1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. カルチャー

ホテルニュージャパン火災 防火対策ずさん 33人死亡  警視庁150年 72/150

産経ニュース / 2024年8月29日 7時0分

ホテルニュージャパンの火災。有毒ガスを含む煙から逃れるため窓から飛び降り命を落とした人もいた

昭和57年2月8日未明、東京都千代田区のホテルニュージャパンで、宿泊者のたばこの不始末による火災が発生した。ホテルの防火対策が十分にされておらず火が燃え広がり、33人が死亡する大惨事となった。

『警視庁事務年鑑』によると、9階の一室で起きた火災は、廊下の内装が可燃材だったことなどで10階にまで延焼。また、消防に関する避難計画がずさんで、誘導が的確に行われず、他の宿泊者が火災に気づくのが遅れた。『科学全書4 ビル火災』は、火が燃え上がり、人々が泣き叫ぶ現場の様子を「まさに焦熱地獄であった」とつづっている。

この火災の約1年半前には、栃木県の川治温泉のホテルで45人が死亡する火事が起きており、各消防本部などが指導を強化していた中での惨劇だった。警視庁は麴町署に特別捜査本部を設置し、刑事責任などを捜査。その結果、ホテルが麹町消防署からの指導を無視して、防火スプリンクラーを設置せず、防火戸の改修もしていなかったことなどが判明した。

火災から約9カ月後、警視庁はホテルの社長や防火管理者ら4人を業務上過失致死傷容疑で逮捕し、火災の発端となったたばこの不始末をした宿泊者を被疑者死亡で書類送致。社長は後に禁錮3年の実刑が確定した。

国はこの火災を受け、防火管理の厳格化を進めたが、61年には静岡県のホテルで24人が死亡する火災が発生するなど、課題は残った。(前島沙紀)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください