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投資しない人が貧乏になる時代に買いたい「米国株」の最適解

集英社オンライン / 2022年6月24日 17時1分

高給サラリーマンでも、実は一生「自由」になれない。「自由に生きるための第一歩」として、投資を正しく知るための入門書『世界一面白くてお金になる経済講座知識ゼロからはじめる投資のコツ』(ダイヤモンド社)から「世界経済」の項を一部抜粋・再構成してお届けする。

日本は二度とアメリカと中国に経済的に追いつけない

Q.世界各国の経済力ランキングは?

1位アメリカ、2位中国、3位日本です。アメリカはずっと世界 No.1の経済国で、近年では中国も爆伸びしています。2010年に日本はあっさり中国に抜かれました。そして 2022 年現在、「アメリカ&中国」と「日本」の差はどんどん広がるばかりです。残念ながらこの差は広がり続け、経済格差が縮まることは二度とないでしょう。



中国の人材はとにかく若いです。テンセント(ゲーム・SNS会社)は「35歳以上の高齢社員の早期退職勧告」を発表していました。中国の IT 企業ではもはや35歳以上は高齢者なのです。若さがあり、能力もあるのに大企業の老害に邪魔されてくすぶっている若手がいたら、いますぐに辞めて起業しましょう。若さはパワーです。

現在1位のアメリカはこれからも最強国として成長していくことが見込まれます。今後もアメリカ経済はNo.1であり世界経済の中心です。ではこれを踏まえてクイズです。

Q コロナショックで世界中の株価が大暴落!しかしいまは V 字回復しています。いったいなぜ?

正解は…アメリカが今までにない規模の金融緩和(お金のばらまき)をしたからです。FRB というアメリカの中央銀行(日本における日本銀行)が、過去最大の300兆円の資金供給(金融緩和)をすると決めました。
※ 連邦準備制度理事会=FRB(The Federal Reserve Board)は通称「Fed:フェッド」

「Fedがバズーカ砲を打つ準備ができたぞ!」というニュースの発表と同時に世界中で株価は V 字回復を果たしました。アメリカ経済は世界中への影響力を持っているのです。FRBのパウエル議長は最後の砦のように金融緩和しない道を探っていましたが、コロナショックは未曾有の危機だと判断し泣く泣く金融緩和を決定しました。パウエル議長は何を恐れていたのでしょうか?

ドーピングには副作用が伴います。世界最大のアメリカが史上最大の金融緩和をしたため、世界中の他国が追随して緩和をし、株式市場にお金がじゃぶじゃぶに流通しました。市場流通のお金の量が増える=手元にある現金の価値が下がるということです。

投資をしていない人が貧乏になる時代

富裕層は株や金などに投資をしていたので資産が大幅アップしました。残念ながら(投資をせずに現金しか持っていなかった)庶民は相対的にお金の価値が下がって生活が苦しくなり、いつのまにか貧乏になりました。つまりコロナショックを経て、貧富の差が大きく広がったのです。副作用はこれからさらに拡大します。これはアメリカだけの話ではなく日本も同様です。

投資をしていない人が貧乏になる。

まさに「投資しないリスク」が起こっているのです。ここでアメリカ版の日経平均株価とも言える、「アメリカを代表する 2つの指数」を紹介します!

Q NYダウ(ダウ・ジョーンズ工業株価平均)って何?

1882年にチャールズ・ダウさんとエドワード・ジョーンズさんが設立したダウ・ジョーンズ社により厳選された 30 社の指数です。世界の株価の中心となる指標です。1896 年に NYダウが発表された当時はインターネットもない時代だったので、正式名称に「工業」と入っていますが、現在は工業にとどまらずインターネット系企業も含めたアメリカを代表する企業が選ばれています。

NYダウは1896年に41ドルからスタートしており、126年で約900 倍となっています。監視の目が厳しいアメリカ文化。入れ替えが激しく、初期から残っている会社はなんとゼロ! 最後まで残っていたのはエジソンが創業したGEという企業でしたが、2018 年に除外されました。決められた「30 社」の枠に対して相対的に業績が良い企業を選定する。日本の市場とは大きな違いですね。

上がり続ける最強のアメリカ株。残念ですが日本とは比べ物になりません。2つ目に紹介する指標はS&P500です。S&P500とNYダウは世界の中心の指標なので必ず覚えてください。この2つの指数の動きに世界中の経済が影響されます。もちろん日経平均株価も。

アメリカの投資家ファーストの文化は非常に優れている

Q S&P500(スタンダード・アンド・プアーズ・ファイブハンドレッド)って何?

