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所沢「地蔵山」強いコシ、歯ごたえが印象的 「こんな作り方俺だけ」 ビバ!続・うどん共和国

産経ニュース / 2024年8月31日 11時0分

「地蔵山」の外観。店で提供する「梅ジュース」の材料になる南高梅を天日干ししている=埼玉県所沢市(昌林龍一撮影)

埼玉県所沢市の静かな住宅街にあり、幅広い世代でにぎわう。「昔からある所沢うどん」と地元の人が絶賛する。ご主人の加藤幸造さん(77)は54歳で同店をオープン。手打ち作業の工程には、前職を活かしたユニークな発想がある。

まずは、シンプルな「ざるうどん」(770円)を注文する。田舎蕎麦に似た色合いで、うどんの太さは中太。口に入れると、つるっと吸いこむ感触というよりも、コシの強さ、歯応えが印象的だ。

加藤さんの人柄を慕って来店する人も多く、ネットワークが店のメニューに活かされている。トッピングに注文できる天ぷらの材料は、知り合いの農家から仕入れるので新鮮だ。

長時間の運転で空腹だったため、おススメの「冷や汁うどん」(990円)も注文した。埼玉県加須市などの郷土料理ではあるが、地蔵山では汁に「だし」を強調することで、キュウリに味が染み込み飽きさせない奥深い味となっている。

コシの強さの秘訣(ひけつ)を知ろうと、手打ちの工程をみせてもらう。前日に全粒粉の粉を少しまぜてこねて色合いを出し冷蔵庫で丸一日寝かせたうどんのもとを出す。おもちのような丸いものだと思っていたら、厚い布が重なった長方形のような形に驚いた。

「この形にすると切るときに長さがそろうから」と淡々。加藤さんは、実はうどん店を開くまで父親から継いだ呉服店で働いていた。長方形は、呉服店出身者らしい発想だと思った。

さらに畳んでコシを増してから、長い棒で広げる。棒は先を作業台の前方に引っかけることができ「テコの原理」で体重をかけられるので、さらにうどんのコシが出てくる。

「こんな作り方しているのは俺しかいないんじゃないかな。でも、この方法でやってみたら、コシがでたので続けている」

うどん店ではあるが、隠れた名品がある。知り合いから仕入れる南高梅を自家干しして作る梅干から製作する「梅ジュース」(210円)。甘ったるくなく、爽やかさな味だ。

地蔵山で忘れてならないのが、打ったうどんをすぐに箱詰めする「生うどん」の販売。食べた後に買っていけば、家庭でも強いコシのうどんが味わえる。「自分の打ったうどんを喜んでもらえれば、それでいいです」と話す、加藤さんの真っすぐな心意気を感じるうどん店だった。(昌林龍一)

地蔵山

住所:埼玉県所沢市西所沢1の16の1 リーブル西所沢

電話:04・2922・1625

観光メモ

埼玉県所沢市の西武線所沢駅周辺で10月13日、「ところざわまつり」が開催される(午前10時~午後9時、雨天決行、荒天による中止の場合あり)。各町内が所蔵する10基の山車の曳き回しが行われ、見せ場となる「曳っかわせ」では山車同士がすれ違いに祭りばやしと踊りを競い合う。市無形民俗文化財指定の重松流祭囃子も披露される。そのほか、子どもオープニングマーチや民踊流しが披露され、バザールコーナーや屋台村が設置される。

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