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カラバリが増えた新MacBook Airは買い? ITジャーナリスト・松村太郎の「WWDC 2022」現地リポート

集英社オンライン / 2022年6月8日 18時1分

毎年恒例のAppleによる開発者向けイベント「WWDC」が6月6日から開催され、新たなAppleシリコン「M2」を搭載した新型MacBook Airが発表された。イベント初日に行われた基調講演の様子と、新型MacBook Airの進化のポイント、そして今秋リリース予定の「iOS 16」の注目機能を現地からお届けする

Apple Parkの屋外で開催

Appleによる開発者向けイベント「WWDC(世界開発者会議)2022」が、現地時間2022年6月6日(日本時間2022年6月7日)に開幕した。本イベントは1週間に渡ってバーチャルで開催されるが、初日のみ、一部の開発者を米カリフォルニア州クパチーノにあるApple本社「Apple Park」に招いて行われた。



WWDCでは、Appleが世界中にいる開発者コミュニティに向けてMac、iPhone、iPad、Apple Watch、Apple TVといったAppleデバイス向けの次期ソフトウェア(OSや基本アプリなど)を披露し、これに合わせたアプリの開発や更新のための情報が提供される。

以前はApple本社に近いシリコンバレー最大の都市・サンノゼ市内の会議場に6000人ほどの開発者を集めて開催されていたが、新型コロナウイルスのパンデミックが発生した2020年以降、ストリーミングやオンラインコミュニケーションを主とした「バーチャル開催」となっていた。

しかし冒頭にも述べたとおり、今年のWWDCではAppleは実際にクパチーノに開発者を集め、屋外に設営された会場で、世界中の人たちと一緒に事前収録された基調講演やセッションを見るという体験を用意した。

Appleに限らず、シリコンバレーの企業はテクノロジーを生業としながら、対面でのコミュニケーションを通じた創発やイノベーションを大切にしている。そうしたカルチャーから、一部でもよいから開発者とApple社員、あるいは開発者同士が交流を持つ機会を作りたい、という想いがあったのではないだろうか。

Apple Park内にある「Cafe Mac」の様子。今年のWWDCは、新型コロナウイルスのパンデミック以降では初となる、開発者を招致しての開催となった

初日の基調講演は、Apple Parkの屋外に設営されたシアターで事前収録された映像を見る形で行われた

生まれ変わったMacBook Air

WWDCはあくまでAppleのソフトウェアに関する情報提供が中心となるイベントであり、ハードウェアは例年3月、7月、9月、10月のタイミングで発表されることが多い。しかし今回のWWDCでは、ノートパソコンの中で最も人気のあるMacBook Airの最新モデルが発表された。発売は2022年7月に開始される。

まったく新しいデザインを採用した新型MacBook Air。第2世代目となるAppleシリコン「M2」を搭載した初のモデルとなった

MacBook Airは2020年11月に、Apple自社開発チップである「Appleシリコン」を搭載して劇的な性能とバッテリー持続時間の向上を実現し、非常に人気のある製品となった。今回は第2世代となるAppleシリコン「M2」を搭載すると同時に、本体のデザインを全く新しいものへと刷新した。

新モデルでは現行のiPhoneやiPadのようなフラットな板状のデザインが採用されており、ボディの傾斜や側面の湾曲、鋭利なエッジといった従来のMacBook Airが有していたデザイン面での独自性は影を潜めた。一方で、カラーバリエーションは同モデルで過去最多となる4色展開となる。

フラットなデザインへと生まれ変わった新型MacBook Air。筐体左側にはMagSafe 3ポートと、2つのThunderbolt / USB 4ポートが用意されている

全4色のうち、明るい色には定番の「シルバー」と、iPhone 13シリーズで初めて登場した「スターライト」の2色を用意している。スターライトは光の具合でシャンパンゴールドのように輝き、ユーザーからの注目を集めそうだ。

暗い色には定番「スペースグレー」に加えて、さらに濃い色味が特徴の「ミッドナイト」が追加された。ミッドナイトはマットな質感に見えたり、やや青みがかって見えたりと、非常に表情豊かなうえに、真っ黒なボディとキーボードがクールな印象を与えてくれる。

