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千葉・銚子市が地域おこし協力隊に米国人 初の外国人起用、「架け橋に」と市長

産経ニュース / 2024年9月25日 18時10分

銚子市の越川信一市長(手前)から委嘱状を受け取るジャン・ユエボさん=10日、同市役所(松崎翼撮影)

千葉県銚子市は10日、過疎地域に移って地域産業や経済の活性化に取り組む「地域おこし協力隊」に、米国籍のジャン・ユエボさん(29)を任命した。同市で協力隊員に外国人を起用するのは初めて。外国人の技能実習生や大学への留学生が増える中、多言語での情報発信や国際交流事業などを担い、誰もが暮らしやすい街づくりに励む。

多文化共生に興味

ジャンさんは中国・雲南省で生まれ、8歳から米・カリフォルニア州で育った。24歳のとき、JETプログラム(語学指導などを行う外国人招致事業)で来日。東京都西東京市に住み、都立高校で外国語指導助手(ALT)として勤務していた。日本語、中国語、英語を使いこなす。

「自分が海の近くで育ったので、そんな場所に移り住みたいと考えていた。銚子は多文化共生にも力を入れており、自分の能力を生かせると思った。地域社会の伝統や生活様式も学びたい」と、銚子市の協力隊員に応募。10月から日本語・外国語教室の運営や、多言語での行政情報の発信といった業務に取り組む。

同市では、外国人住民が年々増加。8月時点で市民5万4371人のうち、2660人が外国人。ベトナム人や中国人、フィリピン人、タイ人が多く、市の基幹産業である水産・農林分野の技能実習生や、千葉科学大の留学生が多数を占めている。外国人との共生は、市にとって重要なテーマだ。

地元の人との距離感縮める活動を

この日行われた委嘱状の交付式で、越川信一市長は「市の滞在を楽しみつつ、持ち前のコミュニケーション能力を生かして、外国人との架け橋になってほしい。市もジャンさんとともに、外国籍の方が『銚子に来てよかった』と思ってもらえるような街づくりを進めていきたい」と活躍に期待。ジャンさんは「みんな同じ人間。地元の方と、外国人の距離感を縮められるようにしたい」と意欲をみなぎらせた。任期は令和9年9月まで。

地域おこし協力隊の外国人起用は各地で増えており、総務省のまとめでは、令和4年度に活動した全国の隊員6447人のうち、外国人は約150人。インバウンド需要の拡大が見込まれる中、外国人目線での地方の魅力発信などが求められており、国も今年度、自治体への支援強化に乗り出した。

具体的には、道府県に対し、上限200万円の特別交付税措置を講じる。外国人の隊員登用を希望する各自治体が、マッチングイベントの費用などに活用することを想定している。外国人隊員の活動が実際に始まれば、さらに上限100万円を支援する。(松崎翼)

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