【イラン核】イラン、米の孤立化狙い欧州との連携強化か 核合意破棄ちらつかせるトランプ政権

産経ニュース / 2018年1月14日 7時54分

イラン核問題をめぐる経過

 【カイロ=佐藤貴生】トランプ米政権が核合意をめぐりイランに対する厳しい姿勢を強めたことで、イランは今後、北朝鮮の核・ミサイル開発への国際社会の対応も考慮に入れ、米側と隔たりがある欧州との連携を強化するとみられる。

 ザリフ外相は11日、核合意の維持で一致している英仏独3カ国の外相らとブリュッセルで会談、連帯する姿勢をアピールした。欧州連合(EU)のモゲリーニ外交安全保障上級代表は、国際原子力機関(IAEA)が9回にわたり、イランは合意内容を順守しているとの報告書を出したとし、「合意は機能している」と述べた。

 核・ミサイル開発を続ける北朝鮮に対し、欧米はほぼ同じ立場で非難しているにもかかわらず、決定打に欠けているのが現状だ。イランはこうした状況もみながら欧州を自らに引きつけ、米国を孤立させるよう努めると思われる。

 ザリフ氏は核合意の再交渉は不可能だと明言している。英BBC放送(電子版)は、米国がイラン核合意に関連して次に判断を示す5月までの間に「国際協定が交渉できるかは疑わしい」との見方を示した。イラン側は今後、米国がどのような態度に出るかを真剣に検討するものとみられる。

 米側は今回、イランのイスラム教シーア派最高指導者ハメネイ師に近いとされるサデク・ラリジャニ司法府代表らを制裁対象に追加した。政府中枢に制裁の網を広げつつあるが、長年にわたり人権問題などで欧米の制裁を受けてきたイラン側に、どれほど打撃を与えうるかは不透明だ。

 イランでは昨年から今年にかけ、全土で大規模な反政府デモが起きたが、民衆の間でも核合意破棄をちらつかせるトランプ政権への反感は強いといわれる。今回の制裁が国内の反米感情を一層高める方向に作用する可能性もある。

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