「鉄神様には愛されるけど、恋愛の神様がいないんですよね」。タモリ倶楽部で認められて「タモリ電車クラブ」の一員にもなった女子鉄アナウンサー・久野知美の鉄道愛
集英社オンライン / 2023年5月2日 11時1分
『友近・礼二の妄想トレイン』(BS日テレ)『Let’s トレ活!」(BSフジ)などの番組で「女子鉄アナ」として活躍中の久野知美。タモリ電車クラブの会員No.24でもある彼女に、先日、惜しまれつつも終了した『タモリ倶楽部』出演の思い出と、鉄道愛を聞いた。(前後編の前編)
電車が好きすぎて「タモリ電車クラブ」の一員に…
――久野さんが鉄道好きになったきっかけから教えてください。
高校生のときに通学で使っていた京阪電車(旧3000系特急車)と、大学生のときに出会った「青春18きっぷ」、そしてホリプロ在籍時代に担当してくれた“鉄オタ”マネージャーの南田(裕介)さんが、私の鉄道3大育ての親です。
もともと鉄道ファンではあったけど、自分にとっては普通のことで、みんな京阪電車が好きだし、18きっぷユーザーで、大阪環状線を見たらモハ103 って表記が気になるし、列車に乗れば何年製か気になって「銘板見るでしょ?」と思っていました。
それが普通じゃないことを、ホリプロアナウンス室に在籍して、同じく普通じゃない南田さんが自分の担当に就いてから初めて知ったんです。その出会いが鉄道のお仕事を耕していくきっかけになったので、南田さんは本当に私の恩人です。事務所を離れた今でも共演も多いですし、変わらず「鉄道名誉マネージャー」として頼りにしてます(笑)
――久野さんは、今年4月1日の放送で惜しまれつつも番組終了した『タモリ倶楽部』の鉄道企画でも活躍していましたよね。
『タモリ倶楽部』は、南田さんを名物マネージャーとして発掘した番組で、私のことも10年ぐらいかけて、ずっと売り込みしてくださっていたんです。でも、それまでにホリプロから“南田バーター”を送り込みすぎて、ハードルが高くなっていたみたいで(笑)。実は、スタッフさんにお会いするアポイントを取り付けていただくまでに実際11年かかりました。でも、その顔合わせのあと、わずか2か月足らずで出演のお声をかけてくださったんです!
――出演されたのは2020年5月15日放送の『鉄道を制するものが受験を制す!? 中学入試問題vsタモリ電車クラブ』という企画でした。
私立中学の入試に鉄道関連の問題が多いからテツは得だ、というのを検証するために、みんなでテストを受けました。はじめは会員証に「仮会員」のシールが貼ってあったんですが、テストに全問正解できて、その場で正会員にしていただきました。鉄道好きなら誰しもが出たいと思う『タモリ電車クラブ』の日本に24人しかいない会員のひとりになれたのは、とても名誉なことです。
収録前後でタモリさんが語った「北斗星」
――『タモリ倶楽部』のおかげで、鉄道趣味が市民権を得た印象もあります。
鉄道ファンはおかしな奴ばかりみたいなイメージをタモリさんが変えてくれたところはありますよね。みなさん本当に鉄道を愛されてる方ばかりだから、本気なところがよかったんだと思います。車両の床に耳をつけて、モーター音を聴くという行為も、くるりの岸田(繁)さんが『タモリ倶楽部』でやりだしてから流行りましたから(笑)
――タモリさんともお話はされましたか?
カメラが回らないところで寝台夜行列車「北斗星」の思い出話を楽しそうに聞かせてくださいました。少年のような目の輝きで、それこそタモリさんの目が北斗星でしたね(笑)。
あとは、みなさん、タモリさんが台本を見ているところを見たことがないとおっしゃっていて。実際、収録もぬるっと始まって、ぬるっと終わりました。気負わないのに、それがちゃんと定時運行で終わるからすごいですよね。
――番組スタッフも鉄道好きな方が多いんですか?
そこまで多くないみたいなんです。ただ、スタッフさんはバラエティのプロフェッショナルで、撮影にありがちな「いまのところカメラ回ってなかったら、もう一回」みたいなことが絶対にないと、土屋礼央さんから伺いました。タモリさんも自由に動かれるタイプの方だから、面白いことを絶対に取りこぼさないというプロ意識ですよね。
あと、『タモリ倶楽部』はとにかく、台本が面白いんです。収録では台本以外のことにもチャレンジしますが、やっぱり台本に書いてあることが一番面白いとみなさんおっしゃっていて。そこは、プロの作家さんのプライドを感じます。
ですから、いつか臨時運行で『タモリ電車クラブ』特番が発車される日を心待ちにしてるんです。自分で企画書を作って出しちゃおうかな(笑)。
鉄神様には愛されるんですけど、恋愛の神様は…
――出演者側から企画提案することもあるんですか?
