46歳で最年長先発勝利。中日・山本昌は130キロ直球で50歳を超えても勝てる

週プレNEWS / 2012年4月26日 6時0分

現役最年長選手、中日の山本昌46歳。4/24現在、26回投球の自責点2で、なんとセリーグの防御率トップ。好調の理由は?

46歳の超ベテラン左腕、圧巻の復活劇だった。4月15日、中日の山本昌が阪神戦に先発し、8回2安打無失点と好投。自身582日ぶりの勝利を収めるとともに、プロ野球の最年長先発勝利記録を更新した。

元チームメイトで野球解説者の金村義明氏はこう語る。

「103球、全盛期を思わせるような素晴らしいピッチングでした。昨年1年間は登板機会がゼロで引退ギリギリまで追い込まれましたが、まったく投げなかったことで、むしろ肩やひじがリフレッシュし、状態はいいですからね」

この日の最速は138キロ。もともと速球派ではないとはいえ、20代の頃とほぼ同じ球速というのも驚きだ。

「ボールの質そのものも全盛期と変わりません。地道なトレーニングの賜物(たまもの)でしょう。18歳でプロ入りして以来、とにかく彼は走り込みを欠かさなかった。それこそ人の何倍も走りに走って鍛え上げた下半身の強さ、その貯金が今になって生きている。あと、これだけ長く活躍できているのは若くしてピッチングスタイルを確立できたのも大きい」(金村氏)

そんな彼のピッチングスタイルの原点はプロ5年目、1988年のアメリカ野球留学だといわれている。そこで投手としての基礎をみっちり叩き込まれ、“伝家の宝刀”スクリューボールもマスターした。その後、最多勝3度、最優秀防御率と最多奪三振をそれぞれ一度ずつ、さらには沢村賞を受賞するまでの投手へと成長したのだ。そして、そのスタイルは211の勝ち星を重ねた現在も同じ。

「彼の投球術には本当に悩まされましたよ」と漏らすのは、現役時代に山本を大の苦手としていたプロ野球解説者の駒田徳広氏である。

「直球は130キロ台でもキレがあるので速く感じるし、独特の角度もある。とにかく左打者には外角のボールがむちゃくちゃ遠くに見えるんです。しかもコントロールがいいから、審判のストライクゾーンを測りながら出し入れしていく。加えてスクリューボール。もうお手上げですよ」

駒田氏は当時の苦い思い出を振り返りながら、「彼のおおらかな性格が現役を長らえさせているのでは」と指摘する。

「子供の野球教室に参加したとき、彼は軟球でもソフトボールでも気にせずに投げるんですよ。たいていのピッチャーは『感覚がズレるから』といって投げたがらないんですけどね。そういう、いい意味での無頓着さ、神経質すぎない性格がよかったのでは」

また、山本にとっては、盟友・山﨑武司(43歳)の中日復帰も大きいようだ。

「ふたりとも追い込まれた状況なのはもちろん、何よりラジコンという共通の趣味を持っている。プライベートにふたりでラジコン大会を主催するほど仲がいいんですよ。この年齢、このタイミングで山﨑と再び同じユニフォームを着ていることは、彼にとって心強いこと」(前出・金村氏)

衰えない球威に、再会したラジコン仲間の存在。金村氏は「今シーズンふたケタ勝利は十分にあり得る」とみている。

もちろん、それは自身が持つ最年長ふたケタ勝利記録(43歳)の更新を意味する。

「肩、ひじ、腰などに故障がなければ50代までやれる。最近のバッターは、飛ばない統一球となった昨年から厳しいボールを打ち切れていない。精度の高いボールを投げ分けられる山本昌のような投手にとっては、非常に打ち取りやすい状況になっています。そういうことを考えると、50 歳までは安泰じゃないかな」(前出・駒田氏)

前人未到の50歳現役、50 歳での勝利も夢じゃない。

(取材・文/コバタカヒト、写真/益田佑一)



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