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アルゼンチン大統領選、右派勝利なら親中から転換 19日決選投票

産経ニュース / 2023年11月17日 15時19分

【ニューヨーク=平田雄介】南米アルゼンチンは19日、大統領選の決選投票を行う。物価高や通貨安がもたらす経済的混乱への対策が争点。貧困層の生活改善を重視する与党連合の左派セルヒオ・マサ経済相(51)と、大幅な歳出削減を訴える経済学者の右派ハビエル・ミレイ下院議員(53)が競り合う。ミレイ氏は現政権の親中姿勢を見直す考えで、勝利した場合は外交方針が大きく変わる可能性がある。

大統領選は現職の左派フェルナンデス氏の任期満了に伴うもの。フェルナンデス氏は経済危機が原因で世論調査の支持率が低迷。与党内でも再選への賛同が広がらず、出馬を断念した。

10月の第1回投票の得票率はマサ氏が36%、ミレイ氏は29%だった。3位で敗退した野党連合の右派候補を支持した23%の有権者の動向が、決選投票の行方を左右するとみられる。最近の世論調査では、マサ氏とミレイ氏の支持率は頻繁に入れ替わる大接戦が続いている。

アルゼンチンの10月の消費者物価指数は前年同月比142%上昇。現地からの報道によると、首都ブエノスアイレスではトマト1キロの値段が1週間で2倍になり、通貨ペソの下落により安定した米ドルが流通。法定通貨のドル化や中央銀行の廃止を唱えるミレイ氏の主張が受け入れられやすい土壌が生まれたという。

マサ氏は、ミレイ氏の提案が「経済をさらに混乱させる」と批判。日本の消費税に相当する付加価値税の減税などを公約に掲げる。

ただ、現職閣僚として経済政策に責任を負うマサ氏に対する批判は根強い。新興政党を率い、「小さな政府」を志向するリバタリアン(自由至上主義者)のミレイ氏が台頭する要因となっている。

ミレイ氏は「自由」を重んじる立場から、外交方針でも強権体制を敷く中国やロシア、北朝鮮、キューバなどを非難する。当選した場合は新興5カ国の枠組みBRICSへの新規加盟の方針を撤回し、米国との関係を強化したい考えだ。BRICSは8月に加盟国数の拡大を決定。新規の参加国にアルゼンチンが入っていた。

他方、マサ氏は現政権の方針を受け継ぎ、中国との関係を重視、BRICSへの新規加盟も進める方針。債務危機を回避するための国際通貨基金(IMF)との交渉でも、引き続き中国に仲介を頼むとみられ、対中依存は深まる方向だ。

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