オスロでノーベル平和賞を被団協に授与 田中熙巳代表委員、演説で核廃絶の思い訴え
産経ニュース / 2024年12月10日 21時59分
【オスロ=黒瀬悦成】世界に被爆の実相を伝えてきた日本原水爆被害者団体協議会(被団協)へのノーベル平和賞の授賞式が10日、ノルウェーの首都オスロで開かれた。
10日午後1時(日本時間同9時)からオスロ市庁舎で開かれた授賞式では、被団協を代表して代表委員の田中熙巳(てるみ)さん(92)、田中重光さん(84)、箕牧智之(みまき・としゆき)さん(82)の3人が登壇し、メダルと賞状を受け取った。
その後、田中熙巳さんが演説し、「核兵器は一発たりとも持ってはいけないというのが原爆被害者の心からの願いです」と述べた上で「人類が核兵器で自滅することのないように。核兵器も戦争もない世界の人間社会を求めて共に頑張りましょう」と訴えた。
また、ウクライナを侵略したロシアによる核威嚇などにも言及し、「市民の犠牲に加えて『核のタブー』が崩されようとしていることに限りない口惜しさと怒りを覚えます」と述べた。
また、被爆者らの高齢化を踏まえ「これからは私たちがやってきた運動を、次の世代のみなさんが工夫して築いていくことを期待しています」と呼びかけた。
授賞式には韓国とブラジルの在外被爆者を含む被爆者や被爆2世ら計30人が出席した。10日夜には晩餐会も催される。田中熙巳さんらは11日、ノルウェーのストーレ首相らと面会する。
被団協への賞金は1100万スウェーデンクローナ(約1億5千万円)。
被団協は広島、長崎への原爆投下の被害者でつくる全国組織として1956年に結成され、日本国内にとどまらず、世界各地で原爆の写真展開催や被爆者の証言活動などを展開してきた。
日本の個人や団体への平和賞の授与は、非核三原則などを理由に1974年に受賞した佐藤栄作元首相に次いで50年ぶり2例目。海外では「核兵器なき世界」を訴えたオバマ米大統領(当時)が2009年に受賞した。17年には非政府組織(NGO)「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)が受賞している。
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