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九州の大学生が国会前デモとマスコミについて考えてみた

政治山 / 2015年9月8日 15時0分

安全保障関連法案(安保法案)の議論が国会で行われる中、安保法案に反対する学生団体SEALDs(シールズ)などによる呼びかけで、国会前の抗議デモが過熱しています。また、ハンガーストライキ(ハンスト)を行う学生も現れたりと、若者による抗議活動が連日続けられています。そこで今回は、若者の若者による若者のための政治メディア「Vote→Japan」でライターとして活動している九州大学4年の平野賢正さんに、同年代の立場から、安保法案反対派のデモをどう見ているのかお話を伺いました。

Vote→Japanへの参画は若者の政治に対する関心を高めるため

――いつごろから政治に興味を持ち始めましたか。

「以前から、様々な意見が飛び交う議論というものが好きでしたが、大学生になってからは、沖縄の基地移設問題や、安保法案、大阪都構想などの政治課題に興味を持つようになり、何が争点になっているのか注視するようになりました。また、若者の政治に対する関心が低いと言われることに疑問を抱き、自分ももっと政治について知っていこうと思いました」

――Vote→Japanに参画したのはなぜですか。

「国会前のデモに限らず、多くの議論において、その論点や争点が国民にきちんと理解されていないと感じていましたが、特に同年代の人たちに正しい情報が伝わっていないのではないかと感じていました。そこで、Vote→Japanに参画し、多くの若者に正しい情報を伝えることで、政治について考えるキッカケを与えるこができるのではと考えました」

国会前の抗議活動について考える

――SEALDsや学生ハンスト実行委員会についてどう思いますか。

「SEALDsの行動力、発信力は凄まじいものがあります。短期間で、国会前にあれだけの人を集めるのは容易ではありません。ただ、『戦争をしたくない、戦争に加担したくない』という思いは、賛成派反対派に限らず全国民に共通している意識だと思います。それを安倍首相は戦争に向かっているなどと広めるのは少しいかがなものかなと思います。もちろん、ほかの理由で反対している方も大勢いるとは思いますが、デモに参加するということは主張が同じとみなされても仕方がないのではないでしょうか」

「またハンストを行っていた学生たちですが、少なくとも私は命を交渉台に乗せる行為が素晴らしいものだとは思いません。ハンストのイメージが自分のこめかみに拳銃を当てながら、主張が通らなければ死ぬぞと、言ってるようなものに感じます」

――国会前で抗議活動することに効果はあると思いますか。

「学生のうちから、あれだけの熱量を持って主体的に動いていることは、同じ学生として素直に尊敬します。ただ一つ、彼らの言う『戦争法案』に対して国会前でデモをするより、政府が脅威としている国の大使館前、またはその国内でデモをしてみたらどうかと思っています。その国の脅威がなくなれば、安保法案をそもそも審議する必要はないのではないでしょうか」

マスコミの影響力と危険性

――メディアの報道についてどう考えていますか。

「特にテレビと新聞は国民を情報操作することも可能にしてしまうほど影響力があると思います。テレビや新聞の情報を鵜呑みにするのはとても危険なことだと感じていますが、インターネットの普及によって、テレビや新聞以外での情報収集が容易になりました。ネット上の情報にもソースが不明瞭であったり、全くのデマである情報も数多く存在することも確かですが、多くの情報に触れながら正しく判断していく力が必要だと思います」

「メディアが伝える記事は、目を引くような見出し、関心を持たせる文章を書くことは大事だと思います。さらに、記者も人間ですから、その人の感じ方や表現の仕方があるのも当然です。私が常日頃思っているのは、ドラマの最後に『この物語はフィクションです』と流すのと同様に、『この記事(報道)は、あくまで私たちが調べ上げた情報を元に作成しています。ぜひとも、その他のマスコミやネットなどを利用して、様々な意見に触れてみてください』のような文言を流すだけでも、ひとつの情報を鵜呑みにして間違った判断をするのは防げるのでないかということです」

「もちろん、私がこれまでに述べてきたことも、私自身の考えでしかありません(笑)。ですから、それが絶対に正しいとは思わずに、様々な情報に触れてほしいと思っています」

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