1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 芸能
  4. 音楽

THE BLUE HEARTSを読む、悲しみと孤独から始まった人の絆を歌ったバンド

Rolling Stone Japan / 2021年2月5日 20時0分

THE BLUE HEARTS(Courtesy of Tokuma Japan)

日本の音楽の礎となったアーティストに毎月1組ずつスポットを当て、本人や当時の関係者から深く掘り下げた話を引き出していく。2021年2月の特集は、最新音楽本特集。今週は、河出書房新社から発売になった陣野俊史の著書「ザ・ブルーハーツ: ドブネズミの伝説」を素材にしながら、THE BLUE HEARTSの特集をお送りする。

TOO MUCH PAIN / THE BLUE HEARTS

田家秀樹(以下、田家):こんばんは。FM COCOLO「J-POP LEGEND FORUM」案内人、田家秀樹です。今流れているのは、THE BLUE HEARTSの「TOO MUCH PAIN 」。1991年に発売になった5枚目のアルバム『HIGH KICKS』に収録されています。この曲は、RCサクセションの「スローバラード」と並んだ、はみ出しもののラブソングの傑作と言っていいでしょう。でも、「TOO MUCH PAIN 」は「スローバラード」ほどあまり世の中に広まっておらず物足りない。もう少し評価されてもいいんじゃないかと思っていた一曲でもあります。元々インディーズ時代から歌われていた曲ですが、この5枚目のアルバムでようやく音源化されました。今日の前テーマ曲はこの曲です。

なぜこの曲で始めたのかというと、久々にこの曲を思い出して、聴きたいなと思いました。そのきっかけになった、去年の秋に発売になった本「ザ・ブルーハーツ: ドブネズミの伝説」という本がありました。お書きになったのは、音楽のことをずっと書いてこられた方ではなく、フランス文学者でもあって、立教大学の教授、文芸批評家の陣野俊史さんという方です。その方がTHE BLUE HEARTSのことを書いています。ありがちなインタビュー集ではありません。歌詞を中心に、THE BLUE HEARTSとはどんなバンドだったのか? というのを読み込んでいく。公式レコーディング曲の全114曲の歌詞を縦書きにしてから読み始めた、という始まり。その歌詞と曲を軸にして世の中に既に出ているTHE BLUE HEARTSのインタビューや本からの発言を引用しながら当てはめていくんですね。さらに、1985年から1995年にあった世の中の出来事や社会的な背景も織り込んでいくんです。しかも、文芸批評家ですから、他のジャンルの評論家らが同じようなテーマをどう書いているのかということも触れている。評論なんだけど、独りよがりになっていない。この人は、THE BLUE HEARTSが好きなんだなと思わせてくれる本だったんです。読み応え充分です。

今月は、コロナで家にいる時間が増えて、前より音楽が増えている方もいらっしゃると思うんですが、そこに音楽を読むという行為、時間を考えてみてはいかがでしょう? という音楽本特集です。今日はその1週目ということで、この本、「ザ・ブルーハーツ: ドブネズミの伝説」を素材にしながら、THE BLUE HEARTS特集をしようと思います。そして、後ほど陣野さんにも電話出演していただきます。まずはこちらの曲をお聴きください。この本のタイトルにもなっているフレーズが入っている曲です。1987年5月発売、メジャーデビューの曲です。「リンダリンダ」。

リンダ リンダ / THE BLUE HEARTS

田家:衝撃のメジャーデビュー曲ですね。「ザ・ブルーハーツ: ドブネズミの伝説」の著者、陣野さんは「この歌を聞いた時の衝撃をどんな風に表現していいか、正直今も分からないし、私の能力を超えていると思う」と、書いてます。私の能力を超えていると謙虚に言いつつ、THE BLUE HEARTSについてずっと書き進めているという本です。

