マルチ商法にハマる若者が急増中。きっかけは強い「仲間意識」

週プレNEWS / 2012年6月14日 10時0分

会員になる、自らも特定の商品を買うなどの負担をしながら、その商品の新たな顧客を開拓し、その分のバックマージン(特定利益)を得るマルチレベルマーケティング(MLM=マルチ商法)。強引な勧誘や商品の虚偽説明などで、過去に何度も問題になってきたが、近年、この業種への参入者にある変化が現れている。

「MLMは主婦をはじめとする女性が多いネットワークビジネスですが、それに加え、実は従来から『効率よく稼ぎたい』という競争意識の高い四大卒男性の受け皿としての機能もありました。しかし、最近はそれだけではなく、温室育ちの“草食系男子”といわれるような子や高卒の子が増えてきているんです」(ベテラン代理店A氏・38歳)

会員の65%を40代以上が占めるといわれるMLM業界に、なぜ新規若年層の参入が増えているのか。

関東某県で某大手MLMに携わる仲間とともにルームシェアをしているAさん(四大卒・26歳)は、2年前にMLMに遭遇。給料が安く昇格もない会社に不安を覚えて自己啓発系のセミナーに通い始めたAさんは、そこで出会った人からパーティに誘われたのがきっかけだった。彼はそこで、自分の会社にはない“チームの結束力”を見たという。

「自分が新卒で入った会社は社内コミュニケーションがまったくなく、『この職場で大丈夫なのか』という不安を抱えていました。でも、そのパーティで出会った人たちは、仕事仲間として勧誘時にがっちり協力し、プライベートでもBBQやキャンプをやって密につながっている。『このコミュニティの楽しさや頼もしさがうらやましい』、そう告げたら、MLMに誘ってくれたんですよ」

また、昨年までIT企業で忙しく働いていたBさん(専門学校卒・32歳)は、ある日、自分の5年先輩の社員に全く憧れを持てないことに気が付いてしまう。そんな折、クラブイベントで出会った友人にMLMを紹介された。

「連れていってもらったセミナーで講演していたチームリーダーは収入も多いし、土日はおろか平日も目覚まし時計いらずの生活をしていた。それに、なんといってもまだ駆け出しのメンバーを徹底してサポートしている。こんないい先輩の下でなら、私も安心して仕事ができるし、彼を目指すこともできると思ったんです」

MLMのメンバーがプライベートでも仲がよかったり、後輩の面倒を見たりするのは、あくまでそこからできる人間関係がビジネスにつながるから。だが、AさんもBさんも、MLMのそうした面には全く気が付かない。社会学者の鈴木謙介氏は、MLMの本質をこう説明する。

「頼もしく安心できる存在に見えるMLMのグループですが、これは完全実力主義という荒波の業界で、しかも、世間的な目もいまだに厳しいからこそ築かれた強固な関係ともいえます。むろんMLMをやめてしまえば、その中に残り続けることはできません」

現状に対する不安を抱えた若年層は、MLMの強い仲間意識に魅了されてしまうのだろうか。

■週刊プレイボーイ26号『若年世代に「マルチ商法」がジワジワ浸透中!?』



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