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〈令和の大学ミスコン〉「もはや“無料キャバ嬢”状態」主戦場はSNSに移行し、“ミスコンおじさん”とトラブルの末、殺害予告まで…

集英社オンライン / 2024年11月29日 17時30分

多くの有名人を輩出し、学園祭の花形イベントとしても知られる「ミスコン」。近年はネット投票の導入などもあり、主戦場がSNSへと移行しつつある。知名度アップや投票数を競って、連日候補者が写真付きで近況を投稿。そしてリプ欄に必ずといっていいほど現れる「ミスコンおじさん」の姿…。学外にも支持層を広げる必要に迫られた近年の大学ミスコンの形と、そのリスクとは。

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“期間限定アイドル”と化すミスコン候補者

11月下旬、都内の某有名大学で行なわれた学園祭。キャンパスには多様な出店が並び、大勢の人でにぎわっていた。そんななかでも、ひときわ目を惹いたのが、屋外ステージで行なわれていた「ミスコン」だ。



最前列には一眼レフカメラを構えた人や、推しの候補者の名前を張り付けた手作りのうちわやボードを掲げて声援を送る人…、学生というより、学外から来たとみられる年齢層さまざまなファンの姿だった。

「毎年夏になると、ミスコンの公式SNSで候補者がお披露目され、そこから11、12月ぐらいにあるコンテスト本番までの数か月間、各候補者がネット上にアカウントを作って広報活動を続けます。お披露目後には、公式サイトでの投票も開始され、インスタや動画配信などさまざまなSNSを駆使して自分の魅力を発信するんです」

そう語るのはウォッチ歴20年のミスキャンパス評論家、霜田明寛さんだ。

「かつてのミスコン活動といえば、文化祭の本番に出るだけだったんですけど、2000年代半ばから候補者がブログをやるようになって、2010年代からSNSも活用するようになり、ミスコン活動の主戦場はSNSへと移行していきました。それに拍車をかけたのが、2020年のコロナ禍です。

観客を入れてイベントすることが難しくなって、本番もほぼ無観客。主催者側はネット投票を導入するようになり、学外にも票が広がるようになっていった。候補者はそれを煽るためにSNS活動に邁進。パフォーマンスこそしないものの、イメージとしては“期間限定の素人アイドル”のようなものでしょうか」(霜田さん、以下同)

学祭後、ミスキャンパス候補者のXをのぞいてみると、

《Xを投稿するのに毎度緊張していたあの頃からはや4カ月!いつも応援ありがとうございます☆最後まで走り抜けます!!!》

候補者が写真付きでこうした投稿をすると、リプ欄には、

《〇〇(候補者の名前)ぽち完了しました》《本日のポチ完了》と投票を完了した旨を伝える投稿が連なるなか、

《今日も体調崩さないように気を付けてね》と連日、推しの体調面を気遣う“体調心配型”ファンや、推しの投稿をひたすらリポストし続ける“リポスト型”ファンの姿が散見された。

また《写真は3000枚近く撮ったので少々お待ちください》《2日間東京の〇〇祭来れて楽しかった。夜行バスで名古屋についたよ!》などと熱烈な推し活を匂わせる投稿もあった。

炎上に殺害予告、ミスコンおじさんを巡るトラブル

そんな熱烈なリプの数々にひとつひとつ丁寧にメッセージを送ったり、「いいね」で返答する候補者の姿がX上では確認できた。

一方、気になる投稿も…。

《フォロバください》《どうして返信くれないの?》《そんなんだったら投票しないよ》

「ネット上を主な生息地とし、ミスコンをウォッチし続けるおじさんのことを、『ミスコンおじさん』と言います。

SNSが主戦場となった10年以上前から、候補者の方々からは『おじさんのクソリプに対応するのがめんどくさい』という声もでています。『投票するぞ』というある種の権力をかざして、『投票するんだからリプしてよ』『ほかのアカウントには返信してるのに、俺のアカウントには返信がないな~』みたいな感じです。

候補者も票が欲しいので相手をせざるを得ない。心理的負担はかなり大きいと思います。もはや“無料キャバ嬢”状態になりつつあります」

学内キャンパスで終結していたかつてのミスコンとは違い、近年は誰でも毎日参加できるウェブ投票の結果も審査に反映されるケースが増えている。候補者の活動の幅が広がる一方、学外の熱烈なファンや「ミスコンおじさん」を巡っては、過去にSNS上の炎上騒ぎや警察沙汰にまでなるトラブルも発生した。

今夏、都内の某大学の候補者がX上で《父親は51歳ですが、30も年下の人間と付き合いたがる50歳がまともやと思えない。危機感持った方がいい。けど応援は嬉しい》と投稿したところ、リプ欄には《もう応援辞めたわ。付き合えると思ってずっと応援してたのに本当にがっかり…》《年上の人に敬意が感じられない。おじさんに失礼な発言だ!謝れ》など誹謗中傷が相次いだ。

また日本歯科大学在籍時に日本最大級の大学ミスコン「ミスサークルコンテスト」で入賞したことをきっかけに芸能界入りを果たしたタレントの入澤優(31)は、ミスコン出場時にX上でミスコンおじさんの《なんで俺のリプ返さないの?》に対し、《気持ち悪いからに決まってんじゃん》《黙って投票しろよ》と喧嘩を吹っ掛けまくったところ、《ミスコン開催日、ランウェイの上でお前を殺す》と殺害予告をされる事態にまで発展。開催当日は警察官と一緒にランウェイを歩いたという。

大学生の運営では手に負えない事態も…

時代とともに形を変えていく「ミスコン」。改めてミスコンの現状や課題、そして“ミスコンおじさん”の生態まで突っ込んだ話を、霜田さんに聞いてみた。

――SNSが主戦場になった現在、どのようなリスクが伴うのでしょうか。

霜田明寛(以下同) 
かつては学内の牧歌的なイベントだったのが、学外の人も投票できるようになり、開けたイベントになりました。それによってネット上にも晒され、炎上のリスクも高まったのではないかと思います。

――そもそも“ミスコンおじさん”が生まれた背景や、何が彼らを熱狂させるのでしょう。

素人であり、今後大物になるかもしれない。「ブレイクする前の地下アイドル時代から応援してましたよ」って言いたい心理に近いですね。

あとは普通だったら道で話しかけてもスルーされるようなルックスの若い子に、投票を餌にするだけで相手にしてもらえる。それと投票してほしい女子大生の利害が一致しているんでしょう。

ただ、おじさんの中には勘違いしちゃう人もいる。対等な人間であるはずなのに、『投票してやる』と下に見たり、かわいいから寄っていったのに「ただかわいいだけのくせに」と誹謗中傷したり、ファンのマナーレベルに問題があることもあります

――そんななかで、今後も安全にミスコンを運営していくには、どんな懸念や注意点があるのでしょうか。

そんな状態でも、運営側は大学生の有志のサークルだったりするので、炎上や誹謗中傷などのトラブルについて、きちんと取り締まったりする仕組みができておらず、無法地帯になりつつあるんですね。

プロのアイドルだと炎上やトラブルがあったとしても運営側が守ってくれるけど、ミスコンの場合は明確に守ってくれる人がいない。今後、学外にまで広がり、ネットにここまで接続してしまっている以上、何かトラブルがあったとき、とても危ないと感じます。

ミスコンが一人の人生を輝かせることができる反面、壊してしまうリスクもあることを肝に銘じつつ、関係者全体で今後の在り方を模索していく必要があるのではないでしょうか

取材・文/木下未希 集英社オンライン編集部

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