電球交換・ゴミ出し・団地住民に特化したコンビニ…シニア向けサービス続々

産経ニュース / 2017年10月13日 11時47分

シーリング(天井面)照明の付け替え作業をするコジマのスタッフ(産経新聞)

 電球の交換や粗大ゴミを出すなど、シニア世代のちょっとした困りごとに対応したサービスを有料で提供する企業が増えている。シニア世代の暮らしをサポートすることで、店舗での売り上げ増などにつなげる狙いもあるようだ。(平沢裕子)

 外見は普通のセブン-イレブン

 東京都東村山市のUR(都市再生機構)団地「グリーンタウン美住一番街」(総戸数945戸)の一角に4月、コンビニエンスストア、セブン-イレブンがオープンした。UR子会社の日本総合住生活(JS)が運営する「団地特化型コンビニ」の1号店だ。

 平成27年の国勢調査で、65歳以上の人が総人口に占める高齢化率は26・7%だが、UR居住者では34・8%に達している。同団地周辺には徒歩10分圏内にスーパーや別のコンビニがあるが、そこまで出向くのが難しい高齢者もいる。また、重いものは近くで買いたいというニーズは多い。

 同店舗は約3年前に閉店した別のコンビニを居抜きで利用。外見は普通のセブン-イレブンだが、店内は通常、雑誌が置かれる窓際にトイレットペーパーや洗剤などの日用品が並ぶ。奥には生鮮野菜や米などが、一般のスーパーと同じような価格で売られている。

 住民サービスの窓口にも

 同店が一般のコンビニと違うのは「品ぞろえ」だけではない。ここは団地内の住民サービスの窓口機能も担っている。

 粗大ゴミの搬出や水道トラブル、カギの紛失への対処などJSが手掛ける団地管理業務の橋渡し役となっている。同団地のそばに約40年前から住む男性(79)は、「このコンビニは安いし何でもそろうから毎日利用している。ずっとやってほしいから、知り合いにもここを利用するように勧めている」と話す。

 JS事業企画課長の湖海道紀さんは「シニア世代だけでなく、さまざまな住民の利便性を考えたサービスの提供で、団地の活性化につなげたい」とする。URは同様のコンビニを全国の約100団地に出店させる予定だ。

 “町の電気屋さん”化するコジマ

 一方、家電量販店のコジマは昨年10月から、販売員が顧客の自宅に商品を直接届け、有料で家電製品に関する相談に応じたり、電球交換したりするサービス「コジマくらし応援便」を始めた。かつての“町の電気屋さん”のようなサービスだが、「(購入した)パソコンやテレビの使い方が分からなかったので助かった」などと好評だ。現在はシニア層が多い郊外地域など30店以上で展開している。ビックカメラグループ広報・IR部は「地域密着型の店舗の強みをより生かせるサービス。高齢化による家電関連の困りごとの解決策を提供したかった」と説明する。

 これまでで最も要望が多かったのが、照明の取り付けサービス(有料)。脚立などが必要で、シニア世代では危険も伴うことから頼む人が多いようだ。応援便サービスの導入で、既存店の客数も増加傾向という。

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 進む高齢化、買い物困難も

 内閣府が5年ごとに実施する「高齢者の日常生活に関する意識調査」によると、1〜2時間の散歩など適度な活動を難しいと感じる人は、前回(平成21年度)の17.1%から26年度は24.2%と7.1ポイント、買い物袋など少し重い物を持ち上げたり運んだりすることを難しいと感じる人は、24%から31.8%と7.8ポイントそれぞれ増加。また、食生活についての質問では、「近くに食料品を売る店がない」が5.9%から7.2%に、「体が衰えて買い物に行きづらい」が3.1%から6.6%に増加していた。

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