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「今日は何時間勉強したの?」はNG! 子どものやる気を引き出す“声かけの技術”

集英社オンライン / 2022年7月2日 10時1分

受験は子どもが9歳になるまでが勝負!といわれる。東大理Ⅲに三男一女を合格させた佐藤ママが実践した声のかけ方がわかる『子育ては声かけが9割』(東洋経済新報社)から「勉強を習慣化」について一部抜粋・再構成してお届けする。

「勉強しなさい」より「勉強の時間ですよ」

子どもが毎日自主的に勉強をしてくれればお母さんとしては助かりますが、なかなかそうはいかないご家庭も多いですよね。いつやるのかしらとハラハラしながら見守って、ついにはしびれを切らして「早く勉強しなさい!」「みんな勉強しているんだから、あなたもやりなさい」ときつく言ってしまう。子どもも言われて嫌々机に向かう。できればこういう状況にはしたくありませんね。子どもも心の中では「勉強しなくてはいけない」と思っています。でもやるのが億劫だと感じているのでしょう。



私は、そもそも「勉強をする」「しない」という選択の余地をなくすことにしていました。毎日決まった時刻から勉強をはじめることによって勉強を習慣化するのです。「勉強をするのは当たり前」と思わせるためには、勉強を習慣化し、食事や歯磨きのように日常生活の中に組み入れることが大切です。

何事もとりかかるときの心のハードルは高いですから、まずは否応なくはじめられるよう勉強開始の時刻を決めましょう。わが家では夕食を終えた夜7時30分から、きょうだい全員で一斉に勉強をはじめて、低年齢の子から順に終えるようにしました。

私は、開始時刻になったらパチパチパチと手を叩きながら、「勉強の時間ですよー」と明るく言うことにしていました。毎日、同じ時刻に同じ声かけをすることがポイントです。「さぁ、はじめるよ」といった言葉でもいいですから、毎日淡々と同じ声かけではじめましょう。長々と言わず、シンプルな声かけにします。そうすることで勉強は「頑張ってやる」ものではなく「やって当たり前」のものと思わせるのです。

また、勉強開始の時刻を親の都合で「今日は7時から」「今日は8時から」などとコロコロ変えていると習慣になりません。学校のチャイムと一緒で、勉強をはじめる時間は毎日必ず同じ時間にすることが習慣化のコツです。親も仕事や用事があり、毎日同じ時間に勉強をはじめることは大変ですが、子どもを最優先で考えてください。とりかかりが難しい子どものためにも、親が決めた時間に行動することが大事です。

9歳まではまだ幼くて素直ですから、習慣化しやすいので、子どもが勉強するための環境を整えましょう。毎日の家庭学習が習慣になっていれば、その後大きくなってからも、勉強になかなかとりかかれないと悩まなくてすむと思います。

タイマーを使うなら最初よりも最後

勉強開始時刻にタイマーをセットしたことも何回かありましたが、アラーム音が子どもを追い詰める気がしたので、代わりにパチパチパチと手を叩くことにしました。

わが家の子どもたちが塾に行きはじめて以降、子どもたちの就寝時刻は、小学4年生が22時30分、5年生が23時、6年生が23時30分でした。ただ、テストの成績が安定しなかった三男だけは2人で話し合った上で、6年生の9月以降は、23時30分からの1時間を灘中(灘中学校)の過去問を解く時間にしました。いて、自信をつけてもらおうと思ったからです。1問でも多く過去問を解いて、自信をつけてもらおうと思ったからです。

そのときは、終了時刻の午前0時30分にタイマーをセットし、アラームが鳴ったらすぐ寝ることにしていました。就寝前なので、アラームの音をオルゴールやハープの音にしようかとも思ったのですが、いろいろと考えた結果、灘中オープン模試の日に私がたまたま携帯で撮影しておいた、中学受験塾・浜学園の学園長先生による受験生への激励メッセージを使うことにしました。

午前0時30分になって動画が再生され、「灘中に絶対合格するぞー!」という先生の声が携帯から流れると、三男と2人で「ありがたいわー」と言いながら3回聞きました。「先生、今日もありがとうございました。明日も頑張ります」とつぶやき、勇気をもらって寝るという毎日でした。

勉強をはじめるときのアラームは追い立てられるような感じで、あまりいい気持ちがしないかもしれませんが、終わりのアラームはいいと思います。わが家は激励メッセージでしたが、大好きな音楽をセットするといいのではないでしょうか。

「今日はどこまで解いた?」より「今日の予定は終わった?」

9歳までの子どもに、その日の家庭での勉強の進み具合を尋ねるとき、「今日は何時間勉強したの?」と勉強時間を気にしたり、「今日は何問解いたの?」「たくさんやれたの?」と進み具合を尋ねたりするお母さんがほとんどだと思いますが、どちらの声かけもNGです。

時間について尋ねるのがNGな理由は、勉強はかけた時間では判断できないからです。机の前に座っていても、集中できずに、ぼーっとしている時間があれば、それは勉強時間とは言えません。また、同じ1問を解くのにかかる時間が1分の子どももいれば、10分以上の子どももいるため、勉強時間=解いた問題数ではないからです。

それでは、勉強した内容や量を聞けばいいのかといえば、それも違います。「毎日10問やろう」と決めても、計算問題と文章題では同じ1問を解くのにかかる時間が全然違います。だから、時間で区切って、その時間内にやれるだけやるのが勉強のコツだと思います。

それに、子どもに「どこまで解いたの?」「たくさんやれたの?」と聞くと、できるだけたくさんやったほうがいいような感じがしてしまいますから、子どもはたくさんやろうとして、解き方が雑になります。勉強は解いた問題の数ではなく、いかに丁寧に深く考えたかが勝負になります。また、字も汚くなりますから、雑に書いた数字だと計算などを間違えやすくなります。そして最悪の場合には、早くたくさんやったことにするため、答えを見て写してしまうかもしれません。

「どれだけやった?」より「今日の予定は終わった?」

私が子どもたちにその日の勉強の進み具合を尋ねるときの言葉は、「今日の予定は全部終わったの?」でした。小学校中学年ぐらいまでは、子どもが自分1人で計画を立てるのは難しく大変ですから、お母さんが計画を立てるか、子どもと相談しながら一緒に立てるといいと思います。そして、子どもは予定表に書かれた勉強内容を日々やっていけばいい状態にしましょう。

計画を立てて、それを毎日の習慣としているのであれば「今日の予定は終わったの?」が正しい声かけです。「どれだけやった?」と聞くのはナンセンスですね。

『子育ては声かけが9割』(東洋経済新報社)

佐藤亮子

2022年2月25日

1540円(税込)

単行本 296ページ

ISBN:

978-4-492-22401-4

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