強すぎてつまらない? サッカー主要大会3連覇、スペインの時代はいつまで続くのか

週プレNEWS / 2012年7月9日 10時0分

強い、強すぎるぞ! スペイン! 日本時間の7月2日、サッカー欧州選手権(EURO 2012)はスペインの優勝で幕を閉じた。決勝の相手はノリにノッていたイタリアで、当初は拮抗した試合が予想されていたのだが、終わってみれば4-0のフルボッコ。これでスペインは、EURO 2008と2010年南アフリカW杯に続く主要国際大会3連覇という、欧州では史上初となる快挙を成し遂げた。

だけど、どうもモヤモヤした気分が残ったサッカーファンは多いのではなかろうか。ショートパスでボールを支配しまくる彼らのサッカーは間違いなくスゴいけど、「スペインって最高!」と素直に喜べないのはなぜ?

この疑問に、現地観戦したサッカーライターの杉山茂樹氏はこう答えた。

「強いチームが普通に勝っても、新鮮味に欠けるってことじゃないですか。昔のスペインは“無敵艦隊”って呼ばれていたけど、大事なところでいつも負けていた。だから応援したくなったんだけど、今は本当に『無敵』になっちゃったからね。そりゃファンの“判官(ほうがん)びいき”もなくなればアンチも増えるでしょう」

強すぎるとアンチが増える―その心理は、わからなくもない。しかし、スペインのサッカー自体も、数年前に比べて面白みが欠けていたような気もする。

では、スペインに惨敗してしまったイタリアの人はどのように思っているのだろう。イタリア最大の日刊紙『コリエーレ・デラ・セーラ』のマリオ・ゼッペ記者に聞いてみた。

「言い訳するつもりはないけれど、グループリーグのスペイン戦で引き分けた(1-1)ときのような堅守を徹底していたら決勝でも勝てたと思う。でも、準決勝のドイツ戦で快勝したこともあってか、攻撃的なスタイルで決勝戦に臨んでしまった。それが敗因だ。

だけど、イタリアのサッカーのほうが観ていて楽しかっただろう? それはスペインよりもサッカーの“リズム”が心地いいからなんだよ」

負け惜しみが多分に含まれているように思うけど、スペインのサッカーが面白くない理由のヒントになりそうなコメントだ。では、その“リズム”とはいったい何か? 再び杉山氏に聞いてみた。

「今回のスペインのサッカーはパス回しのリズムがずっと一緒だったよね。ずっと“短・短・短”。長いパスが全然なかったんだよ。だからピッチが広いのに、なんだかスケールが小さく感じてしまう。短いパスの間に長いパスが加わるからリズムに変化が出て、サッカーがダイナミックに見えるのに。そのことが『つまらない』と感じる要因なのかも。そういう意味では、ドイツやイタリアのほうがリズムに変化があって面白かったね」

なるほど、確かに今回のスペインは長めのパスが少なかった。“すごいけど、つまらない”の原因は、この「単調なリズム」にもありそうだ。

で、気になるのは今後。もうそろそろスペインを超える面白いチームが出てきてもいいのでは?

「この大会ではスペインを上回るサッカーが出てこなかったので、もうちょっと“天下”は続くと思う」(杉山氏)

「あの完成されたサッカーを打破できるのはまだかなり先」(前出・ゼッペ氏)

現代表だけではない。ロンドン五輪に出場するU-23スペイン代表は“史上最強”との呼び声高いのだ。彼らが順調にA代表へとステップアップすれば、スペインは今よりさらに強くなるという意見もある。

もはや、世界的に一歩も二歩も抜け出した感があるスペイン。今後、それを凌駕するような新しいスタイルを持った国が誕生するのか否かはわからないけれど、「スペインの時代」はまだまだ続くだろう。

(取材・文/たけしたたけし)



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