【私のクルマ遍歴】バイクにはまった青春時代。『GAG』『GF250S』と乗り継ぐうちに先進性と遊び心のあるスズキが大好きに……(前編)

サライ.jp / 2019年4月14日 11時0分

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取材・文/糸井賢一(いといけんいち)

ただの乗り物なのに、不思議と人の心を魅了する自動車とオートバイ。ここでは自動車やオートバイを溺愛することでオーナーさんの歩んだ、彩りある軌跡をご紹介します。

哲也さんの愛車は「元気の良いコンパクトハッチバック」として高い評価と人気を博す国産車。その出会いと物語は【後編】で語ります。

哲也さんの愛車は「元気の良いコンパクトハッチバック」として高い評価と人気を博す国産車。その出会いと物語は【後編】で語ります。

今回、お話をうかがったのは神奈川県にお住まいのマンガ家、田代哲也さん(49歳)です。高校生の頃から本格的にマンガを描きはじめ、少年誌に投稿した作品が受賞。現在はマンガ家として活動する傍ら、高等専修学校にてマンガ学科の講師も務められています。
小型オートバイ(ミニバイク)ブームが到来! クルマよりもオートバイに興味を抱いた少年時代
神奈川県南足柄市で産声をあげた哲也さん。クルマに興味を持った切っ掛けは、幼い頃に読んだ人気マンガ『サーキットの狼』からでした。一番、印象に残ったのは主役級のスーパーカーではなく、第二巻にて小さく描かれていたホンダの『シビック』。日東科学より発売されていた『サーキットの狼』シリーズのプラモデルを購入するなど「マンガに登場するクルマ」は好きだったものの、実車への興味はそれほど抱かなかったそうです。

哲也さんが中学校へと進学した頃、巷では小型オートバイ(ミニバイク)ブームが起こります。各メーカーはこぞって小型オートバイを発売。ブームは小型スクーターにまで広がり、老若男女問わず様々な人が小型オートバイやスクーターを購入し、乗り回していた時代でした。オートバイをテーマにしたコミック作品が連載され、またオートバイを扱ったテレビ番組も頻繁に放映される中にあって、哲也さんも自然とオートバイに興味を抱き、16歳で原動機付き自転車(原付)免許を取得します。

「免許を取っても、すぐに原付を買えるほどのお金はありませんでした。けれど兄がどこからかボロボロなホンダの『ラクーン』を探してくれ、5000円で売ってくれたんです。はじめての自分のバイクに乗った時はひとつの山を越えたような達成感があって、嬉しかったですね。当時の原付はヘルメット装着の義務がなかったので、風よけにサングラスをかけて乗っていました。今考えると悪目立ちしていましたね」

哲也さんの手で自家塗装されたラクーン。変速ギヤが付いていたため、ギヤを思いのまま操る楽しさや、変速の仕組みを知ることができました。

哲也さんの手で自家塗装されたラクーン。変速ギヤが付いていたため、ギヤを思いのまま操る楽しさや、変速の仕組みを知ることができました。

その後、ラクーンはお兄さんが買い戻し、事故でオートバイを失った友人に譲渡。しばらくの間、お兄さんの所有するホンダのスクーター『DJ・1』を共用で使用します。

高等学校に入学後、本格的にマンガを描きはじめる哲也さん。描き上がった作品を少年誌に投稿するや「新人賞部門」の佳作を受賞し、担当編集者がつきます。担当編集者がつくのは編集部より期待されている証。手応えをつかんだ哲也さんは「将来はマンガ家になるのだ」という気持ちを固めます。
マンガ研究会に入会したことが、スズキ好きの出発点
大学へ入学後、マンガ研究会に入会。使い勝手のいい原付を探していた哲也さんは、マンガ研究会に所属するスズキ好きの先輩より『GAG(ギャグ)』を購入します。GAGは最初にフルカウルを装着した原付であるところや、なにより遊び心のあるコンセプトと名称が気に入り、大学を卒業してからも乗り続けます。

