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「焼き菓子担当です」木村沙織、バレー引退後の幸せすぎるカフェ経営

集英社オンライン / 2022年7月2日 13時1分

6月2日から約1ヶ月間開催されているバレーボールの世界大会のひとつ「バレーボール ネーションズリーグ 2022」が、今アツい! 次々と勝ち点を重ねていく日本チームと並んで注目を集めるのは、現役時代と変わらない素敵な笑顔での応援・解説をする元日本代表キャプテンの木村沙織さん。今もバレーボールと関わる活動をしているが、実は選手引退後のセカンドキャリアとして選んだのは、カフェのオーナーだった。そんな、木村さんに、私生活について聞いてみた!

人生は一度きりだから、
バレーボール以外の夢も叶えたかった

──引退や引退後の活動に関して、いつごろから考えていましたか?

大きなきっかけがあったというわけではないのですが、高校生のときから「いつかバレーボールをやめる日は来るだろう」と思っていました。


というのも、つねに母は「絶対にバレーボールだけ、じゃなくていいんだよ。将来の選択肢はいろいろあるからね」と言って私を応援してくれていたので、他の道も考えていたんです。高校を卒業したら、普通に大学に行くかVリーグに進むか悩んだり、もしくは好きなファッションや美容を学べる学校に通うのもいいなって思ったり。しっかりと考えた結果、バレーボールを続ける選択をしたのですが、大会が終わるごとに「次の大会でやめよう」と考えたり、20代に入ってからは「来年やめます!」なんて周りに言ったりしていました(笑)。

──それでもバレーボールをやめなかったのはなぜですか?

ずっと続けられないとは思っていても、つねに真剣でした。大会を終えると毎回新しい課題が見えてきて悔しくなって、もっと成長したいという気持ちが湧いてきました。そういう意味でも、私にはバレーボールがいちばん向いていることだったのだと思います。また、バレーボールは仲間と行うスポーツで、「みんなと強さを突き詰めたい」「みんなでこの大会、優勝したい!」という思いも原動力になっていましたね。

──引退を迎えるとき、バレーボール関係のお仕事や活動をメインにしようとは考えていなかったのですか?

まったくなかったのです(笑)。コーチやバレーボール教室の先生になったり、試合の解説役を務めたり、といった、これまで先輩たちが作ってくださった道もあると思いますが、それはほんのひと握りの人しかいられない場所ですし、私自身、自分がその場所にいるイメージがわかなかった。引退を考えていた頃には、カフェを出したいという昔からの夢への思いが強くなっていって。バレーボール選手から飲食に進む方は今まであまりいないし、人生一度きりなので興味のあることに挑戦したいと思いました。

──現在、大阪の北堀江でご自身のカフェ・バー「Sunny -ThirtyTwo-Club」を、元バレーボール選手で旦那様の日高裕次郎さんと営んでいます。開店までのエピソードを教えてください。

私が引退した当時、夫の仕事の関係で奈良にいて、私も仕事でたまに東京にいくことがあり、二人にとって動きやすいエリアが大阪だろうという話し合いのもと、お店を開く場所として北堀江に辿り着きました。夫は鹿児島県、私は東京都出身なので、特に大阪に縁もゆかりもなかったのですが(笑)、周りに同年代のショップオーナーやスタッフが多く、すてきな出会いや巡り合わせがたくさんあって、北堀江に来てよかったと夫と話しています。

──もともと夫婦お二人で開く予定だったんでしょうか?

もともとは一人で、飲食をやりたい人を募って経営しようと考えていました。ただ、家族でできたら安心なので、ふと夫に「一緒にカフェ、やらない?」って聞いたら、やろうと言ってくれて、すぐに会社を辞めてきました(笑)。

──やさしい旦那様!

最初は少し心細かったこともあり、夫が一緒なら安心なので、ちょっとホッとしました。彼はビーチバレー選手時代に、8年間焼肉屋さんの厨房で働いていたことがあるので、すぐに調理担当として採用(笑)。今は、店舗の運営や調理、来店記念として始めたグッズ制作などを一手に引き受けてくれています。私は今、お店で提供する焼き菓子の担当をしています。

チームワークも気遣いも、
選手として学んだことは今でも生きている

──カフェが人間関係を生む場所になっているんですね。カフェのスタッフ、または焼き菓子担当者としてのやりがいは?

私は製菓学校で勉強したり、どこかのパティシエで修行したりしたわけではないので、毎日ひとつずつ丁寧に、心を込めてお菓子を焼いています。材料を自分の好みの分量に調整して、季節によって配合を変えて、つねにおいしいと思っていただけるものをお店に出したいと思っています。13時から焼き菓子の提供が始まるのですが、営業中に「お菓子売れ切れました」と報告をもらうとすごくうれしい! オープン当時からお菓子を食べてくださっている常連さんがいて、「日に日においしくなってるね。粉変えた?」と声をかけてくれたりするのが幸せです。そんな時は自然と次の日の仕込みにも力が入りますね(笑)。

──木村さんのインスタグラムに載っている焼き菓子を見るたび、食べたくなります!

