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イスラエル軍がアルジャジーラの支局を閉鎖、活動休止を命ず 支局長「出ていく気はない」

産経ニュース / 2024年9月26日 21時25分

イスラエル軍が閉鎖したアルジャジーラの支局。鉄の扉で封鎖され、押収品などを記した紙が貼られていた=22日、ラマラ市街(佐藤貴生撮影)

【ラマラ=佐藤貴生】パレスチナ自治区ガザなどで戦闘を続けるイスラエル軍は9月下旬、ヨルダン川西岸の自治区ラマラにある衛星テレビ局、アルジャジーラの支局を45日間閉鎖するとし、活動禁止を命じた。ワリード・オマリー支局長(67)は25日、産経新聞の取材に応じ、「私たちに事実を伝えさせたくないのだ」などと述べてイスラエルを批判した。

ラマラ中心部のビル8階にある支局にイスラエル軍の多数の兵士が来たのは、22日未明だった。うち1人がオマリー氏に示した命令書には「テロ活動を支援しているため、閉鎖する」と書かれていた。欧米メディアによると、イスラエルのカルイ通信相はアルジャジーラをイスラム原理主義組織ハマスなどの「代弁者」だと述べたが、同支局は「無関係だ」と反論した。

オマリー氏とスタッフは兵士とのやり取りをライブ放映した後、建物外に出るよう命じられた。兵士が数時間にわたり室内を捜索し撤収した後、支局に戻ったところ、鉄の扉で入り口が封鎖され、パソコンやカメラなど押収品を記した紙が扉に貼ってあった。

西岸はイスラエル軍とパレスチナ自治政府の権限が地域により異なる。支局がある地区は自治政府が治安、行政の全権を持つ「A地域」で、本来ならイスラエル軍の権限は及ばない。オマリー氏は「西岸の全域はイスラエル軍が支配している。自治政府は私たちを守ることもできない。これが現実だ」と話した。

カタール政府などが1996年に設立したアルジャジーラは、昨年10月に始まったガザの戦闘を現地から詳細に報じてきた。今年5月にはエルサレムで、イスラエル国内の動向を伝えてきた支局が同国政府に閉鎖された。45日間ずつ閉鎖期間が延長され、現在も活動は禁止されたままだ。

戦闘開始からの約1年で、ガザではイスラエル軍の攻撃で170人超のジャーナリストが命を落とした。うち4人は自局の仲間だったというオマリー氏は「私たちはイスラエル、西岸、ガザでフリーランスを雇いながら仕事を続ける。出ていく気はない」と怒りを抑えながら話した。

イスラエル軍による支局の閉鎖については米国務省も23日、「報道の自由を支持する米国の姿勢と一致しない」として懸念を表明している。

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