千葉県、台湾輸入規制緩和は「満額回答ではない」 今後も添付書類撤廃要望へ
産経ニュース / 2024年9月26日 18時4分
千葉県は、台湾当局が東京電力福島第1原発事故を受け、導入していた千葉など5県の食品に対する輸入規制の緩和措置について一定の前進と評価している。ただ、緩和後も輸出の際は放射性物質の検査報告書や産地証明書の添付は引き続き義務付けられ、「満額回答」とはいえない。県は今後も添付書類の撤廃を求める方針だ。
台湾当局が25日発表した輸入規制緩和で、輸入停止となっていた5県産(千葉、福島、茨城、栃木、群馬)の野生鳥獣肉、キノコ類、山菜のコシアブラの3品目が台湾に輸出できるようになった。県によると、これまで3品目の台湾への輸出実績はないものの、緩和を機に輸出に弾みがつく可能性がある。
とはいえ、3品目の放射性物質の検査報告書や産地証明書の添付義務は、先に輸入が緩和されている他の県産食品(酒類除く)と同様に維持されたままだ。検査報告書などの添付手続きに2~4日を要し、コストもかかる。鮮度が短い食品は輸出を断念せざるを得ないケースもあるだけに、「前進だが、大喜びというわけではない」(県幹部)のが本音だ。
熊谷俊人知事も昨年11月、訪問した台湾で当局要人に対し、添付書類も含めた輸入規制の完全撤廃を求めた。台湾が今年7月、3品目の輸入規制の緩和方針を発表した際も、熊谷知事は添付書類の義務化について「引き続き撤廃に向けてさまざまなルートを通じて求めたい」と語った。
その一方で、市場規模の大きい台湾は県にとって県産品の消費地だ。3品目の輸入緩和に限らず、県は台湾への輸出攻勢を強めている。昨年までは現地バイヤーとの商談会が中心だったが、今年から台湾の消費者に直接、県特産品のナシやサツマイモなどを売り込むフェアを初めて現地で開催する予定で、海外への輸出拡大に取り組む。(岡田浩明)
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