【森友学園捜索】籠池前理事長の自宅にも…「金は天から回ってくる」強気発言も当初から資金難か

産経ニュース / 2017年6月19日 21時57分

森友学園前理事長の籠池泰典氏=4月28日、東京・永田町(斎藤良雄撮影)(産経新聞)

 国有地の格安払い下げに始まり、数々の疑惑が指摘されてきた学校法人「森友学園」に対し、大阪地検特捜部が19日、国や大阪府の補助金を不正受給した容疑で強制捜査に乗り出した。安倍昭恵首相夫人が学園と交流があったことから、野党が激しく追及した森友問題。籠池(かごいけ)泰典前理事長(64)も昭恵夫人や国側の関与をうかがわせるような“暴露話”を次々とぶち上げ「籠池劇場」として全国的な騒動になった。特捜部は今後、学園に集まった公金の流れとともに、籠池氏らの関与について捜査を加速させるとみられる。

 学園が経営する塚本幼稚園(大阪市淀川区)には19日午後7時すぎ、段ボールを手にした地検の係官ら約15人が捜索に入った。籠池氏の自宅にも午後9時前、係官らが到着。インターホンを鳴らすと、籠池氏の妻、諄子(じゅんこ)氏が姿を見せ、係官の説明にうなずきながら「はい、分かりました。どうぞ」と頭を下げて自宅内に通した。

「タダでやりなさい」業者に要求も

 「せっかくいい幼稚園に入れたなら、いい小学校に入れないと公立学校でごった煮状態」

 教育勅語(ちょくご)に基づいた教育理念を幼稚園児だけでなく幼小一貫で広げていく。それが籠池氏の悲願だった。

 具体的に動き出したのは平成25年ごろから。当初から付きまとったのが資金繰りの問題だ。表向きは「金は天から回ってくる」と動じないそぶりを見せていたというが、学園の元関係者は「『天皇陛下を出迎えるような学校なんだから箔(はく)がつく。タダでやりなさい』と要求された業者もいた」と証言する。

 これまで報道された学園をめぐる問題も、金に絡むものばかりだ。最初に大きく取り上げられたのが、捜索容疑にもなった校舎建設に対する国の補助金だ。実際の工事費よりも過大な額を国に報告し、上限額を引き出したと指摘された。

「鉛筆ナメナメ…それぐらいいいのでは」

 「確かに補助金については鉛筆をナメナメはした。しかしそれは安倍総理の給料にも到底及ばない。なぜそれがいけないのですか。日本のためにがんばっているのだから、それぐらいいいのでは?」

 3月に行われた幼稚園の卒園式で、諄子氏は園児や保護者を前にこうぶちまけたという。出席者によれば「園長(籠池氏)はブタ箱(刑務所の俗語)に入る」との自虐的な発言もあった。

 民間信用調査機関によると、28年3月期の学園の総資産は約11億6千万円。一方、小学校建設を請け負った藤原工業(大阪府吹田市)が主張している工事代金は「15億5520万円」に上っていた。小学校経営が軌道に乗らない限り、とても返済できない過大なものだった。

 国や大阪府の補助金不正も、小学校建設に伴う資金不足が背景にあった疑いがある。いずれの補助金申請も籠池氏が担当しており、特捜部は経緯の解明を目指す。

「責任を果たして」塚本幼稚園の元保護者、語気強め

 「本当に幼稚園を守りたいなら、全てを明らかにして、責任を果たしてほしい」。騒動が拡大するまで塚本幼稚園に子供を通わせていた保護者の女性は、籠池前理事長や諄子氏らの責任に言及。捜査に積極的に協力すべきだ、と語気を強めた。

 捜索容疑となった公金詐欺では、障害などで特別な支援が必要な「要支援児」に対する大阪府の補助金を学園が不正に受け取った疑いが指摘されている。この点について女性は「私が知る限り、特別な支援を受けていた園児はいない。サポートする職員も見たことがない」と振り返った。

 子供は別の幼稚園に転園させたが、新しい環境になじめず、今でも「塚本に戻りたい」とだだをこねる。女性は「子供も親も、いまだに苦しんでいる」と話した。

 一方、学園を詐欺罪で告発した塚本幼稚園の前PTA会長、図越寛さん(36)は「私の娘の診断書が悪用され、補助金詐取に利用された。事件の全容解明を期待したい」と語った。

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