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英労働党が与党返り咲き後初の党大会 支持率低下のスターマー首相、求心力確保なるか

産経ニュース / 2024年9月22日 19時29分

【リバプール(英中部)=黒瀬悦成】今年7月の英総選挙で14年ぶりに政権の座に返り咲いた労働党の年次党大会が22日、中部リバプールで4日間の日程で始まった。同党のスターマー首相は政権が打ち出す財政緊縮策が有権者の反発を浴びて支持率を低下させるなど、就任2カ月半で早くも苦しい立場に立たされており、党大会で求心力を確保したい考えだ。

調査会社ユーガブが3日に発表したスターマー氏の支持率は35%で、総選挙直後の44%から9ポイント下落した。「支持しない」は同9ポイント増の56%だった。

支持率の下落は、リーブス財務相が7月29日に保守党のスナク前政権が組んだ予算に220億ポンド(約4兆1千億円)の財源不足が見つかったと発表したのが引き金となった。

リーブス氏は、年金生活者への冬場の暖房費補助の削減や、保守党政権下で決定された病院や道路の建設計画の見直しといった財政緊縮策を打ち出した。

暖房費に関しては約1千万人が補助の対象外になるとみられている。有権者は強く反発し、国民が新首相の門出を温かく見守る「ハネムーン期間」は早々に終了。加えて、8月に入って英国各地で発生した極右勢力による反移民暴動も政権を揺さぶった。

リーブス氏は財源確保に向けて10月にも増税に踏み切る意向を示唆している。同氏は大会2日目の23日に演説する予定で、増税に関しどのような発言をするかが注目されている。

一方、スターマー氏をめぐっては今月15日、妻のビクトリアさんが労働党上院議員の富豪、ワヒード・アリ氏から高級な衣服を贈られたにも関わらず、議員規則に反して申告していなかったと英紙タイムズ日曜版が報じた。

各紙も続いて富豪からスターマー氏らへの利益供与に関する報道を展開。同氏は事態を受けて20日、1万6千ポンド(約306万円)相当の衣服を受け取っていたことを認めたほか、リーブス氏やレイナー副首相も衣服を贈与されていたことを明らかにした。

スターマー氏は24日に演説し、選挙で公約した「改革の推進」を訴える見通しだ。しかし、コービン前党首の流れをくむ急進左派系党員は中道路線を掲げるスターマー氏への不満をくすぶらせており、左派勢力が贈与問題などを材料にスターマー氏ら主流派を追及する事態も想定される。

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