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ジャングルがTikTokで人気爆発 特大バズを生んだダンスMVの「徹底した世界観」とは?

Rolling Stone Japan / 2023年12月7日 18時0分

ジャングル「Back On 74」MVより

ジャングル(Jungle)の「GREENROOM FESTIVAL' 24」(来年5月25日・26日開催)出演が先日発表された。現行UKダンスシーンのトップに君臨する彼らは、一連のミュージックビデオによってTikTokなどSNS上で世界的バズを巻き起こし、2023年音楽シーンの顔となった。特大バイラルヒットの背景を、アメリカ在住のZ世代ライター・竹田ダニエルが解説する。


ジャングルの「Back On 74」は、通算4枚目の最新アルバム『Volcano』の先行シングルとして今年7月にリリースされると、2023年における最も大きなTikTokでのヒット曲の一つとなった。ソウルフルでありながら根底には踊りたくなるようなエネルギーがみなぎる音楽性で知られるジャングルは、この曲でも懐かしさと新鮮なモダンさを両立させている。

「#backon74」というハッシュタグのついた動画は、12月初頭の時点でTikTokで2億回再生を突破。サビ部分のMVの切り抜き動画における、メインダンサーのウィル・ウェストが女性ダンサーに恋焦がれ、追いかけるかのようなダンスが大きな話題を呼んだ。



ジャングルはジョシュ・ロイド・ワトソンとトム・マクファーランドの2人を中心に2013年に結成。グルーヴィーかつキャッチーな音楽性が瞬く間に注目を集め、ビリー・アイリッシュのアリーナ公演にも出演し、テイラー・スフィフトのリミックスも手掛けるなど著名人からも愛されてきた。ロンドンの音楽フェス「All Points East」(今年8月開催)ではエリカ・バドゥを抑えてヘッドライナーを務めエスクァイア誌は『Volcano』を年間ベストアルバム第1位に選出している。

このように実力派として名を馳せてきた彼らは、今回のMVのワンシーンによってメインストリーム的人気を獲得したと言っても過言ではない。このバズは徹底した世界観を作り出せるダンサー、振付師、そしてドラマチックなMVをワンカットで作り上げた、ビデオグラファーの力量による賜物だ。

Troye SivanのGot Me Startedとともに、TikTokでダンス映像が爆バズりして急速に認知が伸びたJungle、ライブ映像も広まって「こんな見た目のメンバーだったんだ」とか、Will West自身もTikTokセンセーションになってるくらいこのMVの功績は大きい。この動画も200万いいね超え。 pic.twitter.com/z8XdJjWKQd — 竹田ダニエル (『世界と私のA to Z』6刷突破) (@daniel_takedaa) October 22, 2023

「Back On 74」の振り付けを「踊ってみた」ダンスチャレンジ動画もSNS上で大流行

TikTokでMVのダンスシーンが話題になったアーティストといえば、トロイ・シヴァンの「Got Me Started」が記憶に新しい。

トロイの場合は、YouTuberとして人気を博したティーン時代からネット民のスターではあったものの、メインストリームのポップスターレベルの評価を確立したのは、同曲を収録した最新アルバム『Something To Give Each Other』以降だと言われている。「Got Me Started」のMVに本人が登場し、ダンサーたちと共に渾身の振り付けを披露しているのが大いに話題になったわけだが、このような「MVに対して意欲的にストーリーを作り、クオリティの高さを追求するアーティストの努力」が高く評価される時代になりつつある。往年のポップスターと比べてダンスに積極的なアーティストが減ったという声もある一方で、一般人がTikTokを通して「ダンサー」になることができるようになった今日において、みずから複雑な振り付けにチャレンジするアーティストは実に貴重な存在だ。
トロイシヴァンは昔からずっとインターネット民のスターだったけど、メインストリームのポップスターレベルの評価になったのは今アルバム以降。RUSHやGMSのダンサー/振り付け担当のMauroもWill Westと同時期にTikTokセンセーション化、こういう意味でのTikTokと音楽とダンスの親和性は最高。 pic.twitter.com/T0eEIcSTU6 — 竹田ダニエル (『世界と私のA to Z』6刷突破) (@daniel_takedaa) October 22, 2023
トロイ・シヴァンの場合は、「Got Me Started」や「RUSH」のダンサー/振付担当のMauro Van De KerkhofもWill Westと同時期にTikTokセンセーションを巻き起こし、MauroとWillのクロスオーバーを熱望するファンたちの期待に応えて、Mauroがジャングルの曲に合わせて「Back On 74」のダンスを披露した動画も大きなバズをもたらした。
そしてTikTokのトレンドは早い!MauroとWillのクロスオーバーを熱望する期待に応えて、早速MauroがJungleの曲に合わせてWillのダンスを披露。 pic.twitter.com/nQ372xdBA4 — 竹田ダニエル (『世界と私のA to Z』6刷突破) (@daniel_takedaa) October 24, 2023
バズを生んだ「美意識」と「クリエイティブ」

