千葉県成田市のゆるキャラ「うなりくん」 「2位じゃダメなんですか? ダメなんです!」 10月まではネット投票1位 千葉県初のゆるキャラGP制覇へ猛アピール

産経ニュース / 2017年11月9日 11時7分

懸命に“支持”を訴える「うなりくん」。子供たちにも大人気だ=5日、千葉県成田市公津の杜(城之内和義撮影)

 全国のキャラクターが人気を競う「ゆるキャラグランプリ(GP)2017」に出場している千葉県成田市の観光キャラクター「うなりくん」が、千葉県勢初となる悲願の日本一を目前にしている。GPを獲得すれば大きな経済波及効果をもたらすとされるビッグタイトルだけに、投票締め切りを目前に市関係者はアピールに力を注ぐ。

 10月31日まで1位だったが…

 ゆるキャラGPは10日までインターネットでの投票が行われている。成田市観光プロモーション課によると、うなりくんは10月30日まで暫定1位だったが、翌31日に愛知県知立市の「ちりゅっぴ」に追い抜かれたという。今回はこの2体が3位以下を大きく引き離し事実上のマッチレース。投票期限が近づいた現在、公式サイトでは順位と得票数が伏せられている。

 「2位じゃダメなんですか? ダメなんです!」。ネット投票期間の“ラストサンデー”となった5日、成田市内のショッピングセンターで開かれた防災関係のイベントであいさつに立った小泉一成市長は、うなりくんへの投票を来場者に呼びかけた。会場には「必勝」の鉢巻きを締めたうなりくんも駆けつけた。

 今回の“出馬”に向けて市は9月に「選挙対策本部」を立ち上げ、小泉市長が本部長に就任。市長自ら企業回りやイベントの場でアピールを積み重ねるなど、必勝態勢を敷いた。

 市によると、投票は1つのメールアドレスにつき1日1回できるため、市職員も複数のアドレスを取得して業務時間外に投票するなど、なりふり構わぬ作戦を展開。「投票方法が分からない」という市民の声を受けて、投票に必要なID登録の手順などを記した名刺を作りイベントで配るといった熱の入れようだ。

 ネット投票は10日午後6時まで行われ、18、19両日に三重県桑名市で開催されるイベントで来場者による決選投票(現地投票)を経て最終順位が決まる。ライバル「ちりゅっぴ」は愛知県知立市のマスコットキャラで、決選投票の会場に近い地の利がある。成田市の担当者は「近年は開催地に近いキャラが決選投票で逆転するケースが続いた。うなりくんは圧倒的に不利。ネット投票で少しでも差を広げておきたい」と話す。

 成田市職員が決選会場で「最後のお願い」も予定

 うなりくんは平成22年の第1回GPから毎年出場。初回は8位と健闘したが、ここ数年は20位前後をさまよっている。市は今回が最大のチャンスととらえ、初めて決選投票会場に乗り込んで「最後のお願い」をする予定という。

 成田市がここまで力を入れる背景には、ゆるキャラGPがもたらすメリットがある。ちばぎん総合研究所の五木田広輝研究員は「GP受賞となれば、市の認知度アップや人気が証明されたということで関連のグッズ販売などに波及効果がある。地元の住民にすれば、全国に認められたものがあるというのは愛着や誇りにもつながる」と効果を分析する。

 23年に優勝した熊本県の「くまモン」は、日本銀行熊本支店の試算で、その後2年間に1244億円の経済波及効果をもたらしたとされる。その後に優勝した群馬県の「ぐんまちゃん」や栃木県佐野市の「さのまる」による経済効果も年間数百億円の規模となった。

 ブランド化に成功すれば一定の経済波及効果が見込める一方で、成功例ばかりではなく、地域の取り組み次第で経済効果には濃淡が出るのも事実だ。

 五木田氏は「優勝はあくまで通過点。人気の土台となる地元との関係をきちんと作ることが重要。そういった意識付けができた上で、キャラクターが継続してPRなどで貢献できないと意味がない」とも指摘している。(城之内和義、永田岳彦)

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