滋賀・近江八幡市長選、小西氏初当選 「白紙」意向の「90億円庁舎」、損害賠償など難問も

産経ニュース / 2018年4月17日 8時42分

新庁舎の建設に向けた工事が進む近江八幡市役所

 任期満了に伴う滋賀県近江八幡市長選で初当選した元衆院議員で無所属の小西理氏(59)が16日、市役所で当選証書付与式に臨んだ。小西氏は、すでに着工している約90億円の市役所新庁舎整備の中止を掲げ、計画を「白紙」にする意向を明らかにしている。中止後に予想される損害賠償金の支払いや、現計画に変わる新たな計画案の策定、野党議員が大半を占める議会対応など、今後の舵取りには難題も待ち構える。

 「小さな庁舎、大きな福祉。市民の思いを受け、現在の庁舎整備を止める」。安川正樹・選管委員長から当選証書を受け取った小西氏は、新庁舎整備を白紙に戻す考えを改めて述べた。

 新庁舎をめぐっては、計画が具体化したここ数年で市を二分する議論が交わされてきた。平成29年、市民団体が「同規模の他の自治体と比べて建設費が異常に高い」などと整備計画の是非を問う住民投票条例の制定を求め、8118人の署名を集めた。

 条例案は議会で否決されたが、小西氏は現計画に代わる新たな整備計画案を発表。現庁舎の耐震工事(約5億円)▽新庁舎建設費(約32億円)▽賠償金(約10億円)-など、計約50億円で現計画よりも小規模な庁舎の建設が可能と主張し、選挙戦を展開。公約の実現を目指す。

 ただ、多くの課題も立ちはだかる。発注工事を取り消した場合、契約上、損害賠償金の支払いが求められる。市は対応の検討を始めたが、管財契約課は「市の都合で解約した契約は、近年例にない。必要な作業をこれから調査する」と白紙の状態だ。担当者は「業者と協議しなければ、損害賠償額は分からない」とする。

 また、小西氏が掲げた現計画に代わる新しい整備計画について「算定根拠が分からず、本当に50億円で収まるのか分からない」(関係者)との声もあがる。

 現計画を可決した議会の対応も焦点だ。現職の冨士谷英正氏(71)を推薦した自民、公明系が18議席を占める議会(24議席)への説明も立ちはだかる。自民系の議員の1人は「民意を踏まえて頭ごなしに否定する気はない」としながらも「本当に今からコスト安で対応できるのか、現実的な議論をしていきたい」と話す。

 庁舎の建設工事を進める重機の音が響くなか、当選証書を受け取った小西氏は「一刻も早く工事を中止できるよう、最優先で努めたい」と意気込んだ。

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