色々なデビュー曲の衝撃はありますが、1980年代の「リンダリンダ」は他の曲とは違う、聴いた人が、「あ、聴いたことのない曲に出会ったな」というインパクトのあった曲ですね。これは世代によっても体験は違うんですが、私で言えばエルヴィス・プレスリーがそういう存在でした。でも、「リンダリンダ」はエルヴィス的なロックンロールとは違う強烈なインパクトがあった。その一つは言葉ですね。「ドブネズミみたいに美しくなりたい」という言葉と、甲本ヒロトさんの歌い方。あれは、エルヴィスの衝動に身を任せているような、肉体が音楽にのりうつっているような歌い方をさらに端的にしている。時代の病んだ部分を自分が体現しているような感じがあって、誰も出会ったことがない音楽を聴いたという感じがしました。そして、今日紹介しようとしている「ザ・ブルーハーツ: ドブネズミの伝説」は、ドブネズミというのがキーワードになっています。それがどういう意味なのか? この後、お話を進めていこうと思います。

1985 / THE BLUE HEARTS

続いてお聴きいただく曲は「1985」。インディーズ時代の1985年のクリスマスライブで自主制作として配布された曲です。ライブでは、そのクリスマスライブと、その後の1987年7月4日の日比谷野音公演でしか演奏されていませんでした。この曲は、1995年のベストアルバム『SUPER BEST』で初めてCD化されていました。1985年は彼らが離陸した年です。当時の日本は、彼らの目にこんな風に写っていたと聴くこともできます。最後の3行の歌詞、「僕たちを縛りつけて ひとりぼっちにさせようとした 全ての大人たちに感謝します 1985年日本代表ブルーハーツ」、この部分は歌詞にも記載されていませんでした。

なぜこの曲を流したのかというと、「ザ・ブルーハーツ: ドブネズミの伝説」の第一章は「1985」という始まり方なんですね。1985というのは、年号の意味もありますし、この曲のタイトルという二つの意味があります。どんな風にこの章が始まっているのかというと、1985年12月24日、つまり彼らのクリスマスライブが行われた場所は東京都の中野区にある、西武新宿線の都立家政駅にあったライブハウス「都立家政スーパーロフト」。そこで行われたクリスマスライブで配布されたシートが「1985」なんです。著者の陣野さんは、当時そこの近くに住んでいたんですけど、そのライブを知らなかったと後悔している。客観的な状況と自分の生活と重なる瞬間も面白い本でした。

そして、改めて「都立家政スーパーロフト」があった場所を訪ねるということから本は始まります。1985年、THE BLUE HEARTSがどのように結成されたのかという話も綴られているんですね。ファンの方はご存知かもしれませんが、ヒロトさんは当時東京の笹塚にある倒産した工場に住んでいた。工場の持ち主に「ここは放っといたらネズミやゴキブリが出て大変だから無料でもいいので住んでくれ」と言われて、そこに住んでいたそうです。そして、その工場跡にはドブネズミがいた。ということで「リンダリンダ」に出てくるドブネズミは、彼らの周辺の出来事なんじゃないか? と、この本では書いている。なぜドブネズミを美しいと思ったのか? ということも推理されていくという本です。

未来は僕等の手の中 / THE BLUE HEARTS

1枚目のアルバムからこの曲も選ばれておりました。1987年5月に発売されたアルバム『THE BLUE HEARTS』の1曲目。こうやって始まったバンドなんですね。陣野さんは、THE BLUE HEARTSの歌を解く鍵として二つ言葉を挙げています。それは、悲しみと孤独。「未来は僕等の手の中」は、彼らにとっての孤独の確認だったのではないか? 彼らだけではなくて、リスナーとの確認ですね。アルバム『THE BLUE HEARTS』には「パンク・ロック」という曲もあって、この曲もそういう曲ではないかと書いています。例えば「友達ができた 話し合えるやつ 何から話そう ぼくのすきなもの」という歌詞があります。曲全体でパンク・ロックが好きだと繰り返しています。パンクロックというのは、世の中の不条理や体制の矛盾など社会的な怒りのようなものがバックボーンになった反抗の音楽という解釈があって。僕らもそう受け止めてきましたし、パンクロックを説明する時には大抵そういうステレオタイプの説明があります。でも、THE BLUE HEARTSはそうではない。ただパンクロックが好きだと歌っているだけなんだと。確かにそうですね。そして、パンクロックで友達ができた歌だと解釈している。そう考えると、THE BLUE HEARTSの歌には人と人のつながりを求める歌がたくさんあるなと、と改めて思ったりもしました。「キスしてほしい」、「人にやさしく」なんかも、人と人とつながりたいんだよ、ぼくは友達が欲しいんだよ、君とわかり合いたいんだということをストレートに歌った曲ですね。そういうバンドとして始まった。それを陣野さんは、悲しみと孤独という言葉で表現しておりました。