スズキ好きの原点になったGAG。その名称は「ギャグマンガ」のギャグと同じもの。ギャグマンガ家を目指していた哲也さんにふさわしい一台でした。

スズキ好きの原点になったGAG。その名称は「ギャグマンガ」のギャグと同じもの。ギャグマンガ家を目指していた哲也さんにふさわしい一台でした。

学業とマンガの執筆活動の傍ら、哲也さんはアルバイトにも精を出します。18歳も半ばを過ぎた頃、目標だった普通自動車免許と普通自動二輪の免許を取得するだけの蓄えができたため、教習所に通います。

「引き続きバイトをしながら教習所に通ったので、取得までに半年かかってしまいました。欲しかったのは普通自動二輪免許ですが、先にクルマの免許を取っておけばバイク免許の教習料金を安くできますからね。まずは自動車免許、その後に普通自動二輪免許を取得しました」

【次ページに続きます】

オートバイ情報誌に掲載されていたスズキの『GF250S』を購入
クルマとオートバイの両免許を取得した後、哲也さんはオートバイの購入を検討します。この時、既に憧れているクルマはあったのですが、お金の蓄えや余裕の問題から購入を考えることはありませんでした。

オートバイ情報誌に掲載されていた「たいへん凝った造りなのにマイナーな1台」というコメントに惹かれ、スズキの『GF250S』に興味を抱いた哲也さん。実際にGF250Sを目の当たりにすると「不人気」と称されたスタイルも魅力的に見えたため、購入を決めます。

GF250Sのことを調べるうちにスズキのオートバイが持つ先進性に気が付き、哲也さんのスズキ好きが加速します。

GF250Sのことを調べるうちにスズキのオートバイが持つ先進性に気が付き、哲也さんのスズキ好きが加速します。

「スズキは世界で最初に、250ccの4ストローク水冷4気筒エンジンをバイクに乗せたんです。そのオートバイは『GS250FW』というのですが、GF250Sはその後継モデルになります。下のトルクが細かったので、(回転数を高く)回して乗る必要がありました。郊外の走行は気持ち良かったのですが、町なかでは少し気をつかいましたね」

町乗りにツーリングにと、どこへ行くにも哲也さんと一緒だったGF250S。しかし購入から2年半を過ぎた頃、突然、出先でエンジンが不調となり、程なくして動かなくなってしまいます。

「簡単な部品交換くらいで直ればよかったのですが、この時はどうしようもなくて……。父親に頼み、軽トラで迎えにきてもらいました。マン研(マンガ研究会)の面々と分解してみたらコンロッドが折れていて、途中から3気筒で走っていたことが分かりました。そりゃあ動かなくもなりますよね」

修理は困難な上、お金もかかると判断した哲也さんは、泣く泣くGF250Sを廃車にします。同じ頃、同じマンガ研究会に所属する同級生がヤマハの『FZ250フェーザー』を手放すことを検討していたため、「渡りに船」とこれを買い取りました。

GS250FWの次に、250ccの4ストローク水冷4気筒エンジンを搭載したフェーザー。哲也さんも感心した排気音は、フェーザーを代表する特徴のひとつ。

GS250FWの次に、250ccの4ストローク水冷4気筒エンジンを搭載したフェーザー。哲也さんも感心した排気音は、フェーザーを代表する特徴のひとつ。

「フェーザーは小型で取り回しがよく、町なかで乗りやすい、女性にも人気のあったバイクでした。なにより排気音が良かったですね」

大学3年生になってから、哲也さんは実家を出て一人暮らしをはじめます。よりマンガに専念できる環境を得たからか、この後、マンガの投稿や持ち込みで幾度か大きな賞を獲得。この時の賞金で、ついに念願だった“とあるクルマ”の購入を果たします。

そのクルマとは……。【後編】へ続きます!

取材・文/糸井賢一(いといけんいち)
ゲーム雑誌の編集者からライターに転向し、自動車やゴルフ、自然科学等、多岐に渡るジャンルで活動する。またティーン向けノベルや児童書の執筆も手がける。

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