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ボディカムの映像が明かす、シカゴ警察による両手を挙げた13歳の少年への発砲事件

Rolling Stone Japan / 2021年4月27日 18時15分

Photo courtesy:Shafkat Anowar/AP

13歳のアダム・トレド氏が米現地時間2021年4月15日、アメリカ・イリノイ州シカゴで警察に撃たれて死亡した事件で、警察官のボディカメラ映像などが公開された。シカゴ警察は、亡くなったトレド氏が銃殺された際に銃を手に構えていたと発表したが、公開された映像によりその主張は覆った。

公開されたボディカムの映像が明らかにしたのは、トレド氏が両手を挙げ、武器を所持していない状態にも関わらず銃殺されたという事実だった。映像は、銃殺されたトレド氏さんがその時手に銃を持っていたという検察官の証言と矛盾することを明らかにしている。

シカゴ・トリビューン誌は、独立機関シビリアン・オフィス・オブ・ポリス・アカウンタビリティにより、当時の状況を撮影した警察官のボディカムの映像と第三者視点からの映像が公開されたと発表。トレド氏を銃撃した警察官は、エリック・スティルマンだと特定されている。トレド氏の家族は4月14日に、ボディカムの映像を確認することを許可され、その後に発表した声明で「このような経験は当時その場にいた全員、特にアダムの家族にとっては極めて重く、胸が張り裂けるようなものでした」と述べている。

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トレド氏は3月29日、シカゴ近くのリトルビレッジの路地で銃殺された。シカゴ警察は銃の発砲音の通報を受け現場に到着した後、近くの路地にトレド氏と21歳のルーベン・ロマン氏を発見し、彼らを追跡。4月10日になり、ロマン氏への公聴においてイリノイ州クック郡の担当弁護士ジェームズ・マーフィは、ロマン氏が何らかの理由で発砲したことにより警察へ通報が入ったという証拠の映像があるはずだと証言した。

弁護士マーフィによると、二人の追跡の最中、一人の警察官がロマン氏にタックルして彼を逮捕した一方で、もう一人の警察官がトレド氏に、動きを止めて両手を見せるようにと告げた。するとトレド氏は、右手に銃を構え警察官の方へ振り返ったので、警察官はトレド氏に向けて「銃を捨てろ」と言うと共に一度だけ発砲したと説明していた。

シカゴ・トリビューン誌によると、ボディカムの映像を精査したところ、トレド氏が逃走を止めた時点では、銃のような物体を右手に所持していることが確認できるが、トレド氏が振り返り両手を上げた際にはすでに銃を捨てていたようだ。トレド氏が立っていたフェンスの後ろに投げられた銃をライトで照らすような動きも記録されている。現場付近の駐車場のカメラからの映像では、トレド氏が何かをフェンスの後ろに投げ捨てているような様子が確認され、トレド氏が銃撃された後にはそこから銃が発見された。

映像が公開される前の記者会見で、シカゴのロリ・ライトフット市長は「どんな家族にとっても、自分の子どもの最期の瞬間の映像が広く出回ることはあってはならないし、ましてや子どもを失うという残酷な状況に置かれるべきでもありません」と語っている。また彼女は、13歳の少年が警官に銃殺されるという映像に対して、冷静に反応することを求めた。

ライトフット市長は、週末にわたって行われた検察のロマン氏への聴取は適切だったと発表した。一方で、トレド氏が銃撃された瞬間に銃を所持していたかどうかについては、調査が続行されていることを理由に明言を避けた。

一方で最初に事件を担当したクック郡の弁護士事務所のスポークスウーマンは「この事務所で働いている担当弁護士は、法廷での証言の前に事件について熟知することを怠りました。こうした間違いはあってはならず、担当した本人にもすでにそう告げております。公開された映像が全てです」と語っている。

From:Bodycam Footage Shows Chicago Police Shooting 13-Year-Old Boy With His Hands Up

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