ありがとうございます。きれいな部分だけを写しています(笑)。あと、オーブンを開けてきれいにお菓子が焼き上がったときは、「今日はすてきな一日になりそう!」「今日は最高な日になる!」と一人で盛り上がっていますね(笑)。たくさんの人に食べてほしいなってワクワクしてお店に並べに行きます。今は焼き菓子担当として裏方に徹しているのですが、たまに店頭でお手伝いをしているときに、お客さんの笑顔を見るのも嬉しいですね。


──「Sunny -ThirtyTwo-Club」を開いてよかったと思うことは何ですか?

バレーボールで築いた人間関係が、東京から離れることで少し薄れてしまったと感じていました。チームの仲間も結婚して家族を持って住む場所も変わっていくので、簡単に会えなくなってしまいます。そんな中、私がカフェを開いたことでみんな先輩や後輩たちが立ち寄ってくださる場所になったんです。私や夫を含めて、みんなの居場所ができたということが本当にうれしくて。知り合いがたくさん遊びに来てくれる中で、私の知り合い同士が仲良くなって、違うお仕事につながるなど、お店が出会いの場になっていることも大きな喜びですね。

──バレーボールとカフェ、似ているところがあるとすれば…?

バレーボールで学んだことは、チームワークや人への思いやり。家族も会社もすべてにおいてその二つは大事だと思っています。例えば、バレーボールなら次にタッチする人のことを考えてボールを丁寧に上げますし、カフェなら次に使う人のためにきれいに整えておくなど、根本は一緒です。

違うことといえば、点数といった目に見える勝ち負けがないこと。自分たちで目標を立てれば立てるほど、どんどん良くなっていきますし、もうここまででいいかと思ってしまったらそれなりのレベルのままです。点数がない分、評価を得るために大変な部分は多いですが、自分たち次第でいくらでも可能性を広げられることが面白いですね。

パリ五輪につながる、進化する
チームを観られる「ネーションズリーグ」

──プライベートのお話をありがとうございます。次に、木村さんも応援・解説役として参加されている「バレーボール ネーションズリーグ 2022」の魅力についてお伺いしたいと思います。試合は主にBS-TBSで放送されていますが、7月2日には、女子のトルコ戦がTBS地上波で放送します。

そうなんです! 「ネージョンズリーグ」は年に一回ある国際大会です。バレーボールには、4年に一回開催されるオリンピックと世界バレーがあり、今年は8月に世界バレーが始まります。大きい大会が終わると監督や選手が再編成されるのですが、今回は東京オリンピック後にシャッフルされた新メンバーでの初めての大会です。なので、日本チームも自分たちの力を確かめる場となっています。

──日本チームの今の実力を見届けられる試合ということですね。

はい。新たに眞鍋政義監督が復帰し、スタッフも選手も変わって、世界バレーに向けて“どの選手で固めていくのがベストか”というのを、日本はもちろん、アメリカやブラジルなど他の国を見極めています。そんな中、日本は今すごく安定していて、面白い試合をするので、観ていてとても楽しいです。

今回はオリンピック経験者もいるし、大学生で召集されたフレッシュな子もいます。ポジション配置や、攻撃面でのバランスがとてもよく、試合も大崩れしない安定した強さを見せてくれます。本当に強いんです!

──今回のネーションズリーグもオリンピックへの足がかりとして、大切な試合ばかりですね。

そうですね。進化中の選手を見られる、パリオリンピックへの足がかりとなる大会なので、ぜひ注目してほしいです。個人的には、日本はこのままパリオリンピックに進んで、私たちがロンドンオリンピックで獲った銅メダルより上のメダルを目指せるのでは!と期待しています。

──木村さんが注目している選手を教えてください。

キャプテンの古賀紗理那選手は、私の現役時代(当時はウイングスパイカー)と同じアウトサイドヒッターなので、親近感もあるし、一緒にプレーしていたときもあったので、贔屓気味に応援しちゃっています。「紗理那、頑張れ〜」って(笑)。かつての仲間が活躍している姿を見ると、元気が出ますし、すごく幸せな気持ちになりますね。

あとは佐藤淑乃選手や宮部愛芽世選手は大学生で、ともにアウトサイドヒッターなので、どのように活躍してくれるか注目しています。また、宮部愛芽世選手のお姉さんの宮部藍梨選手は一緒にプレーしていたこともあり、ミネソタ大学からカムバックしてまた日本チームとして活躍してくれると思います。チームとして、この先を見据えていろいろな選手の組み合わせや作戦を試すと思うので、試合ごとに楽しめると思います。

バレーボールネーションズリーグ
第3週
日本 VS トルコ
7/2(土) 深夜1:58~ TBS系列にて放送予定


取材・文/力石恒元 構成/星山江里可 スタイリング/森島友香 ヘア&メイク/藤本希 撮影/猪原悠

Sunny -ThirtyTwo-Club
大阪府西区北堀江2-4-20
カフェランチタイム:12時〜16時
バータイム:18時〜24時
毎週火曜休
https://sunny32club.theshop.jp/
https://www.instagram.com/sunny_thirty_two_club/

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