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マルーマ日本初インタビュー レゲトンとルーツへの誇り、マドンナやJLoとの共演を語る

Rolling Stone Japan / 2022年7月11日 17時30分

マルーマ

1994年にコロンビアで生まれたマルーマ(Maluma)は、これまで1800万枚以上のセールスを記録してラテン・グラミー賞を獲得。2017年の世界ツアーでは計100万人以上を動員して「世界で最もチケットが売れたラテン・アーティスト」に認定されるなど、ラテンポップ界の若きカリスマとして名を馳せてきた。さらに、今年4月に日本公開された映画『マリー・ミー』ではジェニファー・ロペスの恋人役として初の映画出演も果たし、最新アルバム『The Love & Sex Tape』ではアーバンなレゲドン・グルーヴを追求。そんな現代屈指のポップスターとの日本初インタビューがここに実現した。


―あなたは日本に関心を抱いていると伺ったんですが……。

マルーマ:そうだね。

―きっかけは何だったんでしょう?

マルーマ:僕は日本のカルチャーに関するあらゆることが好きだから、もしかしたら前世では日本人として生まれたんじゃないかと思うくらいなんだ。君たちの規律正しさも好きだし、食べ物も大好きだし、習慣も好きだし、人との接し方も好きだし、ファッション業界も好きだし、素晴らしいよね。そんなわけで、これまで長年日本に行きたいと思っていたのに、なかなか実現させられなくて、悲しかったんだ。それがここにきてようやく現実味を帯びてきたから、そっちに行ったら、ファンのみんなと共に時間を過ごしたいね。

―来日したら、まず何をやりたいですか?

マルーマ:そうだな、日本のお刺身は世界で最高級だと聞いたから、まずは空港から食事に直行だね(笑)。

―そのあとでショッピングに出かける、という感じですね。

マルーマ:ああ、もちろんショッピングも。でもショッピングに行く前に、おなか一杯にしておかないとね。そうすれば気分もアガるから(笑)。


「Nos Comemos Vivos」のMVでは日本語で書かれたネオンが登場するなど、日本のストリートを意識した内容になっている

―今年はあなたにとって、話題目白押しの1年になりつつありますね。俳優デビュー作の映画『マリー・ミー』が公開され、独自のフレグランスとアパレルのブランド”Royalty By Maluma”をローンチし、プロダクション・カンパニーを設立しただけでなく、『The Love & Sex Tape』を発表し、ツアーを再開……と。パンデミックを経て、盛大なカムバックを密かに計画していたんですか?

マルーマ:そうだね。パンデミックが始まってからの僕は、エネルギーを蓄積していたんだよ。何しろ、取り組みたいプロジェクトがたくさんあったからね。パンデミック中に多数の曲をレコーディングし終えていたし、パンデミックが終わり次第もっと音楽をリリースしたかった。そして自分のブランドを始めて、独自のフレグランスや、メイシーズと一緒に企画したアパレルのコレクションを準備していたし、財団の活動もある。僕は故郷であるコロンビアのメデジンを拠点に素晴らしい財団を主宰していて、地元の子どもたちの支援に当たっているんだよ(注:財団名はEl Arte de los Sueños/恵まれない環境で育った子供たちに音楽を通じて自己表現する機会を提供している)。こういう大規模なプロジェクトの数々を実現させるために、エネルギーを貯めていたから、今こうしてどんどん形にしているのさ。僕は起業家としての自分を確立しているところで、それが実現しつつあるというのはうれしいことだね。今は最高の気分だよ。僕にはたくさんのプロジェクトや夢があるけど、自分が正しい道を進んでいると感じるんだ。ハードワークに勤しんでいて、まだ若いし、これからもまだまだ掘り下げたいことがあるからね。

―このように次々に新しいプロジェクトに取り組む原動力は、どこにあるのでしょう?

マルーマ:僕はアートが大好きなんだよ。とにかくアートが大好きで、僕がやることは全てアートに溢れているんだ。毎朝目を覚ますと、一日中いろんな異なるコンセプトを思い浮かべたり、様々な曲について考えたり、アパレル・コレクションのデザインを考えたりしている。僕の頭の中はアートのことで一杯で、そこにたくさんの情熱を傾けているし、最大限に活かしたいんだ。僕にはたくさんの夢が、たくさんの個人的な夢があるけど、今はとにかく成長し続けたい、僕に一番訴えかけるものを作っていきたいと思っているんだ。



―先月登場した最新アルバム『The Love & Sex Tape』について伺います。まだ聴いていない人に、どんな風に紹介しますか?

マルーマ:レゲトン満載のアルバムだよ。こういうレゲトンは、コロンビアにある故郷の町メデジンで、僕が子供時代に最初に聴き始めた音楽なんだ。そして16歳か17歳の時にマルーマとして活動を始めた時にもこういう音楽をやっていたんだけど、それがちょっと恋しくなったんだよね。何しろ僕は古典的なレゲトンの大ファンだから。過去の自分のアルバムを振り返ってみると、中にはすごくポップな志向の作品もあったよね。当時は、多くの人に受け入れられるサウンド、多くの人に受け入れられる曲を作ろうとしていた。だから今回のアルバムでは、例えば車に乗っている時にかけたい音楽、家で友達とわいわいやっている時にかけたい音楽を作ったんだ。そんなわけで、このアルバムから聴こえるのはピュアなレゲトン、ピュアなストリート・サウンドなんだよ。

―タイトルはどんな考えで選んだのですか?

