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頭からっぽにして楽しもう! 『ソー:ラブ&サンダー』がざっくりわかる雑解説

集英社オンライン / 2022年7月20日 17時1分

マーベル最新作は雷神が大暴れする痛快な内容で、7月8日より大ヒット公開中! 『ドクター・ストレンジ/MoM』に続き、スーパーヒーローが大好物なロードショー編集長・杉原による、初心者向けざっくりな解説をお届け。

ロードショー編集長の偏愛MOVIES 2

まずは「見る前」の予習項目

最初にハッキリ言おう。『ソー:ラブ&サンダー』は基礎知識がなくても楽しめます。
多様なヒーローが複雑な世界を構成しているMCU(Marvel Cinematic Universe=マーベル社のアメコミを原作にしたVFX超大作映画シリーズ)最新作ではあるものの、並行世界を描いた5月の『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』に比べたら、ストーリーもキャラクターもシンプル。笑って泣いて2時間弱。解説も必要ないかな…と思いつつ、わかっているともっと楽しめる項目だけ、ささっとまとめたい。


まずは見る前に知っておくといいこと。

ソーのモデルとなっているのは北欧神話の神さまトール=Thor。ソーはその英語読み

◇ソーは神様
MCUのヒーローのほとんどは、元は普通の人間。改造されただの、蜘蛛に噛まれただのでスーパーパワーを手に入れるが、ソーは北欧神話の戦神トールを元に作られたキャラで、最初から無敵なのだ。雷を操る能力もあって、膂力はハルクと張り合い、アベンジャーズ最強クラス。
「大いなる力には大いなる責任がともなう」という『スパイダーマン』の名セリフに象徴されるとおり、後天的ヒーローたちは、パワーの使い道と責任を失敗しながら学んでいく姿が映画のテーマになるが、ソーはそういう悩みとは無縁。ゆえに基本的に能天気というか脳筋というか、ほかのシリーズより明るいのが魅力だ。
まあ、それゆえに挫折したときのメンタルの折れ方はハンパなく、激太りしたりするんですけどね…。
そんなわけで『アベンジャーズ』イチの陽キャによる本作は、知識などなくてもただ楽しめる、夏にぴったりの娯楽作。同じくお笑い担当(?)の『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』チームがからむ冒頭からノリノリです。

冒頭は出家感ただようソーと、ガーディアンズのメンバーのからみが楽しい

◇これまでのお話
ソーが登場する『アベンジャーズ』シリーズは7作あるが、本作を楽しむためなら、『マイティ・ソー』(2011)『同/ダークワールド』(2013)『同 バトルロイヤル』(2017)の3作見ておけばいいかな。見なくても大丈夫だけど。
傲慢なふるまいで神々の世界アスガルドを追放され、地球に落とされたソーが、科学者ジェーンと恋におち、父王オーディンや悪戯がすぎる弟ロキ、友人たちとからみながら成長を遂げていく。故郷はその後滅ぼされたものの、生き延びた人々は地球に移住して、新生活を築いている…というのがこれまでの流れ。
今回は、深い恨みから”神殺し“となった男ゴアが新アスガルドを襲い、連れ去られた子供たちを救うためにソーが戦いを挑むストーリー。そこへ、ソー愛用だったハンマー「ムジョルニア」の力でスーパーパワーを身につけた元カノ、ジェーンも登場。え、そんなキャラだったっけ…と思いつつ、タイカ・ワイティティ監督らしい荒唐無稽な笑いとパワフルな演出で引き込まれてしまう。

失うのが怖くて別れたジェーンに、再び想いを伝えられるか…ラブの側面もたっぷり描かれる

◇キャストが豪華
ソー役でブレイクしたクリス・ヘムズワースは、ますますカッコよく続投、製作総指揮も兼ねている。ジェーン役のナタリー・ポートマンはお久しぶり。バレリーナを演じた『ブラック・スワン』(2010)並みに身体をしっかり作り込んで、アクションに体当たり。特殊メイクでわかりづらいが、神殺しゴアにはなんと『ダーク・ナイト』(2008)のクリスチャン・ベール。また、父神役のアンソニー・ホプキンスや、姉にして最凶のヴィラン女神を演じたケイト・ブランシェットら大スターが回想シーンでチラ見えするのもうれしい。

