「開脚」の前に「前屈」を 手軽に柔軟性高め正しい姿勢に

産経ニュース / 2017年6月20日 9時42分

(産経新聞)

 体の柔軟性を高める体操が注目されている。軟らかい体は正しい姿勢を保ちやすく、つまずきや転倒の予防にもなる。昨年は、両脚を180度開く方法を記した解説書が100万部を超えるベストセラーに。今春は「前屈」の指南本が相次いで登場するなど、柔軟ブームが広がっている。手軽な前屈により得られる“効能”を聞いた。(村島有紀)

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 「体が硬くなると猫背になりやすく呼吸も浅くなるので、体にも脳にもよくない。前屈ができる軟らかい体は、正しく筋トレができる土台になる」と前屈の大切さを話すのは、今年4月に『どんな人でも、ペタッと前屈!』(永岡書店・1200円+税)を出したパーソナルトレーナー、谷けいじさん(31)。

 谷さんは元体操選手。五輪出場を目指したが、高校生のころ、椎間板ヘルニアによる腰痛に悩み、選手生活を一時断念しかけた。大学で科学的なトレーニング方法などを学び、介護関連施設でリハビリや運動機能の回復に携わった。

 昨年4月には、ヨガインストラクター、Eikoさんの『どんなに体がかたい人でもベターッと開脚できるようになるすごい方法』(サンマーク出版・1300円+税)がベストセラーになった。一方、谷さんは「開脚はすばらしいエクササイズだが、お年寄りや体の弱った人には強度が強すぎる」と指摘。「開脚は太ももの内側(内転筋群)と裏側の筋肉(ハムストリングス)の両方の筋肉が伸びないとできない。まずは、前屈で裏ももの筋肉を軟らかくしたうえで開脚に取り組んだほうがいい」

 ◆けがもしにくく

 前屈により主に動く筋肉は(1)背中の両側を走る脊柱起立筋(2)肩甲骨の下に広がる広背筋(こうはいきん)(3)大腿(だいたい)骨と骨盤につながる大殿(だいでん)筋(4)ハムストリングス(5)ふくらはぎにあるひらめ筋とひふく筋-など。骨盤と肩甲骨の動きは連動していることから、特に(3)と(4)を軟らかくすることで、骨盤が自然に前傾し、肩甲骨の動きもよくなり、正しい姿勢を保ちやすくなるという。

 「お尻と太もも裏の筋肉の柔軟性が高まることで体のふらつきが減り、脚は上がりやすくなる。その結果、段差につまずいたり転んだりすることも少なくなる。前屈ができる軟らかい体になると、けがもしにくくなる」と谷さんは話す。

 ◆強度より頻度

 前屈力を高めるには、(1)「筋肉をほぐす」(マッサージ)(2)「筋肉を伸ばす」(ストレッチ)(3)「筋肉を鍛える」(筋トレ)-の順に行うこと。

 例えば、ストレッチを始める前には、足の指や足裏、ひざ裏などを軽くマッサージし、筋肉の緊張をほぐす。また、お勧めは肩の力を抜いて、背筋を伸ばして立ち、爪先をつけたままかかとを浮かす「爪先ジャンプ」など。

 前屈で「手が太ももにつく」程度の体の硬い人は、すねやふくらはぎの筋肉を軟らかくするために足首回し、アキレス腱(けん)伸ばし、正座前屈などから始めることを勧める。重要なのは回数ではなく、背中を丸めずに行うなどフォームを大切にすること。

 「筋トレは強度、柔軟は頻度が大切。背中を押してもらって無理に前屈したりすると、限界可動域を越えて筋肉を傷める可能性もあるので、気持ちいいと感じる程度で止めてください」とアドバイスする。

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