1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

謎ソースを製品化した米インフルエンサーにクレーム騒動「腐った臭いがする」

Rolling Stone Japan / 2022年7月24日 9時45分

©chef.pii/TikTok

アメリカのTikTokでここ数日間のトレンドを独占したのが、TikTokerの「chef.pii」が考案した「ピンクソース」だ。

【動画を見る】ポテトにソースをぶっかける

胃腸薬のような鮮やかな色をした混合物は、ドラゴンフルーツと生はちみつ、ヒマラヤ産ピンク岩塩などを原料にしているらしい。ソースの投稿で一躍人気者になった「chef.pii」は早速製品化。大勢のユーザーがソースの味ではなく、斬新さに夢中になった。だがここ最近、ソースの原材料やパッケージ、マーケティングについての山のような疑問が殺到している。

ここ1カ月間、「chef.pii」はピンクソースの宣伝にいそしみ、様々な食材にソースをかけては1瓶20ドルで販売していた。注目を集めた理由は明らかだ。目にも鮮やかな色合いとミレニアム世代が食いつきそうなパッケージは(ロゴがVictorias Secretのピンクレーベルに瓜二つだと指摘する声も少なくない)、気まぐれなアルゴリズムの関心を引くのにうってつけのトレンドだ。

だがこの数週間、商品の宣伝方法に関する疑問が後を絶たない。とりわけ「chef.pii」が(ローリングストーン誌はコメント取材を依頼したが、すぐに返答は得られなかった)実際のソースの味についてお茶を濁している点についてだ(本人が投稿した動画では「甘めのランチソース」と表現しているが、「スパイシー」とも表現されている。別の動画では、「独特な味だから、試してみたい人は買ってね」と言っている)。しかも購入した客が投稿した動画を見ると、ソースの色合いや濃度にばらつきがあるようだ。もっとも、アングルや照明のせいとも言えなくもない。

だが「seansvv」というクリエイターがピンクソースの表示ラベルの細部に疑問を投じると、こうした批判は最高潮に達した。カロリーの計算が合わないこと(1回の分量は約大さじ1杯60カロリーで、1瓶444回分と書いてある)、ラベルに「vinegar」などの単語のスペルミスが散見されること、栄養に関する詳細がWEBサイトですぐに見つからないことを指摘。飲食業者なら表示するのが常識で、食品医薬品局(FDA)の食品表示基準を満たしていない可能性もある。

実際のところ、「chef.pii」は当初ラベルに原材料を一切表示していなかった。6月に投稿した動画の中でも、「できるだけ苦情が出ないよう、最高品質の商品を皆さんにお届けするために、チームで品質検査をしている」と語っていたが、原材料については具体的に言及していない。

これをきっかけに、ピンクソースにまつわる疑惑が増え続けた。自分用にピンクソースを購入したクリエイターは、商品の包装が不適切だっただけでなく、商品到着時に「腐敗臭」がし、宣伝文句通りの内容量とはいえなかったと主張した。他にも、「chef.pii」が原材料に牛乳を挙げていたにもかかわらず、ラベルには要冷蔵の指示はなく、大半のドレッシングにありがちな腐敗防止の保存料も表示されていなかった、と指摘する声もあった。

@jptheworst theres something odd about #pinksauce  #thepinksauce ♬ original sound - The Sauce Boss

@r8ch3ll #pinksaucereview @PINK SAUCE QUEEN  ♬ original sound - Kaylen




「chef.pii」の反論

最初のうちは「chef.pii」もある程度反論し、動画の中でも「ごめんなさい、私も人間だから完璧じゃない」とか「ものすごく短期間でスタートした小さなビジネスだから」などと語った。ラベルに関しては「グラムと1瓶当たりの使用量を混同して」表記してしまったとし、1瓶あたりの内容量は444グラムで、今後の出荷分から正しい表示をつけると述べた。またチームは「FDAの基準に従っている」ものの、現在は「研究室で検査をしている」段階で、検査が終わればピンクソースの店頭販売にのりだすとも付け加えた。FDAからはコメント依頼の返答を得られなかったが、FDAのWEBサイトによれば、調味料メーカーには食品加工業者としての登録と栄養表示ラベルのガイドラインの遵守が義務付けられている。

「chef.pii」は情報サイトDaily Dotとのインタビューでより具体的な疑惑について言及し、不適切な出荷方法については、配送中に包装が「割れて」しまったため他の運送業者に変えるつもりだ、と述べた。またピンクソースにはクエン酸や酢など天然由来の保存料が十分含まれているので、大陸をまたがる輸送にも十分耐えられるはずだと述べた。また生乳ではなく、脱脂粉乳が2%含まれているとも述べた。「調子がいい時なら誰もヘマはやらないでしょ、でも、そうなのよ。チームは大至急問題解決に当たっているわ」と本人。「施設への納品やらで遅延が生じたり、発送のトラブルがあったりしたけれど、速やかに問題解決に当たっています」

確かに、ピンクソースにまつわる批判はある意味で特殊だ。コメントを寄せた大勢のクリエイターは気を使い、とりわけ有色人種の女性が起業したり零細ビジネスを興したりすることの難しさを認めたうえで、その過程で起きたミスを指摘している。だが実際はもっと単純な話だろう。零細企業のオーナーが、TikTokの高速アルゴリズムやおかしな食のトレンドを受け入れることに慣れたオーディエンスに後押しされ、あっという間に話題になり、時の人となった代償を支払っているだけのことだ。

【関連記事】人喰いモンスター「ハギーワギー」に保護者は騒然、米英で通報相次ぐ

from Rolling Stone US



@chef.pii ♬ OMG - White Gangster

>>記事に戻る

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください