HV、EV、クリーンディーゼルに第3のエコカー。どのエコカーを選ぶのが正解?

週プレNEWS / 2012年5月16日 6時0分

ハイブリッドにEV、クリーンディーゼルに第3のエコカー。さまざまなエコカーが発売されていますが、いったいどれを買えば長い目でおトクなの?

日々のガソリン代が節約できるだけでなく、減税や補助金など購入時にサポートされている「エコカー」。新車購入を考えている人の多くが、候補に挙げていることだろう。

だが、そもそもの疑問として、エコカーとはいったいどんなクルマを指すのか。モータージャーナリストの鈴木ケンイチ氏が分かりやすく解説してくれた。

「エコカーとは、ひと言で言うと『燃費がいいクルマ』のことです。燃費がよければ、化石燃料の消費、CO2の排出量とも少なくなり、環境への悪影響も小さくなりますから。でも、その“燃費のよさ”について、決まった数値はないんです。ただ、減税や補助金の対象にするため国が定めた燃費基準があり、それが便宜的に『エコカーの定義』としても使われているのが実情です。最新の『平成27年度燃費基準』では、クルマのタイプや車両重量ごとに基準値が決められています」

詳しく分類すると、現状のエコカーは以下の6種類となる。

●ハイブリッド車(HV)



ガソリン・エンジンとモーターというふたつの動力源をミックスさせたクルマ。モーターは搭載する蓄電池の電気で駆動、エンジンは走行だけでなく充電にも用いる。給油など日常的な扱い方は普通のガソリン車と同じ。

●プラグイン・ハイブリッド車(PHV)



HVの電池を大型化して、家庭用電源(プラグ)からも充電できるようにしたクルマ。満充電状態なら、電気だけである程度の距離を走れるためプリウスPHVの場合は約20 ㎞、短距離の利用に限定すれば燃料補給の必要がない。長距離を走るときはHVと同様に使える。電池の分だけHVより高価。

●電気自動車(EV)



搭載する電池とモーターだけで走り、走行中に二酸化炭素を排出しない。効率がよく、たとえ火力発電所の電力で充電しても、トータルのCO2排出量はガソリン車より少ない。ただ、ネックは航続距離。電池の性能アップと低価格化が望まれる。

●クリーンディーゼル



最新技術で、従来弱点とされていた排ガス中の「スス」「NOx」を激減させた新世代ディーゼル車。燃費がよく、高トルクで走りのよさも魅力。ただし、排ガスをきれいにする技術や機構が高価で、車両価格も割高になる。



代表車:CX-5(マツダ)

●第3のエコカー



高度なエンジン制御技術などを搭載した「新世代ガソリン車」のこと。エンジンの高効率化やアイドリングストップ機構の搭載はもちろん、ボディの軽量化、空気抵抗の低減なども駆使し、ハイブリッド車並みの「リッター30㎞」の燃費を達成するモデルもある。

●燃料電池車(FCV)



水素を空気中の酸素と化学反応させて発電し、その電力をエネルギーとするエコカー。排出するのは水だけ。ただし、化学反応に必要な触媒にプラチナを使うため、価格は「一台1億円」とも。また、水素供給インフラを整備する困難さも課題。トヨタのFCVは、ハイブリッドシステムも搭載するため「FCHV」と呼ぶ。

では、どのタイプが今後の本命になるのだろうか。モータージャーナリストの竹岡圭氏が予想する。

「実は用途やライフスタイルによって一長一短あるのが、いまのエコカーなんです。日本で考えれば、街乗りなど短距離走行ならEV、街中メイン+時々遠出ならPHV、高速を使ったロングドライブ主体ならクリーンディーゼルや第3のエコカーが向いているということになるでしょうが、どれも『本命』って言うには……。また、海外に目を向けると、インフラ整備や主力燃料の差で、天然ガスやエタノール混合燃料が有力視される国もあります。しばらくはさまざまなエコカーがそれぞれ技術を競い合う時代が続くと思います」

長い目で見れば、現在はまだまだエコカー黎明期。今の自分の使い方にあったクルマを選べば、どのエコカーでも正解だということだ。

(写真/池之平昌信)



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