アメリカ経済を代表する世界最強の厳選された500社の指数です。1860年にプアーさんがスタンダード社を買収して作ったStandard&Poor's社(以下、S&P 社と略す)が選定した 500 社を指数にしたものです。そもそもS&P 社とは格付け機関です。S&P 社に認められると企業の信用度が格段に上がり、銀行からはたくさんの資金調達ができ、投資家にも注目されて株や社債の価値が上がります。S&P 社から AAA(トリプルエー)という最も高い評価がもらえた社債は信用度が高いことを意味しています。

そんな S&P 社が作っている指標が S&P500(Standard & Poor's 500 Stock Index)です。日経平均株価と違い、選定が厳しいだけでなく、入れかえも激しく健全な競争が行われているので非常に信頼できます。成長が終わった企業を除外し、これから成長が見込める企業を採用する。全ては投資家の利益や健全な資本主義社会を守るためです。

なんと厳しい目で見られた500社の指数は30年間で約13倍になっています。もちろんこのパフォーマンスは世界最高レベルです。

先日、巨大企業 GAFA が市場独占をしているのではないかと下院公聴会で追及されました。世界トップの企業に対してもフェアに追及するアメリカは健全ですね。このように、アメリカは日本と違い「企業に対する第三者の目」が厳しいです。アメリカの投資家ファーストの文化は非常に優れており、私がオススメしている理由です。

S&P500の構成で影響度が大きいのは皆さまおなじみのGAFAM(ガーファム=Google/Amazon/Facebook/Apple/Microsoft)です。この5社だけでS&P500の全体の23%もの強い影響力を持っています。先ほど紹介した NY ダウも指標として優れているのですが、たった30社しか入れないため、GAFAM が網羅されていません。私はNYダウも好きですが、S&P500が最も注目されると予測しています。
※ 500社の各企業の影響度を知りたい方は「S&P500 finviz」で検索をしてください。ヒートマップの面積の大きさを見れば一目瞭然です。

投資の大原則は絶対にお忘れなく

Q 他に押さえておくべきアメリカの指標はありますか?

アメリカの重要な指標としてNASDAQ100もあります。NASDAQとは上場する市場のことです。アメリカを代表する約3000社が上場しており、時価総額の加重平均を「NASDAQ 総合指数」と呼びます。アメリカ代表3000 社の中からさらにエースだけを厳選した、時価総額の上位100社で構成されるエリート指数がNASDAQ100です。GAFAMの比重が上がります。特にApple、Microsoftの比重が非常に大きいです。

「S&P500の投資信託より、もっとハイリスクハイリターンを狙いたい!」という方は、「楽天レバレッジNASDAQ-100(愛称:レバナス)」をご覧ください。これは NASDAQ100 の上げ下げの2倍の動きをします。これからアメリカ株が上がり続けるにつれ、皆さまは YouTube等のSNSで「レバナスを買え!」と目にする機会が必ず増えることでしょう。

筆者個人的にはレバナスを買うよりも、個別株でAppleとMicrosoftを買えば良いんじゃないかと考えます。そして半導体の領域はSOXLという3倍の動きをする半導体ETFで補完する手法を私は行っています(投資は自己責任でお願いします)。
※100社の各企業の影響度を知りたい方は「NASDAQ slickcharts」で検索をしてください。Weight の数字を見れば一目瞭然です。特にAppleとMicrosoftの比率が大きいことが分かります。

※本稿に記載されている数字は2021年12月末の執筆時点のものです。個別株や投資信託の具体的な銘柄を紹介していますが、買い煽りをするつもりはありません。株価は必ず上下する生き物です。
「余裕資金の範囲で投資をする」
「時間分散をして少額でコツコツ買う」
「一度買ったら 20 年は売らずに長期保有する」
という投資の大原則は絶対に忘れてはいけません。皆さまが投資をする際は自己責任でお願いします。

#1 なぜアパホテルは株式を上場しないのか? 知らないと恥ずかしい経済知識
#2 任天堂、キーエンス、村田製作所、3社の共通点とは何か?

『世界一面白くてお金になる経済講座 知識ゼロからはじめる投資のコツ』(ダイヤモンド社)

南祐貴

2022年3月30日

1650円(税込)

単行本(ソフトカバー) 192ページ

ISBN:

978- 4-478-11550-3

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