協力金なし「不公平だ」 嘆く劇場 7府県に再発令

産経ニュース / 2021年1月13日 20時57分

 大阪や兵庫など7府県が13日、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言の対象に追加された。営業時間の短縮や外出自粛、テレワークの徹底。同宣言は痛みや規制を伴いながら、各方面に多大な影響を及ぼす。一方、飲食店などとは異なり、協力金なしで時短への協力を求められた業界もある。「不平等だ」「不要不急とされれば仕方ない」。関係者に疑問とあきらめが交錯した。

 「飲食店が補償されるのは仕方がない。だが、映画館に何かしらの支援がないのは不平等だと感じてしまう」

 大阪市淀川区の映画館「第七藝術劇場」の小坂誠支配人(33)は嘆く。同館は16日から、午後8時以降の上映を自粛する方針という。

「協力依頼」の対象

 今回の宣言で映画館や劇場などは、特措法に基づく要請ではない「協力依頼」の対象となった。営業時間を午後8時までとするよう協力を呼び掛ける一方、飲食店などとは異なり、協力金は支給されない。

 小坂さんは「感染拡大防止のため依頼に応じようと思うが、営業は苦しい部分がある。正直つらい」と明かす。

 昨春の宣言時には約1カ月半にわたり休館。その後は上映時の定員数を減らして営業を継続しているが、売り上げは大きく減っている。今後も消毒などに細心の注意を払いながら、時短営業で対応していく考えだ。

 「まずはコロナの感染を止めないことには営業が安定しない」。小坂さんはこう受け止める一方、「行政のやり方に疑問を感じる部分はある。それでも踏ん張ってやっていきたい」と話した。

公演時間短縮も

 「これだけ対策をして、時短もするのに協力金はない。不要不急といわれてしまえば仕方がないのかもしれないが…」。大阪市浪速区の繁華街「新世界」にある大衆演劇場「朝日劇場」の橋本美奈子代表がつぶやいた。

 同劇場も昨春は休業を余儀なくされた。営業再開後は約200人の定員を半分に制限したり、換気や消毒などを徹底。それでも観客は激減し、20人に届かない日も出ている。

 2度目の緊急事態宣言を受け、14日からは公演時間を約30分間短縮し、夜の部の終了時間は午後8時とする。「市民が気軽に楽しめる芸能として大事にしてきた文化。やめるわけにはいかない」。橋本さんが力を込めた。

 大阪市北区の寄席「天満天神繁昌亭(はんじょうてい)」も、夜の公演の時短に応じる予定。担当者は「協力するのは当然」としながらも、「補償がないのは厳しい面がある。寄席に向けて、準備を重ねている出演者のことを思うとつらい」とこぼした。

 吉本興業は7日に首都圏の1都3県を対象に緊急事態宣言が出たことを受け、なんばグランド花月(NGK、大阪市中央区)など全国14カ所の直営劇場などで、終演時間が午後8時を超える公演、主催ライブをすでに中止としている。

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