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特殊詐欺もリモートに 新潟県内の被害者の告白

産経ニュース / 2021年7月22日 14時0分

還付金詐欺未遂事件での電話のやり取りを説明する被害者=下越地方の警察署(本田賢一撮影)※一部画像を処理しています

役所や金融機関職員などを装って現金などをだまし取る特殊詐欺。新潟県内では今年に入り、犯人が被害者宅まで受け取りにいく形態が減る一方、電話で言葉巧みにお金を振り込ませるリモートタイプが増加。特に保険料還付をかたる手口が急増し、県警が注意を呼び掛けている。詐欺の世界にもリモートが浸透しつつあるようだ。

被害額2・5倍

県警によると、今年1~6月末までの特殊詐欺事件の発生件数は66件、被害総額は1億4660万円となっている。昨年同期と比べ件数は約1割減っているものの、被害額は4割近く増えている。

目立つのは「架空料金請求詐欺」や「還付金詐欺」が増えていること。

ありもしない料金を請求し、お金をだまし取る架空料金請求詐欺は、前年同期より17件多い41件発生し、全体の6割を占める。被害総額は前年同期の3倍の1億2千万円余りに上る。

また、役所職員を装った犯人が、取り過ぎた介護保険料を返すと電話をかけてきて、被害者に現金自動預払機(ATM)を操作させお金をだまし取る還付金詐欺は4件発生。被害総額は185万円となっている。前年同期の0件からこちらも増加している。

県警安全安心推進室の原伸一室長は「オレオレ詐欺のように犯人が被害者宅に出向いてだまし取る形態から、電話やメールだけでお金を振り込ませるなどしてだまし取る形態が増えている」と指摘する。

被害者の証言

6月、下越地方の60代女性が還付金詐欺グループに狙われたが、銀行員の機転で未遂に終わった。女性は7月上旬、県警の勧めもあり、報道陣に電話の録音音声を公表するとともに、体験談を明かした。特殊詐欺の実態を多くの人に知ってもらい、被害防止につながればとの思いからだった。

録音音声によると、市役所介護保険課の職員をかたる男の電話内容は次の通り。

「平成31年までの4年間に介護保険料を2万6200円多くいただいていて、払い戻しをします。新型コロナウイルス感染予防策で役所の人員を減らしているため、役所窓口は混み合います。金融機関でお手続きしていただければ、スムーズにお受け取りできます」

男は金融機関からの連絡を待つよう伝え、電話を切る。ほどなくして金融機関のコールセンター職員を名乗る男から電話がかかってきて、女性に自宅近くのスーパーマーケットのATMに行くよう指示する。以下は女性の証言である。

「ATMに着き、携帯からコールセンターに電話をかけた。言われた通り、キャッシュカードをATMに入れ、暗証番号を入力すると、男は『エラーが出た』と言ってきた。別のキャッシュカードでも試したが、男は『またエラーが出た』と言ってきた」

男たちはこの後、女性をだまし、お金を振り込んでみるよう誘導するつもりだったのだろう。ところが、女性は「なぜ、うまくいかないのか銀行の支店に聞いてみる」といって電話を切り、支店に向かった。支店窓口で事情を話したところ行員から警察に相談するよう勧められ、事件は未遂に終わった。

「役所というと、お金を納めるところという感覚がある。逆にお金をもらえるといううれしさから、疑わなかったのかもしれない」と女性は振り返る。

原室長は「電話でお金の話が出てきたら詐欺と思って間違いない。被害を防ぐには、防犯機能付き電話を導入し、電話機に登録した番号以外の電話には出ないこと」と指摘する。

(本田賢一)

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