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歌は心を移す鏡。アレサ・フランクリンの半生を描いた映画『リスペクト』

集英社オンライン / 2022年8月1日 9時1分

ヨガ講師として活躍する仁平美香さんが、女性の美と健康に効く映画をピックアップ。シリーズ5回目は、アレサ・フランクリンの半生を描いた『リスペクト』を紹介。映画を見終わった後に実践したい、体を整えるメソッドも必見。

ゴスペルの女王の知られざる半生

みなさま、こんにちは。
ヨガ講師やセラピストなど女性のカラダとこころの健康にまつわる活動をしている、仁平美香です。

先日劇場で『エルヴィス』(2022)を鑑賞し、世界でもっとも売れたソロアーティストである、エルヴィス・プレスリーの原点はブラックミュージックにあったことを知りました。幼少期にゴスペルに触れ、デビュー時にはブルースを歌い上げるなど、人種差別が現在よりもはるかに激しかった当時としては、なかなかない経歴で、後にロックンロールの王様と呼ばれた…その人生の苦悩と輝きに触れました。


そこで、同じく教会やゴスペルが原点にあるソウルの女王、アレサ・フランクリンの半生を描いた映画を紹介したいと思い、今回のテーマには『リスペクト』(2021)を選びました。

“クイーン・オブ・ソウル”の異名を持つアレサ・フランクリン
Globe Photos/アフロ

1950年代、類い稀な歌唱力で少女のときから天才と呼ばれていたアレサは、神父で公民権活動家の父から、愛情と期待とともに、強い束縛を受けて育ちます。
母の死をきっかけに、悲しみから大好きな歌を歌うどころか、話すこともできなくなった際にも歌うことを強要され、自分の意見は押し殺した少女時代。

父が選んだ大手のレコード会社でデビューしてから数年は、歌唱力は充分なのになかなかヒット曲に恵まれず、薦められるままに様々なジャンルの曲を迷い焦りながら歌う日々を送ります。

そんな中、メアリー・J・ブライジ演じる大先輩の歌手ダイナ・ワシントンから「何でも歌って節操がない。自分に合う歌、心が動く歌を探しな。でなきゃ成功はおぼつかないよ。」と、厳しくも温かい叱咤を受けます。

ポップスからブルースまでいろいろな曲を歌ってきたアレサでしたが、この出来事や恋に落ちたことをきっかけに、父と距離を置き、結婚。そしてレコード会社を移籍し、言われるがままではない自分の人生や音楽を少しずつ見つけていきます。

その後も夫からの裏切り、そして幼少期に父の知人から受けた大きなトラウマとなる経験のフラッシュバックとも闘い、壁を乗り越えていくアレサ。

中でも、アルコール依存症で歌うこともままならない絶望の時期に、亡き母がアレサに寄り添いながら『アメイジング・グレイス』を歌い、立ち直るきっかけとなるシーンは印象に残っています。

信念を持って生きることの素晴らしさ

『リスペクト』でアレサ・フランクリンを演じたジェニファー・ハドソン
Photoshot/アフロ

私は、2年程前から小さな頃からの夢だった歌の勉強を始め、昨年からは本格的に声楽の練習に取り組んでいます。
歌っていていつも感じるのは、そのときの自分の心身の状態が歌声に反映され、技術はまだまだでも声の響きや届き方が変わるということ。
身体とこころはつながっているし、声もつながっています。そのことを一番大切にしながら、いつか納得のいく歌を歌えるようになれたら…と日々練習しています。

小さい頃から抜群の歌唱力という才能を持っていたアレサが、デビュー当時に思うように歌えなかった一番の理由は選曲ではなく、自分を抑制した状態だったからではないかと感じました。
束縛から解き放たれて、自分らしく才能を活かしきる姿は本当に眩しいですし、人に勇気を与えてくれます。
アレサから自分の信念を持って生きることの素晴らしさを思い出させてもらえました。

立ち直ったアレサが自分の本当にやりたい音楽として選んだのは、幼少期によく歌っていた場所であり原点でもある教会でのゴスペル。レコード会社からは難しいと言われていたチャーチ・コンサートアルバムは、彼女のキャリアの中でもっとも売れたアルバムとなります。

アレサ・フランクリン役を演じたのは『ドリームガールズ』(2006)でアカデミー助演女優賞を受賞し、歌手としてもグラミー賞を受賞したジェニファー・ハドソン。アレサ本人が彼女を抜擢したというのも納得の歌唱力で歌い上げる、数々の名曲も大きな見どころのひとつ。

エンドロールには名曲『ナチュラルウーマン』を歌うアレサ本人の歌唱映像も登場しますが、こちらも言わずもがなの圧巻。歌詞も映画の内容ともリンクして、以前聞いたときとは染み込み方も全く違うものに感じました。

鑑賞後には映画内で出てくる、教会での伝説のコンサートシーンのライブドキュメンタリー映画『アメイジング・グレイス』(2018)を合わせて見るのもおすすめです。『リスペクト』で素晴らしい声の裏側にある、決して平坦ではなかったアレサの物語を知ったあとでライブ映像を見ていただくことで、汗だくで歌うアレサの姿や歌声への感動がさらに深まること間違いなしです。

胸と背中を開く座位の“わし”のポーズ

映画で素敵な歌声に酔いしれたあとは、伸びやかに歌うためのセルフケアポーズを一緒に実践していきましょう。胸や背中などに硬さがあると歌声に響きがでません。今回は胸と背中をゆるめ、肩関節周りの柔軟性アップにもつながる、座位の“わし”のポーズを紹介します。

1、案楽座になって胸の前で腕を絡めます。
2、吐く息でおへそから指3本上あたりを中心に、後ろに引き背中を丸めます。
3、吸う息で同じ位置を前に突き出すイメージで、腕を少し上にあげ胸を開きます。
4、5呼吸程繰り返したら、腕の組み方を上下逆に変えて同様に5呼吸続けましょう。

ポイント:口を閉じ、鼻呼吸で呼吸に合わせてゆっくり行いましょう。腕を絡めることができない方は、腕を軽くクロスするだけでもOK。 腰回りが硬く安楽座(あぐらの座位)がつらい方は、椅子に楽な姿勢で腰かけて行ってください。


文/仁平美香

『リスペクト』(2021)Respect 上映時間:2時間26分/アメリカ
少女の頃から抜群の歌唱力で天才と称され、きらびやかなショービズ界の華となったアレサ・フランクリン(ジェニファー・ハドソン)。ところがその裏に隠されていたのは、尊敬する父(フォレスト・ウィテカー)、愛する夫(マーロン・ウェイアンズ)からの束縛や裏切りだった……。

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