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告発者の懲戒処分予告した記者会見、斎藤知事は「人事課の想定問答にないこと述べた」  兵庫県議会百条委証人尋問詳報(3)

産経ニュース / 2024年8月31日 6時0分

兵庫県議会の百条委員会に出頭した斎藤元彦知事=30日午後、神戸市中央区(代表撮影)

《兵庫県の斎藤元彦知事のパワハラ疑惑を調査する30日の県議会調査特別委員会(百条委員会)で、維新会派の委員に続き公明党会派の委員が質問した。委員は、疑惑を告発する文書を作成した元県西播磨県民局長の男性に対する懲戒処分に焦点を当てて追及していく》

委員「元県民局長への処分にハラスメント性があるのではないか。処分は停職3カ月だが、(処分の4日後に控えた)退職を停止され再就職できなくなり、過剰な結果になっている。退職を保留するほどのことだったのか」

斎藤氏「告発文書は元県民局長が作成した可能性が高く、調査では25日に本人に事情聴取した。公用パソコンをチェックし、問題の文書と不正アクセス、業務時間外に作成した文書、職員へのハラスメントが想定される文書のデータが同じフォルダから出てきた。明らかに懲戒処分に該当し得る可能性が高かったので、人事課と副知事から退職を保留して、しっかり調査することが大事だといわれた」

委員「退職を保留すると再就職できないことの影響は考慮したか」

斎藤氏「再就職先に行こうとすることは把握していたと思う。ただ、懲戒処分に該当し得る行為をした可能性があり、その証拠もあった。退職を保留して調査することは、そのときの判断だった」

委員「再就職妨害という不法行為に当たるのではないか。処分の公表時期も、処分を行った後にするもの。3月27日の記者会見で元県民局長を名指しして懲戒処分を予告することは、県の指針に違反すると思うが、どうか」

斎藤氏「違反するかどかのコメントは差し控えたい。適切な調査をして、懲戒処分をする可能性があると申し上げた。同日、元県民局長を総務部付にする人事は発表しており、(会見で)聞かれたことに答えるのも一定必要というなかで話をした」

委員「人事課からは詳細について『申し上げられない』とだけ答えてくださいという想定問答が渡されているはず。にもかかわらず、処分する予定だと言ってしまうことが問題だと思うが」

斎藤氏「人事課が出してきた想定問答にないことを述べた。人事異動をなぜしたかの理由と、元県民局長のパソコンから見つかったデータが4つの非違行為に該当することが確認されたとの報告があり、放置していると大きな影響を及ぼす可能性があることから注意喚起を含めて述べた」

《委員は斎藤氏のこの判断を「恣意(しい)判断」と非難し、追及を続けた》

委員「噓八百、事実無根などと述べたが、この言葉自体がパワハラではないか。反省していると述べているのは、元県民局長に対し、パワハラ的な言動を反省して謝罪している言葉か」

斎藤氏「表現が適切だったかという意味で、よくなかった面を含めて反省している。いまでも誹謗(ひぼう)中傷性の高い文書だと強く認識している。一緒に仕事をしてきた仲で、あのような文書を作成されたことに対し、大変残念な思いもあった」

《委員は、斎藤氏が約20年前の総務官僚時代に国会議員秘書を務めた経験に言及した》

委員「20年たって、仕事のやり方も変わってきている。変えないといけないという懸念はなかったか」

斎藤氏「仕事のやり方を変えていくことは、その通り。レク(説明)の時間を取れない中で、チャットなどで工夫してきた。深夜に(幹部職員らにチャットを)送ったのは、自分でもどんどん仕事をしたいタイプで、行き過ぎた面があったなら反省しないといけないが、いい仕事の仕方をやってきた思いは、いまもある」

《質問者は県議会第4会派「ひょうご県民連合」の委員に交代した》

委員「知事の人権感覚そのものが普通の人とずれているのでは。気は長いほうか、短気なほうか」

斎藤氏「2つの面があって、基本的にわりと適当なところがあるが、仕事でミスがあった場合には短気な面もある」

《委員は斎藤氏に対し「県のナンバーワンで、行政の最高執行権限者だが、能力や知識でナンバーワンとは言い切れない」と厳しく指摘し、職員アンケートで「瞬間湯沸かし器」と記載されていることに言及した》

委員「パワハラ体質を含んでいる。そのことは自覚してもらわないと、われわれも職員も県民もついていけない」

斎藤氏「私としては、仕事については厳しくさせてもらっている面が正直ある。いい仕事をしたいという思いで、私心なくやらせていただいていた。職員への伝え方、接し方で不快に思わせているとすれば、直接おわびしたい。これからはもっといい知事として、あり方を改めていきたい」

《この後、委員の質疑は、斎藤氏が片山安孝副知事(当時)に向けて付箋を投げつけた件に移った。斎藤氏が投げたとされる5センチ角のものと同じ付箋を重ねた束(厚さ1センチ未満)を手に追及した》

委員「片山氏にこの付箋かと確認した。片山氏本人には当たらなかったと聞いたが、どういう意図で投げたのか」

《ここで斎藤氏はメモをもとに説明したいと委員長に許可を求め、了承された》

斎藤氏「机に向かって投げた。付箋は1枚。県立大の無償化を国会議員に説明する案件で重要な伝達内容を失念され、大変残念な状況の中で思わず卓上に向けて放り投げた。真正面に向かって投げたので副知事に向かってではない。当たったわけでもない。厳しく注意する中で突発的に行ってしまった。いま考えれば適切ではなかった。不快な思いをさせたなら、おわび申し上げたいし、反省したい」

委員「片山氏は、わざわざ付箋の厚みまで説明した。なぜ、片山氏に向かって投げていないというのか」

斎藤氏「束のまま投げたことはない。本人に向かって投げていないし、当たっていない。業務をちゃんとやってほしいという思いから、目の前に放り投げてしまった」

委員「パワハラを認めないのか」

斎藤氏「当時としては必要な指導だと思っていた」

委員「パワハラを認めた上で反省するということではないのか」

斎藤氏「パワハラかどうか私が判断するというよりも、百条委や第三者委員会が判断するのだと思う」

=(4)に続く

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