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超美味ビュッフェに本格サウナ。名湯だけじゃすまない福井の絶品旅館

集英社オンライン / 2022年8月10日 10時1分

名湯だけでなく、ロウリュのサウナと旬の食材で作った最高の料理を味わえる旅館が、福井県のあわら温泉にあるという。温泉マイスターの資格を持つ、ライターの山田ゴメス氏がその魅力をお伝えする。

2020年の10月に「温泉マイスター」の資格を取得しました。一応、最初に同資格の説明を簡単にしておきます。

「温泉ソムリエ」「温泉マイスター」「温泉保養士」「温泉観光士」「温泉観光アドバイザー」などと、「温泉」と名のつく資格はいくつもありますが、なかでも「温泉マイスター」は『別府温泉地球博物館 』が主催する講習会を受けたのち、筆記試験と実技試験を突破しなければなりません。「温泉マイスター検定」は年2回、春(2月)と秋(10月)に大分県別府市で開催され、温泉関係の資格では最難関とも言われている......とのことです。



そんな「温泉マイスター」から、ぜひ皆さまに知っていただきたい素敵な温泉宿をご紹介します。それが、福井県あわら温泉にある『ホテル八木』です。

黒船の進出によって、改革を余儀なくされた老舗旅館

JR福井駅からえちぜん鉄道に乗り換え、40分ほど二両編成の電車に揺られると『あわら湯のまち駅』に到着。駅から徒歩約3分、緑豊かな田園に囲まれ、整備された清潔な街並みが印象的です。そんな「関西の奥座敷」とも呼ばれる福井県のあわら(芦原)温泉にある『ホテル八木』は、20人以上の団体客を受け付けない旅館で、宴会場もカラオケもゲームコーナーもありません。

ホテル八木のエントランス

エントランスには人気絵本作家・荒井良二さんの巨大な絵画が飾られており、アート感あふれる館内はモダンな空気と和のテイストが絶妙に融合。ロビーからは朝・昼・晩で表情を変える、四季折々の日本庭園が臨め、照明・インテリア・一輪挿しにもさりげないこだわりが......。

創業120余年の大型老舗旅館を率いるのは、五代目として経営に取り組む二人の若き兄弟。大学卒業と同時に『ホテル八木』に就職した常務取締役の八木司さんは、当時の状況をこう回想します。

「最初はフロントで働き、3年目からは経理を担当しました。そのころの従業員で若い世代は2歳上の兄と私の二人だけで、あらゆる面での前時代的な環境には常に違和感を感じていました。でも、そうこうしているうちに、あわら温泉に大江戸温泉が進出してきて売上が大きく減少しまい、大きな方向転換を余儀なくされてしまったのです」

幾多の「地産地消」「旬」をうたうビュッフェ料理の中でも群を抜く美味さ!

苦境に立たされた老舗旅館を立て直す際に、目玉となった「改革」の一つが、「地産地消」と「旬」を徹底的に貫くビュッフェスタイルの食事への転換です。

きっかけは、東京のイタリアンレストランで働いていたという現料理長の見澤伸行さんとの出会い。見澤さんが担当した「スイーツバイキング」はホテル八木を訪れた女性客や家族客のあいだで大ヒットし、その噂はたちまち口コミで広まります。その後はスイーツと食事を併設した和洋折衷型のビュッフェが、ホテル八木のセールスポイントとなりました。

ホテル八木、自慢のビュッフェ

「旅館の料理は盛り付けに手間と時間がかかるのですが、そのわりには味も似たり寄ったりです.。だったら、いっそお客さまにお皿に取ってもらうスタイルにしようと。先代社長の父には大反対されましたが(笑)、食材の仕入れやメニューを日替わりで丁寧にチェックすれば、絶対に成功するという自信はありました」(八木司常務)

「季節に合った地元の食材」をうたう温泉宿はさほど珍しくありません。温泉好きな筆者もあらゆるスポットで、その手の料理は散々食べてきました。ですが、『ホテル八木』のビュッフェは、決して忖度や社交辞令などなく、まさに群を抜いておりました。

新鮮なネタで握られたお寿司は絶品

みずみずしいネタが食欲をそそるお寿司に、さざえの壺焼き、赤いかの天ぷら、金目鯛のお吸い物、ローストビーフにすき焼き、豚のしゃぶしゃぶ......。フルーツ丸ごとのフレッシュジュースは濃厚で、期間限定で様変わりする自慢のスイーツビュッフェは百花繚乱でSNS映えも最高です!