街 / THE BLUE HEARTS

続いて、同じく1枚目のアルバムから、同じような曲としてこの曲「街」を選んでいました。「未来は僕等の手の中」とこの「街」、共通している部分がありますね。彼らにとっての街は「アスファルトだけじゃない コンクリートだけじゃない いつか会えるよ きっと会えるよ、同じ涙をこらえきれぬ友達と」と言うように、友達と会える場所だった。今は会えていないけど、きっと会えると歌っている。今しか僕にしかできないことがあるんだ、という個人的な歌ですね。ここから色々なことが始まっていくという歌であります。これが面白いのですが、陣野さんは THE BLUE HEARTSの歌を、友愛の共同体という言葉で表現していました。つまり、愛や恋、性愛を抜きにしてできる共同体。「リンダリンダ」でも「愛じゃなくても 恋じゃなくても 君を離しはしない」という歌詞があるように、ラブソングという言葉で括りきれない人と人の絆を歌っているバンドなのではないかと言っています。よく聴き手との絆という言い方をしますけど、陣野さんはそんな風に呼んでいました。

ロクデナシ / THE BLUE HEARTS

1987年11月に発売になった2枚目のアルバム『YOUNG AND PRETTY』から「ロクデナシ」です。さっきの「街」は作詞作曲はヒロトさんでしたが、この曲はマーシーさんが手掛けてますね。「劣等生で充分だ はみだし者で構わない」と歌っています。今回の本「ザ・ブルーハーツ: ドブネズミの伝説」は評論集ではあるんですけど、いつどこで何があったのか、彼らがどんな行動をしたのかということも客観的に踏まえられていて。メジャーデビューをした時に、彼らが出した条件も書かれていたのですが、絶対に歌詞は変えない、というのが彼らの条件だった。彼らが歌ってきたことは、CD化されても歌詞が変わったりすることはない。これはやはり、メジャーで歌っている人としてはあまり例のないデビューではないでしょうか。そういう歌詞に対して陣野さんは、「どこを切り出しても人を見下ろしたり馬鹿にする言葉が一切ない」と書いてます。これも改めて音楽を聴いている時に、ああ、そうだったなと思わせてくれる、一つの共通項になるんだろうと思います。

陣野さんは文芸批評家ですから、ドブネズミ一つとっても、色々な小説に出てくるドブネズミの比較が入り口になってます。昨年にコロナ禍が始まったこともあって、本の書き出しの中で触れているのがアルベール・カミュというフランスの作家の『ペスト』という小説。ペストは人間の歴史の中で有数の感染症ですね。ペスト感染の媒介になったのがネズミだった。この小説では、ネズミは人類の敵として描かれているんです。でもTHE BLUE HEARTSの中のネズミは、「リンダリンダ」に「ドブネズミのように美しくなりたい」と歌われているという、とてもリアリティがある始まり方でした。でも、「リンダリンダ」では決してドブネズミを美化しているのではない、ありのままでいることが美しい、ということなんだ、と彼は推理してます。

そして陣野さんが、2枚目のアルバム『YOUNG AND PRETTY』の中で、これこそ真に注目されるべき曲ではないかと挙げた曲があります。「レストラン」

レストラン / THE BLUE HEARTS

この曲も作詞作曲がヒロトさんですね。本の中でこの歌詞が引用されていた時に、こんな曲あったかな と思いました。音楽ライターや評論家がTHE BLUE HEARTSを書くとしたら、この曲はあまり取り上げられないかもしれない。こんなに何気ない歌なのですが、面白いですね。歌の中に主語がない。「カツ丼 サラダ 冷奴」と人間の食べ物が歌われているのですが、「明日保健所が来たら」という歌詞があって、人間の歌じゃないのか? と思わせられます。歌の中で「僕たちは保健所に捨てられちゃう」と歌ってる。つまり、人間じゃなくて食べ物側に立っているようにも思える。残飯の歌。でも、その後に、交差点で轢き逃げされるという歌詞が出てくるんですよ。それを見て、皆が笑っている。これは交差点で轢き逃げされる、残り物を漁る動物の歌なんだとしたら、ドブネズミの歌かと解釈できるわけです。先ほどお聴きいただいた「ロクデナシ」とこの「レストラン」は同じことを歌っているんだな、と改めて思わせてくれますね。そして、マーシーさんとヒロトさんの作風の違いというのがこんなに如実に出ている二曲なんだということで、並べてお聴きいただきました。

