【これぞSF】ついに宇宙飛行士の “人工冬眠” が実現か / 火星への有人飛行に活用しようとNASA関連団体が前向きな姿勢

ロケットニュース24 / 2014年10月10日 14時0分

【これぞSF】ついに宇宙飛行士の “人工冬眠” が実現か / 火星への有人飛行に活用しようとNASA関連団体が前向きな姿勢

人体を低温状態に保つことで老化を防ぐ「人工冬眠」。SFの世界では、宇宙飛行や未来への生命保存などに活用されたりする。例えば、映画『エイリアン・シリーズ』の人工冬眠シーンなどが有名だ。

「そんなの未来、またはSFの話でしょ?」と思われがちだが、2014年の現在、火星への有人飛行に「人工冬眠」の技術を活用する話が本格的に浮上しているのだ! 

・火星に行くにはお金がかかる
ご存知の通り、宇宙に行くにはお金がかかる。現在、火星への有人飛行は最大で5000億ドル(約50兆円!)かかることも想定されているという。確かに、まるでピンとこないほど巨額なコストだ……。そこで人工冬眠で費用を下げようという今回の案が浮上したのである。

・大幅なコストカットが実現!
搭乗員たちを冬眠させることで、食料、酸素などの生命維持用品や、筋力低下を防ぐためのエクササイズ設備などのスペースを抑えることができ、ひいては大幅なコスト削減につながるというのだ。

今回、NASAが助成するスペース・ワークス社が行った調査では、人工冬眠を活用すれば、搭乗員たちが乗り込む宇宙カプセルの大きさが現在の5分の1に、生命維持用品の量が2分の1にまで縮小することができるとの結果が導き出されたという。

・具体的にどう冬眠させるのか?
それでは、どのようにして人工的に冬眠させるのだろうか? 同社が発表した計画内では、鼻から冷気を体内に注入し、6時間かけて体温を31.7度〜33.9度まで下げる「ライノー・チル・システム」と呼ばれる方法がとられている。

外部から体温を下げる方法を取ってしまうと、体が凍えてしまい、組織の損傷につながる恐れもある。よって、内部から冷やしていくことが重要だというのだ。

・冬眠時の栄養補給、排せつ処理、そして覚醒方法は?
ちなみに冬眠中は、胸に刺された点滴から栄養が補給され、排せつ物は体内に入れられた管から自動的に排出されるようになる。体温も管理されており、搭乗員たちの体温が常に適切であるよう、冷気の調整が行われるようだ。

覚醒時は、冷気を止め、約2〜8時間かけて自然と冬眠から目覚させる。しかし、緊急時など “解凍” を早める必要がある場合は、外部からも体温を上げる処置を同時に行われるという。

・人工冬眠の最長記録は14日間
医療現場でも、患者を低体温において治療を行う「低体温療法」が使われているようだが、これまでの記録に残されている最長記録は14日間。火星への有人飛行は、最低でも片道180日間はかかるので、本格的な人工冬眠を活用するには、さらなる技術開発が必要なようだ。

・別の人工冬眠方法もある
また、ピッツバーグ大学医療センターでは、前述とは違った人工冬眠方法を活用して、治療に役立てる実験が行われているようだ。

患者の血液を冷却した生理食塩水に置き換えることで、体温を低下させ、患者を仮死状態にさせるというもの。酸素なしでは数分でダメージを受けてしまう脳だが、その心配をせずに処置時間を確保することができるというわけだ。

着々と技術が進歩し、私たちの生活にも身近になりつつある人工冬眠。しかし、いざとなるとちょっと怖くなってしまう気もする。やはり映画『エイリアン・シリーズ』を思い出してしまうからだろうか……?

参照元: SpaceWorks EnterprisesThe Space Review POPULAR SCIENCE(英語)
執筆:小千谷サチ

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