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「もっとも肥えたクマ」の座をめぐり、不正投票が発覚 米

Rolling Stone Japan / 2022年10月13日 17時45分

2018年9月16日、米アラスカ州カトマイ国立公園のブルックス滝でサーモンを狩るグリズリー(ハイイログマ)(Photo by RONALD C. MODRA/GETTY IMAGES)

米アラスカ州のカトマイ国立公園・ブルックス川に生息するグリズリー(ハイイログマ)たちがしのぎを削る、毎年恒例のコンテスト「Fat Bear Week」が今年も開催。「Fat Bear Week」のサイトではトーナメント形式でユーザーが最も太っていると思うクマに投票する。

【写真を見る】今年のトーナメント表

インターネットの世界に限って言えば、Fat Bear Weekはもっとも健全で、もっとも無邪気な伝統行事のひとつだ。しかし現地時間16日の準決勝で不正が発覚。ずんぐりむっくりの435番(愛称ホリー)と飛行機のような図体の747番の戦いで、何者かが投票結果を操作しようとしたのだ。カトマイ国立公園はTwitterで、不正投票の試みがあったことを公表した。

ローリングストーン誌に宛てたメールで、国立公園局(NPS)で啓発教育プログラムのマネージャーを務めるアンバー・クラフト氏は事の次第と、熊の民主主義の無事についてさらに詳しく語ってくれた。同氏が明らかにしたところでは、スパム攻撃はホリーを不正に勝たせようとしたものとみられるが、最終的な集計結果により、747番が勝者に決定した。

「747番はこの日ずっと、大量の票を獲得してリードしていました」とクラフト氏。「投票締切まで残り数時間に迫った時、435番のホリーが短時間で9000票も獲得していることに気づきました」。NPSがこれまで行ってきた対決の中でも最速の大逆転だったため、すぐに疑惑の目が向けられた。

クラフト氏が語ったところでは、NPSの協力団体であるマルチメディア野生動物団体「explore.org」により、雪崩のごとく投入された票は「複数のIPアドレスから、数々の偽のアドレスを使って」送信されていたことが判明した。これらのIPアドレスから送信された票をふるいにかけた結果、747番の勝利が確定した(敗れた435番は2019年の王者だった)。さらに詳しく検証したところ、それ以前の対戦では疑わしい動きは見られなかった。現在NPSは「新たなバリアを設置して不正投票を阻止するべく」システムにキャプチャを追加した。


「クマが太るのは生存のため」

肥えたクマと人間の間で繰り広げられるユーモアたっぷりの対決では、集計結果がどうであれ、大事なのはすべての熊が勝者だという点だ、とクラフト氏は語る。「クマが太るのは生存のためです。豊富なサケ、澄んだ水、繁殖する動植物からもわかるように、カトマイの健全な生態系がクマの生存を可能にしています」 クラフト氏も言うように、Fat Bear Weekの勝者にはとくに賞品はない――ただし、野生環境や野生動物の保護に果たす人間の役割をより深く理解することができる。

「Fat Bear Weekで人々の意識が高まり、それぞれが納得するやり方で対策や行動を起こすことにつながればと願っています」とクラフト氏は続けた。「友達や家族と重要な問題について話し合ったり、川辺を清掃したり、ボランティアで保全活動に参加したり。他にもいろいろあります。我々の姉妹団体Katmai Conservancyは、カトマイ国立公園の公式NPO団体として募金活動を行っています。Fat Bear Weekでも外部団体として、イベントと関連して募金キャンペーンを展開しています」

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from Rolling Stone US

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