陣野さんは、こんな風にも書いています。「THE BLUE HEARTSの詞は、声を出しづらい者たち、声を奪われている者たち側に立っているように私には思える」。私には思えるという言い方がとても謙虚な気がしたんですが、今日はこの著者の陣野俊史さんと電話がつながっています。こんばんは。

陣野俊史(以下、陣野):こんばんは。

田家:そもそも、この本を書くことになった経緯、本の初めの方にTHE BLUE HEARTSのことは書いたことがないんだ、編集者に書かないかと言われたという話がありましたが、その時はどんな風に思われたんですか?

陣野:唐突だなと思いました。僕のことをよく知っている編集者だったので、僕にTHE BLUE HEARTSを書かせるというのは何か作戦があるのかなと思って。

田家:陣野さんの方からTHE BLUE HEARTSのことを書きたいんだと仰っていたのではないんですね。それで、コロナと重ね合わせて、2020年の視点から書き始めようということで。

陣野:そうですね。家にいてやることがないというよりは、色々なところに押し込められている人が今はいっぱいいると思うんですけど、そういう状況って1980年代の若い頃の自分に近い感じがしたのはありますね。

田家:全部の歌詞を縦書きにしてそれを読み込んでいったというのは、お話をいただいた時にそうしようとも思われたんですか?

陣野:逆に言えば、音楽として語るというのは難しいと思ったんです。音楽評論家でもないですし。でも、歌詞の視点としてならかけるかなと思ったので、詩として読んでみようと思いました。日本の詩って縦書きにならないと分からないところもあるので、一回やってみようと思って。

田家:どれくらい時間がかかりました?

陣野:最初に話が来たのは6月の頭だったと思うんですけど、3ヶ月後には全部終わってましたね。

田家:その中で一番苦労したのってどういうことでした?

陣野:僕は文学を研究したり、学生に話している人間なので、文学として読むことを考えたんですね。歌詞を縦書きにしたのもそうだし、それって合っているのか間違っているのか分からないじゃないですか。こういう扱いしてファンの人に怒られるかもしれないし、こんなこと必要ないって言われるんじゃないかとドキドキもしました。でも、出発点が間違っていても、行くところまで行くしかないと思ったんです。でも、最初の段階で間違ってるんじゃないかと言われたら、もう頭下げるしかないなと思いながら書いていました。

田家:色々な資料を引用されていますよね。それも読み込みながら、全体の章立てを考えていったんですか?

陣野:そうですね、自分が一番惹かれているものをずっと考えていたので、「青空」とか好きな曲を中心に、とは考えていました。

田家:「青空」がお好きなんですね。その曲を聴いてから、またお話を続けたいと思います。

青空 / THE BLUE HEARTS

田家:本の第4章は「青空論」というタイトルですね。章立ては書きながら考えたんですか?

陣野:そうですね。どういう順番で書いたかは覚えてないですけど、興奮して体温が2度くらい上がった状態で書いていたので(笑)。自分の頭の中だけでTHE BLUE HEARTSが鳴っている状態で書いているだけだったので、どんどん体温が上がってました。

田家:本の前半はドブネズミ論みたいな、若者とTHE BLUE HEARTSの話。中盤からは、1980年代の終わりの世相や世界の動き、湾岸戦争やバブル、チェルノブイリが出てきたり世の中とのシンクロがあって。社会派とは何か? という章もありましたね。その辺は書いているうちに視点が広がっていったんですか。

陣野:「1985」という曲が、自分たちが、核に汚染された国で音楽を始めているんだという宣言だったわけですよね。だから、そこからもう一度見直してみようという気持ちがありました。結局社会派っていうジャンルに押し込まれた時期で、窮屈だったと思うんですよね。最初からそうだったじゃんという気持ちが、「1985」を聴くと共有できるし。

田家:なるほど。あとがきには、「彼らの音楽を必要としている人が今もなおこの島にいるのではないか?」と書かれていましたが、書き終えてから今の若い人たちにどんな風に届けばいいなと思っていますか?