マルーマ:そこにはマーケティング的な側面もあるんだけど、コロンビアで暮らしていた時の僕にとって、それがまさにストリートで日々体験したことであり、ストリートのフィーリングなんだ。時代は大きく変わったわけだけど、若い頃の僕らは、ストリートで魅力的な女の子たちと遊んでいて、色んなことについてお喋りをしていたのを覚えているよ。本当に自由だった。ラテン・アメリカ出身の僕らのモノの考え方はすごく自由なんだ。そんな、ストリートでの日々というコンセプトをアルバムに落とし込んだのさ。だから『The Love & Sex Tape』というタイトルを選んだんだ。今の若い男の子たちがどんな風にストリートで生きているのか、伝えたかったんだよ。



―本作が好例で、あなたは曲の中でもMVの中でも、情熱的で、かつセンシティブな面も備えたモテ男的な男性像を打ち出してきました。どこまでリアルなあなたを反映しているのですか?

マルーマ:僕は自分自身の人生においても、音楽においても、すごくリアルな人間なんだ。とにかく、みんなに、”マルーマ”という名前の背後にいるフアン・ルイス(注:マルーマの本名。フアン・ルイス・ロンドニョ・アリアス)がどういう人間なのか見せようとしているんだよ。それが最も重要なことだね。なぜって、何か仮面をかぶってストリートに行って、家に帰ったらそれを外す――みたいないうことはしたくない。そんなことをしていたら、くたびれてしまうよ。僕はただ、自分が好きなことをやりたいんだ。そういうありのままの僕を人々が愛してくれるならうれしいし、そうじゃなかったとしても、それはそれで構わない。誰からも愛されるというのは無理なことだからね。ありのままの僕を受け入れてくれるなら、本当にありがたいことだよ。全てにおいて僕はそんな風に考えている。アパレルのコレクション、フレグランス、家族や友達との関係、音楽、あらゆる面で、とことんリアルであることにこだわっているんだ。

コラボ歴、俳優業、スペイン語の美しさ

―また、これまでに大物の女性アーティストと続々コラボしてきましたよね。シャキーラにマドンナ、そして『マリー・ミー』ではジェニファー・ロペスと共演しましたが、年上の女性たちを愛される理由はどこにあると思いますか?

マルーマ:そうだな。僕は実際の年齢よりも年を取っているように感じるんだ。今28歳なんだけど、すでにたくさんの経験をして、幾つもの人生を生きてきたような気がするから、彼女たちに共感できるのかもしれない。よく分からないけど、すごくノーマルかつ自然に、彼女たちと接することができた。スタジオでもお互いに理解し合えて、素晴らしいエネルギーが生まれたしね。僕が女性たちとウマが合うのは、僕自身、女性たちに育てられたからなんだ。母がいて、姉がいて。12歳の頃から父親は家にはいなかったし、そういう家族的な背景があるからこそ、女性たちとのコネクションがどんどん強くなっていったんだ。そして、スタジオでこういった達人たちというか、偉大なアーティストたちと時間を過ごす機会を得るようになって、彼女たちが僕を、あらゆる面で大きく成長させてくれるんだってことを悟った。パーソナルな面でも、仕事の面でも。


シャキーラとの「Chantage」(2016年)は驚異の27億回再生超え

―日本では、5枚目のアルバム『Papi Juancho』からのシングル『Hawái』が一番聴かれています。ザ・ウィークエンドが参加したリミックスは、全米ビルボードHOT100で最高12位を記録するクロスオーバー・ヒットになりましたが、あなたにとってどんな意味を持つ曲でしたか?

マルーマ:うれしいね。これは僕にとって一番ビッグな曲なんだ。これまでのキャリアで、最大のヒットではある。でもこれで満足したってわけじゃない(笑)。今後も努力を重ねるつもりだし、今後も大ヒット曲を作るつもりだよ。それが今の僕にとってのゴールなんだ。最新作は僕のキャリアで最もストリートっぽいサウンドのアルバムなんだけど、次はグローバルなサウンドを見つけ出したい。『Hawái』みたいにね。『Hawái』が軽々とクロスオーバーできた理由は、メロディにもあったし、サウンドにもあった。どこの国の人であっても、聴けばグッとくるサウンドだったんだよ。そういう音楽を作るのが僕のゴールであり、『Hawái』は僕にとって最大のヒット曲だし、これからも成長するために努力を惜しまない。まだ始まったばかりだよ。



―今後コラボしてみたいアーティストは誰でしょう?

