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「救出に残りの人生をかける」北朝鮮帰還事業開始から65年で追悼式

産経ニュース / 2024年12月14日 17時58分

海に献花した際、今も北朝鮮に取り残されている家族のことを思い、涙する川崎栄子さん=14日午後、新潟市中央区(本田賢一撮影)

「地上の楽園」と宣伝され、9万3千人以上の在日朝鮮人とその家族らが北朝鮮に渡った帰還事業で、第1便の船が新潟港から出港して65年となる14日、北朝鮮で亡くなった人たちを追悼する式典が同港の中央埠頭(ふとう)で開かれた。主催団体の川崎栄子代表(82)は「北朝鮮に人権を確立し、国民や私の残された家族を救う。そのことに残りの人生の全てをかける」と決意を新たにした。

帰還事業は昭和34年から59年まで行われ、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)などが北朝鮮を「地上の楽園」と宣伝し、帰還を勧めた。帰還者は北朝鮮で貧困と迫害にさらされ、一部の人は日本や韓国などに脱出したが、日本との往来を許されずに現地で死亡した人も多い。

式典には、脱北者や帰還者の家族ら約50人が出席。黙禱(もくとう)や献花、死者を悼む朝鮮半島伝統の踊りがささげられた。

47年に新潟港から北朝鮮に渡り、平成13年に脱北した石川学さんは今年2月、病気のため65歳で他界。式には、妻の朴恵淑(パク・ヘスク)さん(67)が出席し、「夫は亡くなる前(北朝鮮に渡ったことが)くやしいと言っていた」と振り返った。

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