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汗臭、加齢臭、ストレス臭…夏に気をつけたい「8つの体臭」

集英社オンライン / 2022年7月28日 14時1分

汗ばむ季節になると、身近な人や通勤・通学中、街中で他の人のにおいが気になって、自分の体臭が心配になる…という経験はないだろうか? 体臭にはさまざまな種類があり、原因も異なる。体臭評価サービスを提供するオドレート株式会社代表で臭気判定士の石田翔太氏に体臭別に解説いただいた。

体臭の原因は汗や皮脂と常在細菌との結び付きによるもの

体臭の原因の多くは「汗と皮脂」によるものです。
汗と皮脂は分泌直後は臭いませんが、皮膚上に分泌後、垢と一緒に皮膚常在細菌に分解されて臭いが発生します。
脇から出た汗が雑菌に分解されればワキガ臭、靴の中で蒸れると足臭に繋がります。
また、年齢によって臭いの原因物質が増加し、加齢臭が発生したり、ストレスによって生成された物質がストレス臭となったりする場合も。



汗を分泌する汗腺にはエクリン腺とアポクリン腺の2種類があります。
エクリン腺は体全体にあり、運動すると汗をかくのはエクリン腺から出た汗です。サラサラしているのが特徴でほぼ水分なので無臭ですが、時間が経つと常在細菌が皮脂と一緒に分解し、酸っぱい臭い、いわゆる汗臭さを発生させます。

対してアポクリン腺は脇の下、陰部などの特定の場所にあり、水分だけでなくたんぱく質や脂質などの物質が含まれているため、べたつきがあります。臭いの元になる物質が多いため、臭いが強くなります。

このように汗は部位によって発生される臭いが異なり、体臭の種類もさまざまです。
まずはどんな体臭の種類があるかチェックしていきましょう。

汗臭、ワキガ臭、加齢臭、ミドル脂臭の違い

体臭のタイプは主に8種類あり、部位や年齢、生活習慣によって発生する原因や臭いは異なります。


タイプ1:汗臭

エクリン腺から出る汗を皮膚にある常在菌が分解し、皮脂と混じり合うことで臭いを発生させます。汗臭さはこの臭いです。
汗が分泌した後、放置したままだと臭いが発生するため、殺菌作用があるボディシートでこまめに汗を拭き取ったり、着替えたりすることで解消しますし、洗濯すれば衣服から汗臭さは取れます。

タイプ2:ワキガ臭

ワキガは、汗腺の一つであるアポクリン腺から出る汗が肌の雑菌により分解されることで独特な臭いが発生する体臭です。
カレーを想起させるスパイシーな臭い、生乾きの雑巾を想起させるカビっぽさや酸っぱさを伴う臭い、鉛筆の芯のような臭いなどが特徴です。
ワキガ臭が強いかどうかは脇にどれだけのアポクリン腺が存在するのかで決まり、アポクリン腺の数は遺伝によってほとんどが決まります。
また、脂質の摂りすぎ、飲酒、喫煙、睡眠不足など生活習慣の乱れによってワキガ臭が悪化するとされています。

タイプ3:加齢臭

40代頃から発生する枯草や古い油のような臭いのことを指します。
年齢を重ねると皮脂腺の中にあるパルミトレイン酸と呼ばれる脂肪酸が増加するとともに、体内の活性酸素が増加します。
このパルミトレイン酸が活性酸素と結び付き酸化して「ノネナール」という物質が発生し、独特な臭いとなります。
加齢臭は首の後ろ、背中、胸辺り、何度も着用した衣服から発生していることが多いです。


タイプ4:ミドル脂臭

30代半ばから強くなり始める臭いで、首の後ろからうなじにかけて発生します。
使い古した油のような臭いが特徴。
ミドル脂臭の原因物質は「ジアセチル」です。
「ジアセチル」とは、エクリン腺から出た汗に疲労物質の「乳酸」が含まれると、皮膚の上にある常在細菌(ブドウ球菌)により代謝・分解されることで生成される物質のことです。皮脂腺から分泌される皮脂臭(中鎖脂肪酸)とジアセチルが混ざった臭いがミドル脂臭と呼ばれます。

男性だけでなく、女性にもミドル脂臭は存在します。
女性ホルモンのエストロゲンが減ると、男性ホルモンの働きが活発になり、皮脂分泌が促進されるとミドル脂臭がするようになるのです。

女性でもミドル脂臭は強くなる

加齢臭とミドル脂臭の区切りは、40代になったから加齢臭になるということでなく、人によっては両方存在する場合があります。
加齢臭やミドル脂臭が発生する原因は年齢による分泌物(汗や皮脂)の変化であり、食事、睡眠、ストレスなど生活習慣によってもそれらの体臭が悪化すると考えられています。

体の状態、部位によって異なる体臭

タイプ5:ダイエット臭

普通のダイエット程度なら、体臭が強まることはありませんが、過度な糖質制限は臭いを発生させることも。これはダイエット臭と言われ、甘い臭いがします。
通常、エネルギーの生成のために糖を使いますが、糖がないため脂肪を分解して作られることでケトン体が発生し、甘い臭いになるのです。
極端な糖質制限をすることで発生する体臭なので、食事のバランスには気をつけましょう。

タイプ6:疲労臭・ストレス臭

仕事のプレッシャー、対人関係などで疲労やストレスが溜まると、肝機能や腎臓機能が低下します。
すると体内で分解できなかった物質が皮膚から放出され、アンモニア臭を発生させることがあると考えられています。
また緊張によって、皮膚からガスを発生させるため、硫黄のような臭いを発生させるのもストレス臭と言われています。
どの年代にも発生する臭いです。


タイプ7:足臭

足裏には汗腺がたくさんあるため、歩くだけでも汗をかくにもかかわらず、靴や靴下を履いているため、ムレやすい環境にあります。そうなると常在細菌が活動し、皮脂や角質を分解したときにイソ吉草酸が発生し、それが足臭の原因になります。

酸っぱさを伴う、納豆のようなツンとした臭いが特徴です。
イソ吉草酸を発生させないように、角質のケアをする、毎日同じ靴を履かないようにするなどの対策をしましょう。

靴下のムレは足臭の原因

タイプ8:口臭

口臭は、唾液の分泌量が減少することで発生します。
起床時や空腹時、緊張している時など、口が渇きやすいと状態だと口臭は強くなる傾向です。
口の中の唾液の分泌量が減ると細菌が結び付き、揮発性硫黄化合物がたくさん作られて、卵や玉ねぎが腐ったような臭いを発生させます。
また、刺激の強い食べ物を食べた時、虫歯や歯周病も口臭の原因になります。
歯磨きやうがいなどしっかりして口の中を清潔に保ちましょう。

今回挙げた8つの体臭は臭いや発生物質、原因がそれぞれ異なります。

年齢による体の変化や遺伝的な要因などによって体臭が発生することがありますので、体臭に合わせた適切な対策を心掛けましょう。

また、生活習慣の乱れによって体臭が発生・悪化することがありますので、生活習慣の見直しもおすすめです。


取材・文/百田なつき

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