ゴアにはクリスチャン・ベール。神殺しになった経緯は悲話につき、憎めないキャラ

ファンにはうれしいこだわりのトリビア ※ネタバレあり

さてさて、MCU映画は細部にさまざまな仕掛けがあるのが特徴。ちょっとわかりづらい部分をネタバレも含めて解説してみる。

◇絢爛豪華な神々の世界…ゼウスを演じたのは?
ゴアと戦う助力を得ようと神々の世界を訪れたソーたち。贅を尽くしたプロダクションデザイン、宇宙中の神々の凝ったキャラデザイン(小籠包の神って…笑)と見どころ満載で、ワイティティ監督が黒澤映画の血しぶきを意識したという、黄金の血が盛大に飛び散るバトル場面も楽しいが、なんたってゼウスに笑える。
北欧神話よりも古いギリシャ神話の最高神ゼウスを演じたのは、まさかの名優ラッセル・クロウ。そういえばアカデミー主演男優賞に輝いた『グラディエーター』(2000)や箱舟伝説のタイトルロールを演じた『ノア 約束の舟』(2014)と、紀元前やら神話には縁が深いし、おまけシーンを見ると、今後ヴィランとして出てきそうな感じもあるし、楽しみ。

神話好きにはたまらん神の国でのシーン。ヴァルキリー(テッサ・トンプソン/左)も健在

◇ソーの背中のタトゥーは?
神々に裸にされちゃって目の保養をさせてくれるソーだが、その背中にはタトゥーが。「RIP LOKI」=ロキよ、安らかに眠れ…とあって、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)で宿敵サノスに殺された弟ロキ(トム・ヒドルストン)を悼んでいることが示される。
何度も死んだと思わせてはうまい具合に生きてたずる賢いロキだけど、ついに…。
だがしかし、「Disney +」ではドラマシリーズ『ロキ』が配信中。これは『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)で四次元キューブを拾って別次元に逃げたロキのその後の話で、つまりまたまたマルチバース! ややこしいのでここでは割愛するが、いつかまたロキがソーに相まみえることもあるのかもしれない。タトゥーは早計だったかな…。

◇ジェーンの力の元は?
末期がんでありながら、ムジョルニアを手にしたことで健康どころかスーパーパワーまで身につけたジェーン。実はムジョルニアには、高潔な心の持ち主でなければ使えないというルールがあり、アベンジャーズのメンバーでも持ち上げられたのは、とびきり気高いキャプテン・アメリカと、人工知能体のヴィジョンだけ。というわけで、ジェーンの心も非常に美しいのだろう。
ムジョルニアは持ち主が呼べば世界の果てからでも飛んでくる強力にして忠実なハンマー。擬人化が進んで、ソーの現在の武器であるストームブレイカーと嫉妬合戦を繰り広げるのがオカシイ。
助けられたジェーンだが、結局は倒れ、医師から「病と闘う力がなくなっている」と告げられる。つまるところ、ムジョルニアのパワーは、持ち主の精神が作り出すものなのかもしれない。ジェーンの心の力はすべて、短い期間にムジョルニアの威力として具現化されてしまったというわけ。

ジェーンのこの姿がもう見られないのは寂しい

◇最後に出てきたあの人は?
というわけで、戦って死んだジェーンが、戦士の死後の国ヴァルハラへ昇天(?)するのは納得だが、おまけシーンのオーラスで彼女を迎えた男性は、劇中何度も言及されるヘイムダル(イドリス・エルバ)だ。誘拐されたアレックスのお父さんで、一瞬でどこへでも運んでくれる虹の架け橋「ビフレスト」の最強の番人。
しかし、ああして死後の世界がまるで別次元の宇宙のように描かれると、このあとまた登場もありえる?という気がしてくる。そうなったら、なんでもありにもほどがあるだろう…とも思うが、ま、マルチバースがあるとすでになんでもありだから、柔軟な心で今後のMCUを見ていきたい!

『ソー:ラブ&サンダー』(2022)Thor:Love & Thunder 上映時間:1時間59分/アメリカ


監督:タイカ・ワイティティ(兼コーグ役)
製作:ケヴィン・ファイギ
宿敵サノスとの最終決戦後、戦いから身を引いて、ガーディアンズと共に宇宙を旅していたソー(クリス・ヘムズワース)。“神殺し”ゴア(クリスチャン・ベール)の驚異が迫ることを知り、地球の新アスガルドへ戻るが、襲撃に対抗する最中、ムジョルニアの力でもうひとりの“マイティ・ソー”となった元カノ・ジェーン(ナタリー・ポートマン)と再会を果たす。連れ去られた子供たちを救出し、ゴアを止めることができるか?
アベンジャーズ最強のひとりソーの新たなる冒険を、前作『マイティ・ソー バトルロイヤル』(2017)に続きタイカ・ワイティティ監督がユーモアと派手な演出で魅せる!

©Marvel Studios 2022

『ドクター・ストレンジ マルチバース・オブ・マッドネス』の雑解説はこちら
https://shueisha.online/entertainment/14781

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