南田さんも、お笑いコンビ・ダーリンハニーの吉川(正洋)さんも、もちろん私も個人的に出しているんですよ。でも、やっぱり制作されている猛者たちの目をくぐり抜けるのが難しいみたいで。私もいろんな鉄道会社さんから「こんな企画をやってほしい」と逆提案されることがあって、私じゃなくハウフルス(タモリ倶楽部の制作会社)さんに言った方が早いかも……と思うところはあるのですが、そう言っていただけるのはありがたいことなので、“渡り線”のように何らかの形でつなげてお役に立てることがあるならいいなと思います。
――女子鉄アナとして活動してきて、嬉しかった仕事はありますか?
たくさんあるんですが、列車の車内自動アナウンスのお仕事にご指名をいただけたことと、いまやらせていただいている鉄道関連のレギュラー番組『友近・礼二の妄想トレイン』(BS日テレ)『Let'sトレ活!』(BSフジ)は宝物ですね。
車内自動アナウンスについては、40代ぐらいに叶えられたらいいなと思っていた夢でしたが、30代前半に叶ってしまったので、テツ運に結婚運をすべて持っていかれたなとも……。鉄神様には愛されるんですけど、恋愛の神様がいないんですよね。いまは、日々楽しく列車に恋をしています(笑)
――そして、昨年春に14年間在籍したホリプロアナウンス室を卒業しました。今後の展望を聞かせてください。
『僕らの時代』や『アンビリーバボー』などを制作しているイーストグループ傘下のノースプロダクションというプロダクションに移籍したのですが、出役・裏方に関わらず様々なプロフェッショナルが集まっていると思うので、私もひとりの専門家として硬軟問わず、いろんな場面でお役に立てるようになって行きたいと思っています。
もちろん、ホリプロも大好きなので、アナウンス室のメンバーとはいまも仲良しですし、同じ日に現場が重なってしまったときはへルプをお願いすることもあります。今の自分を育ててくれたのは、ホリプロアナウンス室であり南田さんなので、様々な形で恩返しをしたいという気持ちは変わらず強くあります。現・担当マネージャーは奇遇にも南田さんと同い年で、連結……もとい連携しながら(笑)引き継ぎなどもしてくださって、感謝してますね。
鉄道タレントとして再出発
――制作会社系列のプロダクションだと、自分で企画をプレゼンすることもできるんですか?
それもありますし、逆に「こういう番組できますか?」みたいにご相談をいただいて、予算をごっそり預けられるみたいなことも出てきたので、とても重責ですけど、やりがいを感じています。いまは番組の監修みたいなこともやらせていただくようになりました。
なので、どちらかというとアナウンサーの枠を超える仕事が増えてきたから、それに最大限応えられる環境に移ったというイメージなんですよね。
――お仕事的には充実していそうですね。
めっちゃ充実してます(笑)。やっぱり、裁量権が増えたことが大きいですね。私は鉄道のほかにラジオも大好きで、特に、私よりちょっと先輩の世代でその分野を耕し、女性の活躍の場を広げてきた、ジェーン・スーさん、赤江珠緒さん、堀井美香さんのお三方を神だと思っています。
スーさんはご職業が異なりますが、堀井さんと赤江さんはアナウンサーの大先輩。それまでは“弁えてこそ女性アナウンサー”みたいなところがあったと思うんです。でも、みなさんキャラクターが輝く方なので、それを発信されて、私たち後輩たちが働きやすいようにしてくださっているなと感じています。
やっぱり、女性サイドから見るとまだまだ日本は男性優位の社会かなと思うところもあって。私の場合、通称“アナマネ編成“と言って南田さんとセットで応援していただくことが多いのですが、本人きっかけで呼んでいただいたお仕事で共演をお願いした時や、二人三脚で営業を頑張った現場なども「南田さんからでしょ?」という見方をされがちだったかなと思うんです。
それが、所属が変わったことで、ようやくいち鉄道タレントとして独立した見方をしてもらえている実感があります。いまは裁量権を持って、自分の判断でいろいろな方の役に立てるように微力ながら動けていると思うので、それがありがたいですね。私もスーさんや赤江さん、美香さんのような“闘いながら 咲く女”に少しはなれていたら、嬉しいなと思います。
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取材・文/森野広明 撮影/井上たろう 衣装協力/ATTRANGS・STYLIA
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