口コミでも話題になったスイーツ

三国港の豊富な魚介類や地元農家の野菜や果物などを巧みに、かつ最大限に活かした見澤料理長のセンスとアイデアが料理ひとつ一つに込められています。料理はいずれも少量で盛られ、すぐに補充されるので、どれも新鮮そのものです!

周囲のお客さまをよくよく観察してみると、どうも口数が少ない......気がしなくもありません。皆さん、あまりの美味さにおしゃべりも忘れ、ひたすら食に集中しているようでした。

まろやかな泉質とフィンランド式の庭園サウナが魅力

ホテル八木は名湯をうたっているだけあり、泉質も抜群です。「温泉マイスター」っぽく(笑)、ホテル八木で堪能できる「お湯」について解説しましょう。

泉質は「微アルカリ性の低張性中性高温泉/ナトリウム・カルシウム─塩化物泉」で海水に似た成分を含んでおり、保湿効果は抜群! また「美肌の湯」の名に相応しい微アルカリ性で、メタケイ酸の含有量も1kg中に51.7mgと高いのが特徴です(※一般的に50mg以上で「美肌の湯」と呼ばれる)。自家源泉掛け流しの天然温泉は、「まろやか」の一言に尽きます。

そして『ホテル八木』のセールスポイントとして、もう一つ特筆すべきなのは、大浴場の外にある露天風呂に隣設する「庭園サウナ」です。なんと、イマドキのサウナマニアが泣いて喜ぶ「ロウリュ」! 熱せられたサウナストーンにアロマウォーターを注ぎ、水蒸気を発生させることによって急激に体感温度が上昇する、本場フィンランド発祥のサウナ入浴法です。

サウナ好きにはたまらない「ロウリュ」

テレビも付いていない、こぢんまりとした清潔な室内にある小窓からは見事な日本庭園が鑑賞でき、水風呂はサウナ初心者にもやさしい18度。室外には冷たいドリンクも外気浴用のチェアーも完備しています!

さらに、室内の壁にはフィンランド式サウナには欠かせない「ヴィヒタ」(※白樺の枝を束ねたもので、水に浸して全身を軽く叩くことで血行促進や発汗などの効果が期待できる)が、さりげなくかかっています。

白樺の枝を束ねた「ヴィヒタ」

ちなみに、筆者は過去に二度『ホテル八木』を訪れたのですが、一度目に来たときはヴィヒタとドリンク......あとロウリュの説明書きのようなものはなかったと記憶します。おこがましくも、常務の八木さんにその旨をお伝えしたところ、なんと二度目に来たときはそれらすべてが反映されているではありませんか! アンケートをもとに顧客の声を真摯に拾いながら、軽やかなフットワークで日々進化し続けるポジティブな姿勢に、一番の驚きと感動をおぼえました。

当たり前の話なのですが、「泉質」は施設側がどんな営業努力をしても「できること」は限られており、あわら温泉を本拠地とする以上、他の近隣同業他社との差別化は困難です。

対して「サウナ」は泉質と比べ、予算と工夫次第で改良の余地を十分に見いだすことができる。しかも、昨今の若い世代を中心とするサウナブームも追い風にできます。優れた泉質に加え、時代のニーズを捉えたサウナルームを有する温泉宿は鬼に金棒状態で、「温泉マイスター」として激推ししたいです。

文/山田ゴメス

ホテル八木
住所:〒910-4104 福井県あわら市温泉4-418

予約専用フリーダイヤル:0120-78-5000(受付時間 8:30 ~ 21:00)
その他お問い合わせ:0776-78-5000(受付時間 8:30 ~ 21:00)
公式ホームページ:www.hotel-yagi.co.jp

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