マルーマ:それが悲しいことに、僕がコラボしたい人たちはみんなすでに亡くなっているんだよね。例えば、マイケル・ジャクソンとコラボしたかった。マイケルは僕にとって最愛のアーティストなんだ。それから、プエルトリコ出身のサルサ・シンガーであるヘクトル・ラボーもね。だからもどかしいところがある。とはいえ音楽界に友達が大勢いるから、彼らとは今後もコラボを続けたい。例えばジャスティン・ティンバーレイクとコラボしてみたいな。最高のアーティストのひとりだからね。大好きなアーティストが大勢いるし、これまでも僕は、大好きなアーティストたちとコラボする機会を得た。マーク・アンソニー(2018年の『F.A.M.E.』収録の『Felices los 4(Salsa Version)』で)、リッキー・マーティン(2019年の『11:11』収録の『No Se Me Quita』で)、シャキーラ(シャキーラの2016年のアルバム『El Dorado』収録の『Chantaje』ほかで)……といった具合に。そして言うまでもなく、マドンナは僕にとって、コラボ相手としては一番の大物だった。しかも彼女をメデジンに招くこともできたから(4月30日にメデジンのスタジアムで5万人の観客の前でコンサートを行なった際、マドンナがゲスト出演した)、まさに夢が叶った瞬間だったよ。だから、音楽界にいる大勢の友達とコラボできて、本当に恵まれていると思う。



―歌詞は基本的にスペイン語で貫いていますよね。あなたにとってスペイン語の美しさとは?

マルーマ:スペイン語は非常にユニークでスペシャルな言語だね。非常にロマンティックでもある。同じことを意味する言葉が本当にたくさんあって、例えば”愛しています”と伝える場合、アメリカだと”I love you”という3つの単語を使うしかないよね。でもスペイン語なら、”Te adoro”とか ”Te Amo”とか、ものすごくたくさんの美しい言い方が見つかるんだ。そういう豊かさを最大限に活かすべきだと思うから、僕は曲作りをする際に、あらゆる表現を駆使しているよ。

―今後英語で歌うことは考えていますか?

マルーマ:そうだな、僕はスペイン語を愛している。自分の母国語を愛していて、自分のルーツとスペイン語で歌うことにすごく誇りを持っている、スペイン語で歌うのが好きだし、こうしてほかの言語で歌わなくてもクロスオーバーを果たして、世界中を飛び回ってコンサートを開けるようになったということに感謝している。すごく恵まれた立場にあると思う。でもそれと同時に、僕は実験をするのが好きだから、例えばアルバムで2曲くらい英語で歌うとか、アメリカ人やアジア出身のアーティストともコラボするとか、そういったことはあり得るんじゃないかな。僕にとって真のクロスオーバーというのは、幾つかの言葉を変えたり、言語をミックスして曲を作ることなんだ。よりグローバルなボキャブラリーでね。複数の言語をミックスするというのが、K-POPの世界では成功したわけだから。僕もそういう試みをすることには全く抵抗はないよ。

―俳優業について伺います。今年公開された『マリー・ミー』で俳優デビューを果たしたわけですが、演技という音楽とは異なる表現方法から、どんなことを学びましたか?

マルーマ:演技をすることは大好きだよ。自分のDNAの中にあって(笑)、しっくりと馴染んだ。『マリー・ミー』ではジェニファー・ロペスとオーウェン・ウィルソンと共演して、ふたりがすごく僕を助けてくれたから、気持ちが楽だったよ。彼女たちは僕を支えてくれて、色んなシーンの撮影をする際に、指導してくれたからね。全プロセスを通じて、こういう師匠というか先生みたいな存在がいたことは僕にとってすごく重要だった。『マリー・ミー』は素晴らしい映画だし、心から撮影を楽しんだし、また何か意義のある役を演じるチャンスを与えられるのを、心待ちにしているんだ。そのために努力を続けるつもりだよ。スーパーヒーローとかも演じてみたいな。いい役が欲しいから、どうなるか様子を見るよ。僕はジェームズ・ボンドも大好きだし(笑)、バットマンも好きだから、史上初のラティーノのバットマンになったりして、歴史を変えることができるかもしれない。それを目指して頑張るよ。




―最後に日本のファンへメッセージをお願いします。

マルーマ:心からアイ・ラヴ・ユーと伝えたいね。キャリアをスタートしてから10年になるけど、みんなのメッセージは全部ちゃんと読んでいるから。InstagramやFacebookといったSNSをチェックしているし、日本には独自のSNSもあると知っているから、新しくそこでも僕のアカウントを開設する予定なんだ。日本のファンとより緊密にコミュニケーションが取れるように。でもとにかく、ありがとうって言いたい。日本にはものすごく大きなファンベースがあると心得ているし、日本から大勢の人たちが僕の動きをフォローしてくれている。だからみんなありがとう。かなり近い将来、みんなに会えるはずだから。



マルーマ 
『The Love & Sex Tape』
配信中 
購入・再生リンク:https://smji.lnk.to/theloveandsextape 
 
1. Cositas de la USA 
2. Sexo Sin Titulo ft. Jay Wheeler,  Lenny Tavarez 
3. Nos Comemos Vivos ft. Chencho Corleone 
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5. Mojando Asientos ft. Feid 
6. La Vida Es Bella   
7. Mal de Amores

日本公式ページ:https://www.sonymusic.co.jp/artist/maluma/

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