陣野:僕が接している学生も、未だにカラオケでTHE BLUE HEARTSを歌うって言うんですよ。THE BLUE HEARTSの歌は、何十年も若い人が歌い続けていて。それが時代的に政治的な意味を持ったり持たなかったりという意味で言うと、今はわりと息苦しい社会になっていると思うんですけど、この社会の若者の方がTHE BLUE HEARTSを必要としているのかなと。皆歌えるんですよね。それってやっぱすごいことだなと思うんです。

田家:50ほどの曲が色々な形で引用されていまして、最後に引用されているのが「ブルーハーツより愛をこめて」でした。この曲で本を終えた理由をお聞かせください。

陣野:曲の冒頭が本当に好きで。見捨てられた裏通りにいるというのを共有したかったんです。

田家:「見捨てられた裏通りから大声で歌うのだ、そして私たちはその声を確かに聞いたのだ」と。文章に熱が入ってますね。ありがとうございました。

ブルーハーツより愛をこめて / THE BLUE HEARTS

これは1987年7月4日の日比谷野音のライブバージョンです。この日、僕も会場にいたんですが、LAUGHIN NOSEが事故を起こした後のライブだったので、通路には警備員が通路に配置されていて、手すりも置かれていたんです。その手すりを見たヒロトさんが、「この鉄の檻は人の心までは縛れんようじゃな」と言っていました。その様子もこの本には引用されています。



田家:FM COCOLO「J-POP LEGEND FORUM」、音楽本特集Part1。河出書房新社から発売になった陣野俊史さんの著書「ザ・ブルーハーツ: ドブネズミの伝説」を素材にしながら、THE BLUE HEARTSの特集を送りしました。流れているのは、この番組の後テーマ、竹内まりやさんの「静かな伝説(レジェンド)」です。

コロナの中での音楽の楽しみ方は色々あると思うんですが、こんな風に音楽を読むということも一つの音楽の楽しみ方ではないかということで、今月は音楽の本のご紹介をしながらお送りしようと思っています。ご紹介したのはほんの一部で、全部で8章まであって、それぞれにとても濃い評論が展開されています。文芸評論家ですから、僕らの知らない評論家や小説も引用されていて、勉強にもなります。でも、基本的にあるのは、陣野さんが「青空」が好きだったと仰っていましたが、THE BLUE HEARTSへの愛情があるから、他のジャンルの引用をしても上から目線にならないで、音楽の中に溶け込んでいるという意味でも貴重な本だなと思いました。彼は大学で学生とも接していて、今の大学生もTHE BLUE HEARTSをカラオケで歌うんだという話は、僕らにはなかなか入ってこない情報であり光景なので、こういう人が学生にちゃんと音楽をきちんと伝えてくれるといいなと思いました。音楽の本というのは、今本人たちが語るということが基本になっていますから、彼がインタビューせずに書いたので、これでいいのかという不安もあると言われてました。でも、本人たちが語らないからこそ見えてくる音楽の楽しみ方もあるんだろうなと思います。100人いたら100通りの意見があってもいいわけで、こんな風に解釈している人がいるということを知るだけでも、意味のある本ではないかと思います。音楽を読もう、音楽を語ろうということで今月はお送りします。


<INFORMATION>

田家秀樹
1946年、千葉県船橋市生まれ。中央大法学部政治学科卒。1969年、タウン誌のはしりとなった「新宿プレイマップ」創刊編集者を皮切りに、「セイ!ヤング」などの放送作家、若者雑誌編集長を経て音楽評論家、ノンフィクション作家、放送作家、音楽番組パーソリナリテイとして活躍中。
https://takehideki.jimdo.com
https://takehideki.exblog.jp

「J-POP LEGEND FORUM」
月 21:00-22:00
音楽評論家・田家秀樹が日本の音楽の礎となったアーティストに毎月1組ずつスポットを当て、本人や当時の関係者から深く掘り下げた話を引き出す1時間。
https://cocolo.jp/service/homepage/index/1210