新型MacBook Airはシルバー、スターライト、スペースグレイ、ミッドナイトの全4色展開。写真はシルバー(右)と、スターライト(左)

こちらは定番のスペースグレイ(右)と、新色のミッドナイト(左)

パフォーマンス面を見てみると、前世代のM1搭載MacBook Airより最大約40%高速化、Intelプロセッサ搭載のMacBook Airと比べて15倍の性能を誇る。また、バッテリー持続時間はビデオ再生で最大18時間を達成している。

筆者のように原稿を執筆するだけなら、1時間に1%バッテリーが減るかどうかというほど、Appleシリコンは省電力性に優れている。一方で4Kビデオの編集も快適にこなし、ビデオ会議やオンライン授業が当たり前となった中で、1日充電せずに過ごせて、薄型で軽い。当面はこれ1台で3~5年、仕事にも、勉強にも、趣味にも、満足して使い続けられる稀有なノートパソコンとして活躍してくれるはずだ。

なお、価格は8コアGPUモデルで16万4800円、10コアGPUの上位モデルで20万8800円(共に税込)。米国での価格はそれぞれ1199ドルと1499ドルに据え置かれているが、円安の影響で日本国内では大幅に価格が上昇してしまったのが辛いところだ。

iOS 16では「コラボレーション」が進む

M2チップを搭載した新型MacBook Air以外にも、基調講演ではiPhone向け「iOS 16」、iPad向け「iPadOS 16」、Mac向け「macOS Venture」、Apple Watch向け「watchOS 9」といった次期OS群がそれぞれ発表された。正式版は今秋配信される予定だ。

特にiOSに関しては毎年新機能が追加され、使い勝手が年々向上しているが、2022年秋のメジャーアップデートでは「ロック画面」の刷新が大きなトピックとなる。ロック画面とは、iPhoneを手に取ったときにほぼ必ず目にする、壁紙を背景に時計や通知が表示されているあの画面のことだ。

今までロック画面では「壁紙をお気に入りの写真に変える」程度しかカスタマイズできなかったが、iOS 16では時計のフォントやカラーの変更をはじめ、カレンダーや天気といった情報を一目で確認できるウィジェットの配置など、カスタマイズ性が一気に向上する。さらに壁紙をシャッフルで自動的に入れ替えたり、複数のロック画面を用意してスワイプで瞬時に切り替えたりといったことも可能だ。

iOS 16ではロック画面のカスタマイズ性が大幅に向上。時計のフォントを変更したり、複数のロック画面を用意したりといったことが可能になる

そして、iOS 16における進化のポイントとして「コラボレーション」にも注目したい。

現時点で最新のiOS 15には「FaceTime」で通話している相手やグループで同じ映画や音楽を楽しめる「SharePlay」という機能が備わっているが、iOS 16ではFaceTimeだけでなく、「メッセージ」アプリでも同機能が利用できるようになる。さらに「メッセージ」内で相手とメモやプレゼンテーション、リマインダーなど共有することで、素早く共同編集を始めることも可能。相手がiPhoneであればリアルタイム通話やチャットでやりとりしながら、さまざまなアプリのコンテンツを同時に見たり、共同作業ができるようになるのだ。

今まではiPhoneユーザー同士であっても、使っているアプリが違う場合、データを共有したり、一緒にコンテンツを楽しむことは難しかった。しかし大幅にアップデートされたiOS 16では、そうしたユーザーの悩みを解決する方法を提供し、開発者にも賛同してもらうことで、より手軽にiPhoneでの共同作業やコラボレーションが可能になる。

2022年現在、日本国内のスマートフォンユーザーの約4.5割がiPhoneを利用しているが、iPhone同士の連携力を高めることは、家族や友人同士でiPhoneを選ぶメリットに繋がる。iOS 16におけるコラボレーション機能の充実は、そんな「囲い込み戦略」の有効な手段になるだろう。


WWDCは初日の基調講演以降も、新しい情報が続々と明らかになる。秋以降の新しいApple製品が皆さんの生活にどのような変化を及ぼすのか、引き続きお伝えしていければと思う。


文・撮影/松村太郎

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