事態になる、いわゆるそんな状況である。当然、私は売れるものを売り払い、あらゆる手を使ってお金をかき集めた。

しかし、どうしてもあと1万円だけ足りない! 期日は迫っており、私の焦りはピークに。そんな時に飛び込んできたのが「クレジットカード現金化」の看板だった。とりあえず、クレジットカードだけは持っていた私は、そのまま店に入ってしまったのだ。

・意外と簡素な室内
店の入り口に呼び鈴のようなものはなく、ドアは開けっ放し。私はそのまま足を踏み入れた。中はワンルームマンション程の広さ。奥を見渡すと、男女2人だけが働いている。受け付けらしきスペースには、公民館にでもありそうな簡素な長テーブルとパイプイスが備え付けられていた。

やがて、女性が私の存在に気付き「いらっしゃいませ~」と声をかけた。一方、男性の方は、私を見ようともしない。黙々と仕事をしているもよう。私は、営業スマイル全開の女性に促されるまま席に着いた。

・購入するのは新幹線のチケット
早速、私が「1万円だけ欲しいのですが、大丈夫でしょうか?」と訊ねると、「クレジットカードがあれば大丈夫ですよ」との答え。女性は、続けて店のシステムについて説明を始めた。

女性「当店では、まずお客様にここの近くにある『みどりの窓口』に行っていただきます。そこで、こちらが指定する新幹線のチケットをカードで買っていただいてから、現金をお渡しするという流れになります。また、当店はキャッシュバック率が80%になります」

この時、私は「キャッシュバック率って何?」と軽く疑問を感じたのだが、「まあ、手数料みたいなものかな」と考えてスルーしてしまったのだ。

女性「お客様の場合でしたら、14940円のチケットを購入されてはいかがでしょうか。そちらでしたら、1万1952円で換金させていただきます」

具体的な金額を知らされて私はようやく、これが全く割に合わない取引だと気がついた。1万4940円をカードで支払い手に入る現金が1万1952円とは、業者の取り分が多すぎる。そもそも私は、1万円さえ融通できない超貧乏人。そんな私に1万5000円近くも支払わせようとするとは……。

・会話は完全に女性のペース
しかし、女性は「こいつはいいカモだ」と確信したのか、説明が急ピッチに。私は完全に流れに飲まれていた。というより、溺れかけていた。このままでは、いろいろな意味で溺死する予感。そこで、とりあえず「キャッシュバック率って何ですか?」と女性に聞いてみると……

女性「当店はこの利率でやらせていただいておりますので」

そもそも質問の答えになってないだろ! と心の中で突っ込みつつ、「1万円欲しいだけなのに、1万5000円近くも払うのはちょっと……」と本音をぶつけてみた。

すると、すぐに女性から営業スマイルが消えた。「この人、何を言っているの?」とでも言いたげな表情で「いや、ですから当店はこの利率なんです!」と強く主張。それから、私が同じ質問をして女性が全く質問の答えにならない返答をするというコントのような会話がしばらく続いた。

・ゴツいお兄さん登場
そうこうしているうちに、今まで奥で仕事をしていた男性が立ち上がり、私に向かって来た。ヤバい系の金融サービスでは、いわばお決まりの展開。そして、さらに定番なことに、立ち上がった男性のガタイは、結構なものだった。

男「そんなにゴチャゴチャ言うんだったら、あんたはやらない方がいいよ。ウチはサービス業でやってるんだから。キャッシュバック率がどうとか、あんたに言われる筋合いないでしょ!」

私は、「サービス業でやっているから言われる筋合いはない」って、どういう意味? そもそも「あんた」呼ばわりって……と少し腹が立ったが、そんな些細な怒りより「ヤバい予感」の方が圧倒的に大きかった。そして私は「じゃあ、帰ります」と言い、急いでその部屋から飛び出したのだった。

結局、私は、ただビビらされただけ。お金の問題は何も解決しなかった。当然ながら、その時の私は、最悪の気分である。ただ、私は利用する前に店を去って幸いだったのだ。後日、クレジットカード現金化業者について調べ、そう実感することになる。

・そもそもクレジットカード現金化とは?
私は家に帰ると、消費者センターやクレジットカード会社にクレジットカード現金化について問い合わせた。すると、クレジット現金化業者は、街中に普通に商売をしているものの、実は法律の網目を巧妙にかいくぐった存在であることが分かったのだ。以下、『』内が、その内容のまとめである。

・クレジットカードのショッピング枠が鍵
『クレジットカードには、商品の購入に使えるショッピング枠とお金を借りられるキャッシング枠がある。クレジットカード現金化業者は、利用者にクレジットカードのショッピング枠で指定した商品を購入させ、購入代金の一部を返金することで利用者に現金を渡す。このため、利用者のキャッシング枠が限度額に達していても、現金が手に入る仕組みだ』

ちなみに、今回私が購入させられかけたのは、新幹線のチケットだったが、家電などの場合もあるらしい。その上、さらに悪質になると、クレジットカードで購入だけをさせて、利用者に現金を渡さないケースもあるとのこと。

・年利300%! トイチ並みの暴利も
『現金化業者は、独自のキャッシュバック率に応じて現金を利用者に渡している。キャッシュバック率とは、支払う金額と受け取れる金額の比率であり、大体70〜90%ほど。例えば、換金率が80%の場合、100万円の商品を購入しても、利用者が受け取れるのは80万円だけだ』

『利用者は、80万円しか手に入らないにも関わらずカードの請求時には100万円が引き落とされる。80万円が100万円になるため、利子は100−80/80で25%。クレジットカードの請求は通常1カ月後に引き落とされるため、1カ月間の利子が25%ということに。それを年利に換算すると300%にもなる

年利300%!? なぜ、そんなヤバい金融業者が街中で看板を掲げて商売をしているのだ?

・クレジットカード現金化業者の主張
『現在の出資法では、年利の上限は29.2%。つまり、利子だけを見ればクレジットカード現金化は違法である。しかし、現金化業者は「私たちは商品の買い取りを行っているだけ。金融業者ではないため、出資法が定める金利は当てはまらない」と主張している。そのため、街中で堂々と営業をしているのが現状だ』

・クレジットカード会社にバレたら?
『とはいえ、もしクレジットカード会社が、換金業者を利用している事実を知った場合、そのクレジットカードは、利用停止になることも。クレジットカード現金化は、出資法に関しては限りなく黒に近いグレーかもしれないが、クレジットカードの会員規約と照らし合わせると文句なしに規約違反である』

ここまで読めば分かる通り、クレジットカード現金化は、グレーとはいえ違法性をはらんだビジネスであり、関わるのは非常に危険。高い利子を払わされるだけでなく、クレジットカード利用停止のリスクも負わなければならないとは、あまりに割が合わないと言えるだろう。

年が始まったこの時期は、何かと出費がかさむものだ。そんな時、「ちょっとくらい大丈夫かな」という気持ちから、クレジットカード現金化業者を利用したくなるかもしれない。しかし、たとえ小額でも、バカ高い利子を払わされるケースが多いため、下手をすると自己破産への引き金となりかねない。手を出すのは絶対に止めよう。

参考リンク:消費者庁
執筆:和才雄一郎
イラスト: マミヤ狂四郎

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