ジャングルは、そのレトロなグルーヴ感や徹底した世界観作りが熱烈なファンの輪を広げてきた。以前から一貫してダンサーや振付師とのコラボレーションを行ない、作品ごとに連続性のあるストーリーを描いたMVをリリースし続けている。もともと「踊れる」楽曲であることに加えて、リスナーは「視覚的な踊り」にも導かれるというわけだ。



ダンサーのウィル・ウェストは、以前からジャングルのMVに出演。2019年公開の「Casio」MVはYouTube1億再生を突破

最新作『Volcano』のリリースに併せて公開されたミニ・ムービーでは、3つのストーリーが同時進行で描かれ、さらにファンが夢中になれるような「世界」をアーティスト主導で生成している(この映像は今年8月にジャングルのファンクラブで先行公開されたあと、12月7日にYouTubeへアップされた)。

ロザリアやエド・シーラン、ストームジーのMVでも振り付けを担当してきたShay Latukolanは、ロサンゼルス・タイムズ紙のインタビューで、ジャングルは『Volcano』に収録された14曲それぞれのMVを全てワンテイクで撮影しており、それらはアルバムという映画全体のシークエンスの一部であると語ったあと、こう付け加えている。「ウィル・ウェストは女性ダンサー(Mette Linturi)と別れたばかりで、彼女と一緒にいたいと思っています。このような小さな物語がすべて組み合わさることで、なぜ彼が歩み寄り、彼女のもとへ手を伸ばそうとしているのかが理解できるんです」。




Shay Latukolanが携わったJung Kook(BTS)「Standing Next to You」、ロザリア「SAOKO」のMV


また、フォーブス誌は「Back On 74」のTikTokバズについて「ミュージックビデオはMTV時代ほど重要なものではないが、TikTokのアルゴリズムの気まぐれに後押しされ、バイラル化が促されることもある」と考察。さらに、カーディ・B「WAP」やリル・ナズ・X「MONTERO (Call Me By Your Name)」のMVが凝ったセットと挑発的なテーマによって注目を集めた(そして物議を醸した)のとは対照的に、ジャングルの「Back on 74」がシンプルで力強いビジュアルと無垢なヴァイブスによって成功を収めたと指摘し、このように続けている。

「ジャングルのメンバーたちが、自分たちのMVにみずから出演することはない。その代わり、バンドは才能ある多彩なダンサーを起用した一発撮りのビデオで独特の美学を培ってきた。”Back on 74”も例外ではなく、絵画が散乱するスタジオで繰り広げられるワンテイク撮影で、簡単そうに見えるが完璧にリハーサルされたダンスの振り付けが自慢だ」


ジャングル 左からトム・マクファーランド、ジョシュ・ロイド・ワトソン(Photo by Arthur Williams)

Instagramのフォロワー数が13万人を超える、音楽を中心にしたポップカルチャーの「裏側」を解説する人気アカウント「@a1234」も、「Back On 74」ダンス映像の人気や振付師のShay Latukolanに注目した動画を投稿している。そこではShayがオールドスクールな黒人グループ、スプリームスやテンプテージョンズなどからインスピレーションを得ていること、さらにWill Westが手を伸ばす瞬間の衝撃などが紹介され、コメント欄では楽曲、振付、ダンスの奇跡の融合によって作られたアートの素晴らしさについて議論されている。

もともとTikTokは「ダンスアプリ」として認知されているほど、音楽やダンスとの親和性が高いプラットフォームだが、プロフェッショナルなダンサーの芸術性や、質の高いアーティストのクリエイティブなども、その類のコンテンツに関心のあるユーザーに届きやすく、このように「楽曲と直結したバズ」を生みやすくなっている。他のプロフェッショナルなダンサーが「バズっている」部分の振り付けをコピーして披露したり、撮影の裏側やリハーサルの動画がクリエイター側から投稿されたりと、包括的かつ「参加型」で作品を楽しめることが利点であり、これからも話題に上がり続けるだろう。

【関連記事】ジャングルがソウルの最先端をいく理由「僕らの音楽はUKらしさよりワールドワイド」

♬ Back On 74 - Jungle


『GREENROOM FESTIVAL 24』
2023年5月25日(土)、26日(日)
神奈川・横浜赤レンガ地区野外特設会場
出演:ジャングル、トーンズ・アンド・アイ 他
公式サイト:https://greenroom.jp/


ジャングル
『Volcano』
発売中
詳細:https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=13338



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