サッカー日本代表前監督・西野氏、中国に辛口エール 「成長していない」

産経ニュース / 2019年1月12日 22時49分

12日、中国・北京の清華大で講演した西野朗サッカー日本代表前監督(西見由章撮影)

 サッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会で日本代表を率いた西野朗前監督が12日、北京の清華大で講演した。中国の代表チームについて「全然成長していないと感じている。中国のサッカー界がアジアを牽引するぐらいにならないと、アジアのレベルは上がらない」と辛口のエールを送った。

 西野氏は「中国スーパーリーグに(海外から)素晴らしい選手がたくさん来ているが、代表チームは成果が上がらず、リンクしていない」と指摘。「選手も指導者も全く育っていないのではないか」と直言し、「(中国の)マスメディアが厳しくないのでは」とも問いかけた。

 司会を務めた中国国営中央テレビのサッカー解説者、劉嘉遠氏は競技人口の少なさに言及。「サッカースクールなどは増えているが、青少年向けの熟練したコーチが40万人不足している」と説明した。

 西野氏は「トップチームがすぐに強くなる国はどこにもない」として、中国のサッカー界の発展には裾野の拡大と選手育成の体系化が必要だと提言した。

 一方、W杯決勝トーナメント1回戦で強豪ベルギーに後半途中まで2対0とリードしながら逆転負けを喫した試合について問われ、「戦術的な采配によっては、われわれが行ったことのない世界に行ける瞬間だった」と悔しさを吐露。「攻めるのか守るのか中途半端な状況でやられた。なぜもっと強気なメッセージを出さなかったのか、今でも自問自答する」と語った。

 また、現在アジア・カップを戦う日本代表の森保一監督について「W杯の取り組みを継承している部分もあるしオリジナルをたくさん出している部分もある。監督もチームも自信に満ちており、全体がいい形になっている」と評価した。

 講演後、中国のクラブチームへの関心について記者団から問われると、「もちろん興味はあるし、すべての選択肢を持ちたい。ビジョンや哲学がクラブと合致して仕事ができるならば、中国に限らず考えたい」と述べ、今後もチームの指揮をとることに意欲を示した。

 西野氏は「日中青少年交流推進年」事業の一環で中国を訪問。11日には中国スーパーリーグに所属する北京国安のユースチームの練習を視察した。(北京 西見由章)

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