令和4年度から成人18歳に引き下げ どうなる「成人式」

産経ニュース / 2020年1月12日 17時17分

 18歳で行うべきか、20歳で行うべきか-。成人式のあり方をめぐって、自治体が揺れている。令和4年4月からの民法改正で、成人年齢が20歳から18歳に引き下げられるためだ。実際に問題に直面するのは主に3年後、令和5年1月の成人式からだが、18歳は大学受験や就職で忙しいことなどから、早々に「これまで通り20歳で行う」と表明する自治体が相次ぎ、これに対して異論も出ている。13日は成人の日。新成人や将来の新成人たちは、どう考えているのか。(大渡美咲)

 「二十歳(はたち)という年齢は人生の重要な節目の一つであることに変わりはなく、20歳の皆さんを対象に式典を継続することとした」。昨年11月、仙台市の郡和子市長は、成人年齢が18歳に引き下げられる4年度以降も20歳での成人式を続けることを表明した。

 成人式は主に自治体が開催。対象者を20歳にするか、18歳にするか判断は自治体に委ねられている。ほかに東京都町田市や八王子市、群馬県高崎市、京都市なども「20歳成人式」の継続を打ち出している。

 「20歳成人式」継続を望む声は大きいが、背景にあるのは、18歳の置かれた現状。受験や就職で忙しく、それに伴い家庭の出費も重なる。その上、成人式での振り袖やスーツを用意するのは負担がさらに増える。

 全国の呉服小売店などが加盟する「日本きもの連盟」も20歳の成人式の継続を各自治体などに要望。奥山功会長は「着物は日本人のアイデンティティーとなる大切な衣服。生活環境を考えると高校生で行うのは難しく、衰退につながる」と話す。

 実際に成人式に臨む側はどう考えるのか。日本財団が平成30年12月に全国の17~19歳の男女を対象にした意識調査によると、74%が20歳での成人式を望んだ。

 20歳と希望した理由で最も多かったのは、「受験に重なる時期だから/受験直前の時期だから」(62・8%)。「(進学のため)金銭的に余裕がない時期だから」も33・6%を占めた。

 成人年齢の18歳引き下げといっても、飲酒・喫煙はこれまで通り20歳まで許されない。そのためか意識調査では、「成人式に合わせてお酒を飲んだりたばこを吸ったりできないから」との理由から、20歳を望む声も38・2%に達した。

 成人式の起源は、昭和21年に埼玉県蕨市で若者を励ますために開かれた「青年祭」だとされる。その後の24年に1月15日が「成人の日」と制定され、全国に広がったという。最近では成人式参加率の低下も指摘されるが、自治体によって18歳か、20歳かバラバラになれば、成人式の意味も曖昧になり、さらに“成人式離れ”が進みかねない。

 若者の社会参加を研究する元上智大教授の田中治彦氏は「成人式は民俗学的には大人への移行を祝う通過儀礼の一種。20歳は法的根拠もなく、ギャンブルや酒の解禁を祝うだけになれば成人式自体が形骸化してしまう」と指摘。「18歳は高校卒業など人生の転機にも当たるため、成人式を18歳で行うように統一すべきで、受験と重なるならば春などにずらすなど工夫ができる」と話した。

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