田口八重子さん拉致から40年…兄の飯塚繁雄さん「今年こそ最後」の悲壮な決意

産経ニュース / 2018年1月13日 20時59分

田口八重子さんのパネル(右端)を前に拉致問題解決にかける決意を語った家族会代表の飯塚繁雄さん=13日午後、埼玉県川口市

 北朝鮮に拉致されて今年で40年となる田口八重子さん(62)=拉致当時(22)=の兄で、家族会代表の飯塚繁雄さん(79)が13日、八重子さんの出身地の埼玉県川口市で開かれた集会で講演し「今年は救出を実現する『本当に最後の年』という決意だ」と、悲壮な思いを語った。

 「もう訴える言葉がなくなりました」。講演の冒頭、繁雄さんは悲しげに話した。家族会は昨年の運動方針で「今年中の全被害者の救出」を政府に求めた。家族が老いや病に直面し、時間的猶予がない中、強い決意で「今年中」と初めて期限を区切ったが、願いは結実せず1年が過ぎた。

 今年6月には、八重子さん拉致から40年が経過してしまう。過酷な環境の北朝鮮で救いを待つ被害者の健康を心配する一方、繁雄さん自身も昨年、体調を崩し倒れた。被害者家族の死去も相次ぐ中で「被害者を待つ家族がいなくなってしまう」と焦りをにじませる。

 繁雄さんは昨年、米国のトランプ大統領が国連で北朝鮮の拉致を指弾し、訪日時に家族会と面会したことについて「解決の機運が増している」と評価しつつも、「『雰囲気』にほっとしている猶予はない」と語気を強める。

 ともに講演した八重子さんの長男、飯塚耕一郎さん(40)は、療養中の繁雄さんの様子について「初めて弱音を吐く姿を見た」と明かした。「家族が健康なうちに被害者が帰国するのが真の解決。実現できる猶予は今年しかない」。耕一郎さんは、こう語った。

 繁雄さんは、拉致の事実を知りながら、北朝鮮との関係悪化や困難な対応を恐れ放置した“不作為”が、問題を長期化させたと断じる。「日本自らが具体的成果につなげるべく動いてほしい」。繁雄さんは強いまなざしで政府や政治家の“本気度”を切望しつつ、改めて「今年中の解決」を訴えた。(中村昌史)

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