OFFICIAL WEBSITE : https://cocolo.jp/
OFFICIAL Twitter :@fmcocolo765
OFFICIAL Facebook : @FMCOCOLO
radikoなら、パソコン・スマートフォンでFM COCOLOが無料でクリアに聴けます! 
→cocolo.jp/i/radiko

<リリース情報>



THE BLUE HEARTS
『ALL TIME MEMORIALS Ⅱ』

発売日:2020年10月21日(水)
価格:3545円(税抜)
形態:2CD (DISC1:メルダックside [21曲収録] , DISC2:ワーナーside[21曲収録])
◆全曲最新デジタルリマスタリング
◆全曲歌詞付き豪華ブックレット封入
◆スペシャルBOX入り

=収録曲=
DISC1:meldac side
1. パンク・ロック
2. 街
3. 爆弾が落っこちる時
4. 裸の王様
5. ダンス・ナンバー
6. ロクデナシⅡ(ギター弾きに部屋は無し)
7. スクラップ
8. ロマンチック
9. ラインを越えて
10. チューインガムをかみながら
11. 遠くまで
12. レストラン
13. 英雄にあこがれて
14. チェインギャング
15. メリーゴーランド
16. ミサイル
17. 無言電話のブルース
18. 風船爆弾(バンバンバン)
19. ながれもの
20. ブルースをけとばせ
21. お前を離さない

DISC2:WARNER MUSIC side
1. 殺しのライセンス
2. 脳天気
3. 夜の中を
4. 悲しいうわさ
5. 夢の駅
6. 恋のゲーム
7. 真夜中のテレフォン
8. ナビゲーター
9. ホームラン
10. 泣かないで恋人よ
11. HAPPY BIRTHDAY
12. 闘う男
13. 期待はずれの人
14. テトラポットの上
15. インスピレーション
16. 俺は俺の死を死にたい
17. うそつき
18. トーチソング
19. 雨上がり
20. 夜の盗賊団
21. キング・オブ・ルーキー



『ALL TIME SINGLES~SUPER PREMIUM BEST〜』

発売日:2020年10月21日(水)
価格:4545円(税抜)
◆形態:2CD+1DVD ※オリジナル発売時と同様の商品形態
(DISC1:メルダックside [16曲収録] , DISC2:ワーナーside[21曲収録] / DVD: Music Video[15曲収録])
◆高品質CD Blue-spec CD2にて再発売(オリジナル発売時は通常CD)
◆過去全シングル曲 A、B面網羅(37曲)
◆全曲歌詞付き豪華ブックレット封入
◆スペシャルBOX入り
◆高品質CD Blue-spec CD2にて再発売

=収録曲=
DISC1:meldac side
1. 1985
2. 人にやさしく
3. ハンマー
4. リンダ リンダ
5. 僕はここに立っているよ
6. キスしてほしい(トゥー・トゥー・トゥー)
7. チェインギャング
8. ブルーハーツのテーマ
9. シャララ
10. チェルノブイリ
11. TRAIN-TRAIN
12. 無言電話のブルース
13. ラブレター
14. 電光石火
15. 青空
16. 平成のブルース

DISC2:WARNER MUSIC side
1. 情熱の薔薇
2. 鉄砲
3. 首つり台から
4. シンデレラ(灰の中から)
5. あの娘にタッチ
6. わーわー <ライブバージョン>
7. TOO MUCH PAIN
8. 泣かないで恋人よ
9. 夢
10. 皆殺しのメロディー <ライブバージョン>
11. 東京ゾンビ(ロシアンルーレット) <ライブバージョン>
12. 旅人
13. 台風
14. 1000のバイオリン
15. 俺は俺の死を死にたい〈ALTERNATIVE VERSION〉
16. 1001のバイオリン
17. PARTY
18. CHANCE
19. 夕暮れ
20. すてごま <ライブバージョン>
21. 夜の盗賊団

=DVD収録曲=
1. 爆弾が落っこちる時
2. NO NO NO
3. リンダ リンダ
4. キスしてほしい(トゥー・トゥー・トゥー)
5. TRAIN-TRAIN
6. ラブレター
7. 青空
8. 情熱の薔薇
9. 首つり台から
10. あの娘にタッチ
11. TOO MUCH PAIN
12. 旅人
13. 1000のバイオリン
14. 夕暮れ
15. すてごま

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください