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中央官庁情報 会計検査院 「財政の番人」として国民の負託に応える 受験ジャーナル

産経ニュース / 2024年12月13日 15時6分

国家公務員総合職試験,一般職試験に合格すると,その主な職場は「国の行政機関」である1府12省庁,つまり,内閣府および11省+国家公安委員会(警察庁)となる。さらに各省の下には外局である庁や委員会が置かれており,地方に出先機関を設けている省庁も多い。国家公務員の職場は実に幅が広いといえるだろう。それぞれの官庁が取り組んでいる仕事内容や課題などを紹介する。

会計検査院とは?

国の活動は,予算の執行を通じて行われる。その予算が適切かつ有効に執行されたかどうかをチェックすることは,国民の負託に応えるだけでなく,健全な財政活動にとっても極めて重要である。会計検査院は,この職責を果たしており,これを全うするため,国会および裁判所に属さず,内閣に対しても独立した地位が与えられ,検査の中立性と公平性が確保されている。会計検査院の仕事は税金の無駄遣いの指摘だけにとどまらず,政策やその仕組みについて,政策を作る側とはまた違った視点で,国民目線のよりよい行財政になるよう追求していく創造的な仕事である。

事務総局の組織

○官房部局:人事,会計,検査手法等の企画支援,職員の研修など,検査や検査を行う職員を支えている。また,総務省行政評価局等との間で情報交換を行ったり,国際会議に参加し会計検査を取り巻く国際情勢について意見交換を行ったりするなど,外部との交流活動も行っている。 ○検査部局:5つの局に分かれ,会計検査院で働く職員(約1,250人)の多くが検査の第一線で活躍している。検査の対象や内容が広範・多岐にわたり,幅広い知識が要求されるため,「会計」検査院という名前から受けるイメージとは異なり,検査対象機関の業務内容をはじめ,法律,経済,土木,建築,電気,デジタルなどさまざまな分野の知識を身につけて,検査対象に切り込んでいる。

検査の対象

多種多様な活動を行っている国の機関,また,独立行政法人や政府関係機関など国が出資している団体,国が補助金を交付している団体,国に物品を納入するなど国と契約している企業など,会計検査院は非常に幅広い検査対象機関を検査する。

検査の方法

○在庁検査:検査対象である各府省等から計算書(家計でいえば家計簿)や証拠書類(契約書,請求書,領収書,図面など),事業の実施状況等に関するデータ等を提出させてその内容を確認するなどして,各府省等が取り扱った会計経理が正確,適法,妥当であるか,在庁して検査を行う。 ○実地検査:在庁検査だけで完全に実態を確認することはできない。そこで,会計検査院の職員は,各府省等の本部や支部,あるいは工事などの事業が実際に行われている現場に出張して検査を行う。実地検査では,事業の実施機関の担当者に直接説明を求め,疑問点を質問したり,事業の現場やその周辺の状況を自ら確認したりして,国民の税金がどこでどのように使われているのか職員一人ひとりが自らの目で実際に確認し,霞が関の庁舎にいるだけでは知ることのできない行政の実際,財政執行の真の姿をチェックする。職員は,北は北海道から南は沖縄まで全国津々浦々におおむね1週間単位で出張し,さらにODA(政府開発援助)の事業現場や在外公館などの検査のための外国出張も行う。なお,出張は多い一方,出先機関が置かれていないため,原則として転勤がなく,安定した環境で生活できる。

検査報告

検査の結果,問題や改善すべき点があれば,検査報告として国会に報告する。現場の姿を自らの目で実際に確認した調査官が職員の不正行為の指摘から法令や制度の改善の提言,国会への報告までの事務に一貫して携わる。ベテランばかりでなく,若手も現場で検査をし,問題点を発見して,担当者として国会報告までまとめ上げることも多くある。

人事データ

配置・転勤

総合職・一般職とも,官房または各局の検査課などに配属され,総合職はおおむね2年サイクルで異動する。一般職はおおむね3〜4年サイクルを目安に異動する。局内にとらわれず各局の検査課を経験し,さまざまな行政分野の検査対象に取り組むほか,他省庁や他団体との人事交流も活発に行われている。

また,在外公館への出向,海外の大学院への留学の機会もある。

昇任

事務官→調査官補→調査官→副長→総括副長→管理職という昇任ラインで,本人の適性を踏まえ,能力・実績等に応じ昇任していく。

採用動向・採用予定

令和5年度の採用は,総合職(院卒者)が1人(行政),総合職(大卒程度)が4人(うち女性2人)(法律1人,政治・国際2人,工学1人),一般職(大卒程度)が32 人(うち女性14 人)(行政25 人,機械1人,土木1人,化学3人,農学2人)。令和6年度の採用は,総合職試験および一般職試験(大卒程度)の全区分から採用を予定している。

(公務員の仕事入門ブック・6年度試験対応・記事内容を一部編集しています)

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