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「収入の割合で言うたら、テレビは最下位」それでも、さらば青春の光・森田がテレビに出たい理由

集英社オンライン / 2024年12月7日 17時0分

さらば森田が明かす『オールナイトフジコ』の舞台裏「女子大生は生々しい。彼氏と“した”ことを話してもいいんですから」〉から続く

フジテレビの深夜バラエティ番組『オールナイトフジコ』をはじめ、さまざまなテレビ番組で活躍中のさらば青春の光・森田哲矢。自身のYouTubeチャンネルが絶好調な中でも、「テレビには出たい」という森田が、そのテレビ観とさらばの収入事情を赤裸々に明かす。(前後編の後編)

【画像】「さらばとして、テレビで代表作がほしい」と語る森田氏

さらば青春の光の収益の3本柱

――現在テレビ出演の割合は、全体の仕事のうち何割くらいを占めていますか?

森田哲矢(以下、同) 労働時間、稼働の割合で言うたら、配信の番組なんかも含めると、テレビがほとんどですね。YouTubeは主に今3つチャンネルがあるんですけど、パッと撮影もできるし、飯食いながら撮影したりもあるし、撮りだめもできるし、更新頻度のわりにはそこまで稼働してないんですよ。

――稼働のほとんどがテレビ出演で、収入の割合でいうと……?

収入の割合だと、1位はグッズの売り上げです(笑)。おもろいでしょ。収益の三本柱は、グッズ、広告案件、YouTubeですね。言うたら、テレビは最下位です(笑)。

――まさに現代の稼ぎ方ですね。

なので、テレビは知名度を上げるため、自分たちの宣伝というか、狙って僕らのYouTubeチャンネルにくる人たちではない層にも知ってもらうための手段、みたいな感じですね。そういう効果はまだテレビは強いです。他からギャラのいい仕事をもらうためには、テレビにたくさん出ることが必要っていう。それに僕はテレビ出たくて、この業界に入ったので。

だけど、街で声かけられたりするのは「YouTube見てます」っていうのが一番多いんですよ。わけわかんないでしょ(笑)。

――テレビに出ることの効果でいうと、宣伝のほかに、芸人やタレントとの共演によって交流が生まれる、というのもありそうです。

あ、それは大きいです。大人数の芸人を一気に集められるのはテレビだし、芸人以外のタレントさん、それこそ大御所の人たちと絡むことができるのは、今のところテレビだけです。そういうのもあって、テレビに出る時は、人様の場に呼ばれてるって意識なんですよ。自分たちのYouTubeとの違いで言うと。なので、ちゃんと求められた役割を果たそうっていう。

――YouTubeの企画にもっと労力や予算をかける、という方向性はないですか?

今のところ考えてないですね。YouTubeはあんまり大がかりにしても意味ないと思うんですよ。それよりは、思いつきでさっとやっちゃうほうが大事というか。気持ちとしても、たかがYouTubeくらいのノリでやってます。でも、手は抜かないですよ。あえてのチープさ。そのほうが見やすいので。

コラボはするけど一線は引いている

――さらば青春の光としては、2018年に6度目となる『キングオブコント』決勝に進出しながらも、以降は賞レースに出ないと宣言しました。ここはひとつ転機だったと思うのですが。

転機でした。もう賞レースには出ませんって言ったら、なぜかテレビ出演が急に増えたんですよ。ネタを大事にするコント師、みたいなイメージがなくなったからなんですかね。

――2018年以降、次の転機でいうと、YouTubeの登録者数が増えていく時期?

ですね。時期としてはコロナ禍です。無観客ライブの配信とかも広まる中で、視聴者の目がネットに向かって、YouTubeの再生数も増えました。あとは、あの時期、テレビのバラエティも感染対策で思うようにいかなかったじゃないですか。スタジオのアクリル板とか、リモートで繋いだりとか、ロケに行ってもフェイスシールド付けたりとか。

そういう中で、僕らは個人事務所というのもあり、外には迷惑かけないように、身内だけでけっこう自由にやれたんですよ。その自由さが、しんどい状況でも、なんとか明るい気持ちになれるって思ってもらえたのかなって。なので、あの時期にネットとの親和性は初めて感じました。

――YouTuberやほかのチャンネルとのコラボについては、どう考えていますか。

オファーがあって、相手のチャンネルに呼ばれるぶんには、よっぽど変な企画じゃなければ出ます。ただ、その相手を自分たちのチャンネルにも出てもらうかって言ったら、そこは一線引いてますね。

出てもらう場合は、その人に出てもらわないと成立しない、よっぽどおもしろい企画が思いついた時だけ。その基準はYouTuberに限らず、芸人とのコラボでも同じです。別にもったいぶってるわけじゃなく、そこまで領土を広げたくないんですよ、なんか感覚として。

さらば青春の光としての代表作がほしい

――YouTubeでの思いきった企画やキャラクターが評判になったあと、そこからさらに、森田さんはテレビのゴールデンタイムの番組『ダウンタウンDX』や、朝の番組『ラヴィット!』にも呼ばれるようになっていくわけですが、そのシフトチェンジはどのように?

シフトチェンジもなにも、こっちとしては、YouTubeでもけっこう無茶なことしているわりに、ちゃんとした番組にも呼んでくれるのなんなん?って思ってました、正直。呼ばれたからには全力でやりますけど、絶対に出たいとかも思ってなかったんで。

なので、放送される時間帯は当然意識しますけど、大きくキャラを変えたりとはしてないんです。よく言われていることですが、自分のやりたいこと、できると思っていることと、まわりからの需要っていうのは必ずしも一致するわけやないんやなって思いますね。

――さらば青春の光として、今後こういうことがやりたい、というのは?

そこまで真剣に考えてるわけじゃなく、ぼんやりとですが、いつか代表作ができるといいなと思ってます。僕ら『キングオブコント』の決勝に行ったり、YouTubeとかで徐々に名前を知ってもらえるようにはなりましたけど、これで一気に、みたいな代表作がないんですよ。別にそれは冠番組とかじゃなく、なんかの企画でも、さらば青春の光といえばこれっていう。

というのも、今バカリズムさんがMCの『私のバカせまい史』という番組を一緒にやらせてもらっていて、バカリズムさんの力の入れ方がハンパじゃないんです。あの方は芸人としてはもちろん、脚本家としても『ブラッシュアップライフ』とかの代表作がありますけど、『私のバカせまい史』はバラエティの代表作にしたいんだろなっていうのを感じるんです。

僕はいろんな番組には呼ばれてますけど、ひとつの番組とか企画にここまで時間と労力をかけたことってないよなって、単純にそう思ったんですよね。

――では最後に。相方の東ブクロさんには、今後どうなってほしいとかありますか?

何もないです。あるとしたら、とばないでほしい。それ以上は何も望みません。たとえ逮捕されたとしても、出所する瞬間を撮影させてくれたら、それでいいです。

取材・文/おぐらりゅうじ 撮影/石垣星児

―――
さらば青春の光・森田哲矢●2008年、相方の東ブクロと「さらば青春の光」を結成。2011年、「第32回ABCお笑い新人グランプリ」の優秀新人賞を受賞し、2012年「キングオブコント」では準優勝。2013年、2014年、2015年、2017年、2018年にもキンオブコント決勝に進出している。2013年5月に冠番組「さらば青春の光 ふぁいなる」(TOKYO MX)が放送開始。同年10月に個人事務所「ザ・森東」を設立。森田はフィンランド発祥のスポーツ・モルックの日本代表としても活躍している。

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