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フランス新内閣発足 移民強硬派を内相に マクロン大統領、少数内閣で不安な再出発

産経ニュース / 2024年9月22日 11時28分

フランスで21日、バルニエ首相(73)が率いる新内閣が発足した。マクロン大統領を支える中道与党連合に、これまで野党だった中道右派「共和党」が加わる「相乗り内閣」になった。内相には、移民受け入れ削減を求める共和党強硬派が起用され、右派色の強い陣容となった。

フランスは6~7月の下院選で与党連合が第2勢力に転落し、政治空白が続いていた。マクロン氏は、共和党のバルニエ元外相を今月5日に首相に任命。21日に閣僚名簿を発表した。

新内閣は、下院で過半数の議席を持たない少数政権で、外相には与党連合からジャンノエル・バロ欧州担当相(41)が就任した。経済・財務相はアントワヌ・アルマン下院経済委員会委員長(33)。国防相はセバスチャン・ルコルニュ氏(38)が留任した。

内相となったブリュノ・ルタイヨー氏(63)は共和党の上院議員団長。欧州連合(EU)のルールに縛られず、フランスが独自に移民対策を強化するよう主張してきた。共和党からは農相も入閣した。

新内閣は来年の予算編成が喫緊の課題。バルニエ氏は10月1日、下院で施政方針演説を行う。下院第一勢力の左派連合は、不信任案提出の構えを見せる。新内閣は極右野党「国民連合」の動向に配慮せざるを得ず、マクロン氏は政策実行の手足を大きく縛られた。EUの大国フランスの政治不安は、欧州経済やウクライナ支援にも陰を落とす。

下院選は左派連合、与党連合、国民連合の三つどもえの結果となり、いずれも議席の過半数に達しなかった。アタル前首相は7月に辞任し、パリ五輪は暫定内閣で乗り切った。マクロン氏は左派連合が擁立した首相候補を退け、下院第4勢力の共和党との相乗りで、公約だった債務削減を進める姿勢を示した。(三井美奈)

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