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特製かれぇつけめん 汁は極上シチューのよう さいたま市の「手打ちうどん 延喜」  ビバ!続・うどん共和国

産経ニュース / 2024年12月14日 13時0分

風流な雰囲気の「手打ちうどん 延喜」の外観=さいたま市桜区(昌林龍一撮影)

研究熱心で調理にさまざまな工夫を凝らす店主が切り盛りする手打ちうどん店だ。人気メニューは、来店者の一言からヒントを得た「特製かれぇつけめん」(1100円)。つけ汁がそばつゆを使ったカレー南蛮とは全く違う味わいで、レンゲでスープを口にしたらシチューのような味わいだったことに驚きを隠せなかった。

埼玉大学近くの路地を曲がり進むと「延喜」と書かれたのれんが見える。店主の川辺昌彦さん(59)は物腰が柔らかく、厨房越しに女性客にも人気だ。そんなこともあり、知人で埼玉大学卒の女性記者が学生時代に通い、太鼓判を押していた「特製かれぇつけめん」を注文した。スタッフが運んできたつけ麺の汁はチゲ鍋に入れられ、火山のマグマのようにグツグツと音を立てている。うどんは、熱い汁に負けないように歯応えのある感触だ。

「故郷の羽生市で祖母が作ってくれたうどんが基礎」と川辺さん。埼玉県産地粉に胚芽がついた全粒粉などを独自にブレンドした小麦粉を使っている。

タマネギ、野菜、リンゴをじっくり炒める

「特製かれぇ」の汁で目指したのは、「シチューのような作り方」。タマネギ、野菜、リンゴなどの果物をじっくり炒める。そこに、自家製の鳥白湯(とりぱいたん)のスープを合わせて汁ができあがる。はしを上げたうどんに絡んだその汁は、そばつゆを使うカレー南蛮とは全く違う。チーズが入っていることもあり、極上カレーシチューのような味わいだ。

34歳で脱サラして独学で店を構えた。店名はうどんの歴史が書かれた平安時代の書物「延喜式」にちなんだ。「特製かれぇつけめん」の誕生は、近くにある埼玉大学に通う米国人留学生がきっかけだ。留学生が温かい特製かれぇうどんを食べていたときに、「これをつけ麺で食べたい!」と川辺さんにお願いしたことで「最後まで熱々で食べられるように」と汁をチゲ鍋で出す方法を考えた。

うどんに使う、煮干しオイルやしいたけオイルなどを自家製で作るのも川辺さんのこだわりだ。

カウンターの上には、食べに来るサッカー女子WEリーグの三菱重工浦和の選手たちが書いた色紙が並ぶ。「親元から離れてきている子たちに、できる限りのことをやってあげたい」という気持ちからという。

食後に自家焙煎「水出し珈琲」(450円)がおススメ。水を一滴一滴を垂らして抽出するのでえぐみがなくコクのある味わいだ。

(昌林龍一)

■「延喜」

住所:さいたま市桜区上大久保576−1

住所:048・855・5088

■観光メモ桜区には広大な緑地公園「秋ケ瀬公園」(同区道場)がある。芝生広場・子供の森・ピクニックの森などの自然エリアと、野球場・サッカー場・テニスコートなどスポーツ施設で構成。ピクニックの森にはハンノキ林があり、幼虫がハンノキの葉を食樹している県蝶「ミドリシジミ」が生息する。スポーツ施設・バーベキュー場の予約は利用者カードの発行が必要。【問】県営公園施設予約サービスコールセンター(0120・207・025)

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