震度7の東京湾北部地震が発生すると赤坂のビルや山手線、アメ横が倒壊する

週プレNEWS / 2012年5月1日 18時0分

大型連休が始まったばかりの4月29日19時28分、千葉県北東部を震源とするM5.8の地震が発生、千葉県旭市で震度5弱を記録したほか、都内でも震度3の揺れとなった。さらに数時間後の30日0時2分には、岩手県沖を震源とするM5.6の地震も発生。いまだ巨大地震への警戒は続いている。

現在、懸念されているのが首都直下地震「東京湾北部地震」だ。平成18年度の時点では「6強」と想定されていた震度を、東京都は4月18日、震源が以前の想定より10kmほど浅いとし、「7」になる可能性があると発表した。いったい震度6強と7では、どれほど被害状況が違うのか。

見直しを行った文部科学省の研究チームによると、木造建物の全壊戸数は震度6強で16万棟、震度7で39万棟に上る。震度が1段階上がれば、その破壊力は約2.4倍にもハネ上がることになる。防災・危機管理ジャーナリストの渡辺実氏が語る。

「首都圏には旧耐震基準の古い建物が全体の4分の1くらい残っていて、震度6強で壊れてしまう。それが16万棟。震度7になると、さらに23万棟が全壊する。これは新耐震基準の建物でも全壊することを意味する」

全壊39万棟というのは、あくまでも木造の建物だけの数字。それでは、コンクリートのビルならどうか。

「残念ながら17年前の阪神・淡路大震災のときには、コンクリートのビルが基礎からズレて崩れ落ちてしまった。港区赤坂には旧耐震の中低層ビルが 5割以上を占めています。そんな古いビルがバタバタ倒れてしまう危険性がある。しかも隣接するビルが壁となり、道路側に崩れ落ちてくる」(災害・危機管理アドバイザーの和田隆昌氏)

さらに、古い商店街のアーケードも危険だ。

「強度の低い建物の上に載せているので耐震基準などなく、阪神・淡路のときも神戸市の三宮や長田のアーケードは一瞬にして崩れ落ちてしまった」(和田氏)

また、東京の大動脈といえる山手線の高架を支えているのは古い石積みやレンガの柱。しかも上野御徒町間の高架下の「アメ横」には約400店が密集している。

「高架線の柱が崩れれば、『アメ横』もグシャリと潰れてしまう。そんな危険な柱が6700本以上も山手線を支えている」(和田氏)

結局、首都圏で震度7でも持ちこたえられる建物は、最新の免震技術を駆使した超高層ビルぐらいなのか。

「超高層ビルは施工管理も品質管理も厳しく一般の建物よりもはるかに強い構造ですが、3・11を経験して免震技術の核となるゴムにダメージが残り“体力”が落ちている。そこへ震度7がくればどうなるかはまったく未知数」(渡辺氏)

東京都は「東京湾北部地震」の死者数を約9700人と想定しているが、これが甘い見通しでないことを祈るばかりだ。

(取材/鈴木英介)



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